FRB副議長、CBDC発行に対して懐疑的な意見

FRB副議長、CBDC発行に対して懐疑的な意見

連邦準備制度理事会(FRB)による中央銀行デジタル通貨(CBDC)の発行に対して懐疑的な意見を持っていることを、FRBの副議長であるランダル・クアーレス(Randal K. Quarles)氏が6月28日に開催された講演会にて明らかにした。

講演会で行われたスピーチにてクアーレス副議長は「CBDCについて批判的に分析する必要がある」と述べ、米国の既存の決済システムやステーブルコインとCBDCの比較、FRBがCBDCを発行するメリットとデメリットなどを挙げつつ、結論として「FRBがCBDCを発行すべきであるとは想定できない」と述べた。

クアーレス副議長は、自身がCBDCの発行に対して懐疑的な意見を持つに至った根拠として「1.米国の既存金融システムが非常に優れていること、2.CBDCを発行することによる潜在的なメリットが明確でないこと、3.CBDCの開発がリスクをもたらす可能性があること」の3つのポイントを挙げており、既存金融システムの崩壊や不正行為への利用などといったCBDCの発行によるリスクがメリットを上回る可能性が高いことを説明した。

なおクアーレス副議長の意見は、FRBの政策とは関係の無い、個人的な見解である。

現在FRBはCBDCの研究を進めており、今年の夏にCBDC発行に関する意見をまとめたディスカッションペーパーを公表する予定となっている。

参考:FRB
デザイン:一本寿和
images:iStocks/paitoonpati・msan10・Lubo-Ivanko

この記事の著者・インタビューイ

小俣淳平

「あたらしい経済」編集部
一橋大学2年生
真面目で温厚な20歳。大学1年生のころにブロックチェーンに出会い、その革新性に衝撃を受け、ブロックチェーン業界に足を踏み入れた。勢いのままに学内で「OneLab」というサークルを立ち上げ、週一で活動している。

「あたらしい経済」編集部
一橋大学2年生
真面目で温厚な20歳。大学1年生のころにブロックチェーンに出会い、その革新性に衝撃を受け、ブロックチェーン業界に足を踏み入れた。勢いのままに学内で「OneLab」というサークルを立ち上げ、週一で活動している。

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