英国、犯罪関与の暗号資産押収に関する法案が正式に可決

王室の承認受け

英国の「経済犯罪および企業の透明性に関する法案」が、王室の承認を得て正式に成立した。英国政府が10月26日発表した。

同法案は昨年9月に提出されたもので、当局による「マネーロンダリングや麻薬取引などの犯罪に使われた暗号資産」を押収・凍結する権限を、地方裁判所及び法執行機関に拡大するものだ。

法案では、現在資産差し押さえのプロセスを遅らせている特定の法的ハードルを撤廃し、法案の規定によって、犯罪活動に関連するデジタル資産を2002年犯罪収益法に基づいて当局が差し押さえられるようになる。

暗号資産を推進する英国

英国財務省は昨年4月初旬に、英国を世界的な暗号資産業界のハブにするための計画を発表。同国においてステーブルコインを決済手段として利用できるよう整備及び立法化していく方針が示された。

一時、暗号資産市場の市況悪化などにより、英国においてのステーブルコイン規制の先行きが不透明な時期もあったが、2022年7月に、ナジム・ザハウィ(Nadhim Zahawi)財務大臣による「テクノロジーの中心地としての英国の立場を推進する」という意志表明により、英国におけるステーブルコイン規制推進の動きが明らかとなった。

6月には、英国財務省が提出していた「金融サービス・市場法案(Financial Services and Markets Bill:FSMB)」が王室の承認を受け法制化した。

7月には、暗号資産取引と投資をギャンブルの一種として規制する提案が英国財務省の経済長官であるアンドリュー・グリフィス(Andrew Griffith)氏によって却下されている。これは暗号資産をギャンブルの一種として取り扱うことは、英国を世界や欧州連合の規制当局と対立させ、同分野のリスクを緩和することにつながらないとの考えからであった。

また英国では暗号資産に関する規制も続々と進行中だ。

10月からは、英国金融行動監視機構(FCA)による新しい暗号資産マーケティング規則が導入された。

同規則では、24時間の「クーリングオフ」期間の設置や、明確なリスク警告を掲示した明確かつ公正な広告が求められる。

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参考:英国政府
デザイン:一本寿和
images:iStocks/btgbtg

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者
同志社大学神学部を卒業後、放送局勤務を経て、2019年幻冬舎へ入社。
同社コンテンツビジネス局では書籍PRや企業向けコンテンツの企画立案に従事。「あたらしい経済」編集部では記事執筆を担当。

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