【取材】国内NFTマーケット「Adam byGMO」会見、西野亮廣氏、まふまふ氏、武尊氏らも参加

「Adam byGMO」会見、西野亮廣氏、まふまふ氏、武尊氏らも参加

GMOインターネットグループが今年8月に提供予定のNFTマーケットプレイス「Adam byGMO」に関する会見を6月16日に開催した。

その会見で、GMOフィナンシャルホールディングス、GMOインターネット、サムライパートナーズの共同出資の新会社、GMOアダム株式会社の設立も発表された。同社の代表取締役は、熊谷正寿氏と高島秀行氏が務める。このGMOアダムによってNFTマーケットプレイス「Adam byGMO」運営が行われるとのことだ。

NFTはデジタルコンテンツの流通革命(熊谷正寿氏)

会見では、初めにGMOインターネット株式会社代表取締役会長兼社長 グループ代表の熊谷正寿氏によるプレゼンテーションが行われた。

熊谷氏はNFTについてのプレゼンテーションの冒頭、「人生において最も衝撃的な出来事はインターネットと出会ったこと」「2番目はブロックチェーンに出会ったこと」そして「3番目の衝撃はNFTに出会ったこと」と説明した。

熊谷氏はNFTマーケットプレイスが登場した意味は大きく2つあると説明した。ひとつは「デジタルコンテンツを正しく取り扱う場が登場したこと」「コンテンツ流通の主導権を著作権をもったクリエイターに戻すこと」と述べた。このことは、インターネットが情報を得るための時間コストをゼロにし、著作権者などのクリエイターが知名度を増やすことが出来たが、対価を得る機会を無くしてしまったとし、この問題を解決するものこそがNFTであると説明した。

またオークションによるトークンセールがクリエイターとって新たな資金調達手段をもたらすとし、これらの意味がNFTがもたらす「デジタルコンテンツの流通革命」であると説明した。

「Adam byGMO」についてのプレゼンテーションの中で熊谷氏は、アダムは現状あるNFTマーケットプレイスの問題点(分かりにくい・使いづらい)を全て解決すると説明。

具体的な点として挙げられたのは、まずNFTを発行するクリエイターに対しては「アーティスト・クリエイター・コンテンツホルダーファースト」で、プラットフォームを利用するユーザーには圧倒的に使い易いUI/UXを提供するということだ。

またGMOの決済事業・暗号資産事業の経験を活かし、法定通貨やクレジットカード、銀行振り込み、ETHをはじめとした各種暗号資産を利用した決済手段を予定しているとのことだ。

さらにAdamスタート時より日本語・英語・中国語のグローバル対応と業界最安級の手数料を目指すという。イーサリアム以外のプロトコル対応も視野に入れていることも説明された。

そして今後AdamでNFTを発行する予定の、西野亮廣氏、まふまふ氏、武尊氏、中村拓己氏がゲストトークで登壇、それぞれがNFTの可能性について語った。

出版に新たな可能性(西野亮廣氏)

ゲストトークに登壇した西野亮廣氏はNFTの一番面白いと感じていることとして「データを誰が所有しているのかがわかること」と「インターネットなのにも関わらず数が限定できること」の2点を挙げた。

この理由について西野氏は出版社を例に説明をした。西野氏は「出版社が利益を取りこぼしていたのは転売だった」とし、出版社が本の販売数を限定してNFTとして販売し、その本が転売された場合に手数料が出版社へ入る仕組みが出来れば、出版社も転売を促すことが出来る。こういった点にNFTの新しい可能性を感じている」と語った。

海賊版や転売問題を解決(まふまふ氏)

まふまふ氏は「実際にチケットの高額転売にはアーティスト活動を通じて、悩まされてきた」と話した。例えば5,000円のチケットが40,000円で転売されていたことなどあったようだ。

「NFTついて初めて説明された時は、理解することが難しかった。しかしNFTの説明を何度も(Adamの方が)してくださったことで、NFTの仕組みはこれまでアーティストが抱えてきた権利に関する多く悩みの解決してくれるシステムだと思うようになった」と話した。

「インターネットが広がったことでデジタルデータの権利の所在が管理されにくくなって生まれてきた海賊版、チケット高額転売、コピーガード作品の複製などの問題をNFTは解決できると思う。つまりNFTはアーティストが示すことが難しかったデジタルデータの権利の所存を公に示してくれるものだと思う」とNFTについての可能性を語った。

