香港、暗号資産カストディに関する暫定基準を公表

トークン化商品とデジタル資産が対象

香港金融管理局(HKMA)が、トークン化された商品とデジタル資産のカストディに関する基準を2月20日公表した。

同文書でHKMAは、デジタル資産関連業務を行う認定機関に対し、包括的なリスク評価の実施と暗号資産カストディ・サービスの適切なガバナンスとリスク管理のために十分なリソースを割り当てることを求めている。

またHKMAは、「盗難、詐欺、過失、その他の不正流用行為による顧客デジタル資産の損失リスク、および顧客デジタル資産へのアクセス遅延またはアクセス不能」を回避するために、会社の資産と顧客資産を分離して管理し、緊急時および障害復旧計画を保持することを期待すると述べている。

その他の要件としてHKMAは、暗号資産カストディ業務に係るリスク開示や、マネーロンダリング及びテロ資金対策ガイドラインへの遵守等を挙げている。

またHKMAは、認定機関及び関連する現地法人認可機関に対し、この発表から6カ月以内にHKMAの期待する水準を満たしていることをHKMAに通知する義務を課している。

投資家保護の取り組み

グローバル金融の中心になるべく、暗号資産に積極的なスタンスをとっている香港は、投資家保護に関する取り組みを推進している。

香港は、暗号資産取引所などの暗号資産サービスプロバイダー(VASP)に対する新たなライセンス制度を導入する法案を2022年12月7日に可決。同法律は昨年6月1日より施行され、これにより個人投資家の暗号資産取引が解禁となった。

香港政府はこれまで投資家保護の観点から、暗号資産取引を適格投資家のみに限定することを提言していた。しかし、それによりイノベーションの阻害や暗号資産事業者の海外流出、FTXのような海外取引所を利用することによる投資家被害などが発生したため、香港政府は2022年11月に「個人投資家による暗号資産取引の容認」を提案し、SFCが協議プロセスを開始していた。

またSFCは投資家・金融教育協議会(IFEC)とともに、不正行為に対する意識を高めるためのパブリック・キャンペーンを開始する予定であることも発表している。

また昨年10月20日はSFCとHKMAが、2つの投資家保護措置を追加し、暗号資産規制枠組みを更新していた。

関連ニュース

参考:発表
images:iStocks/seungyeon-kim

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

合わせて読みたい記事

【5/2話題】ビットコインが下落、米検察がブロック捜査、レイヤーゼロがスナショなど

ビットコインが6%近く下落、FOMC控え 最高値から22%安、米連邦検察、米決済ブロックの社内業務を調査=報道、レイヤーゼロがスナップショット実施、エアドロ間近か、テザー社、Q1が過去最高益45億ドル超に、純資産額も初公表、米セキュリタイズがブラックロックらから4700万ドル調達。サークル、アプトスラボ、パクソスも参加、HashKey DX・リップル・SBI Ripple Asiaが提携、法人向けの「XRP Ledger」の日本市場導入で、「スイ(SUI)」のミステンラボ、グーグルクラウドと提携、親クリプト派マクヘンリー米下院議員、SECのイーサリアム調査を非難、ストライプで「AVAX」の購入が可能に、アバランチとコアウォレットに統合で、ユニスワップウォレットに「Robinhood Connect」統合、ロビンフッド内の資金で暗号資産購入可能に、イーサリアムL2「Scroll」がアップグレード実施、EIP-4844に対応、クリプトヴィレッジのLocal DAO、旧山古志に続き「長野県天龍峡」と「宮崎県椎葉村」を選定。「Nishikigoi NFT」保有者の投票で決定へ

ユニスワップウォレットに「Robinhood Connect」統合、ロビンフッド内の資金で暗号資産購入可能に

「ユニスワップ(Uniswap)」のモバイルアプリ「ユニスワップウォレット(Uniswap Wallet)」にオンランプ機能「ロビンフッドコネクト(Robinhood Connect)」が統合され、同アプリではロビンフッド内の資金で暗号資産(仮想通貨)の購入が可能となった。このことはユニスワップが4月29日発表した