またAdamに出品する作品については「高額のNFTではなく、誰もが手に入れられるNFTを出したいと思っている。なぜならNFTは敷居の高いものではなく、誰もが楽しめられるものであると考えている」と語った。

スポーツとNFTの相性はいい(武尊氏/中村拓実氏)

「K-1はファンの方々にどのようにして自分たちのコンテンツを楽しんでもらえるかを考えており、その上で技術やトレンドをしっかりと捉えようとしている」とK-1プロデューサー中村拓実氏は説明した。そして中村プロデューサー、武尊選手がそれぞれNFTの可能性について次のように語った。

中村氏はNFTについて「ブロックチェーンを含めたNFTの技術の話を初めて聞いた時、今までK-1がやってきた以上のことがNFTを通してできるのではないかとワクワクした」と話した。

そして「スポーツ領域でのNFTの活用として、NBA Top Shotの事例を説明してもらったが、スポーツとNFTの相性がとても良いと感じた。僕たちが伝えきれていないK-1の魅力がNFTを通して、伝えられるのではないかと思う」と可能性を語った。

中村氏は「スポーツの楽しみ方は(1)選手やチームを好きになること(2)試合の勝敗、(3)試合の内容や選手の技術の3つがあると考えている。3つの魅力をNFTを通して表現していきたい」と語った。

また武尊は「NFTを通してそれぞれの選手の魅力をしっかりと伝えていきたい。そしてK-1だけでなく格闘技界全体を盛り上げていきたいという強い気持ちがある」と語った。

坂本龍一氏、村上龍氏、原田マハ氏、西野亮廣氏のNFT作品を準備中

その後「Adam byGMO」について各界の著名人の寄せられたコメントが紹介された。

あたらしい経済を運営する株式会社幻冬舎の代表取締役社長である見城徹も、今回の会見に以下のコメントを発表。そのコメントの中で、幻冬舎が坂本龍一氏、村上龍氏、原田マハ氏、西野亮廣氏のNFTを作成し「Adam byGMO」で販売する予定であることが発表された(→詳細はこちら)。

アーティストやIPホルダーを応援したい

あたらしい経済編集部は最後のメディア質問の際、知名度があるクリエイターのNFTではなく、これからのクリエイターに対しては、Adamは具体的にどのようにサポートしていくのかについて質問した。

熊谷氏は次のように答えた。

「私たちはいまのNFT市場をカジノ効果と呼んでいるのですが、それはカジノで勝った方々がカジノ周辺のブランドでいろんなものを消費するという世界のような効果が生まれているからです。NFTの世界では、暗号資産の売買を通して収益を得た人たち、日本語で言えば億り人の方が、カジノで勝った方々のようにNFTに関して投機的な動きを見せています。私たちはもちろんそれを否定するつもりはなく、そのような投機機会もAdam上では実現可能だと思っています」

「一方で先ほどまふまふ様がおっしゃっていたように、適正な価格でNFTを流通させて、多くの方に購入していただくか、もしくは二次流通に流していく方法もあります。私たちはその2つの流通の形が本来あるべき姿だと考えてはいます。Adamは投機的なNFTの流れ、適正価格でのNFTの流れ、どちらも支えていきたいと思っています」

「特に二次流通に関しては、オークション形式でコンテンツが売買される可能性があります。これはリアルな世界で例えますと、アートにアーティストがサインをしているサイン付きアートの真贋の確認もでき、またファンの気持ちに応えて高額取引の機会が生まれることだと思います」

「サイン付きのアートはリアルな世界にもありますが、サザビーズやクリスティーズでサイン付きのアートを売却しても、売り手にしか収益は入りません。Adamの場合には、オークション形式を通して、アーティストあるいは本であれば出版社に収益を配分する仕組みがありますので、そのようなお金の流れを通じてIPホルダーの方の応援をしていきたいと思っています」

盛り上がりが予想される、日本のNFT市場

「Adam byGMO」のローンチは、2021年8月を予定されていると今回発表された。そのローンチ時はプロフェッショナルなクリエイターのNFTをまず提供していく予定とのことだ。

今回の会見に登壇したクリエイターや著名人の方々のNFTがローンチタイミングで発表されることが予想される。そして次第にクリエイターの裾野を広げつつ、証券や不動産領域などNFT活用の幅を広げていく展望も語られた。

NFTのマーケットプレイス事業に関しては、すでに国内ではコインチェックの「Coincheck NFT(β版)」やスマートアプリ「nanakusa」などがサービスを開始している。

またモバイルファクトリーの「ユニマ」も今年夏以降のローンチを発表している。また暗号資産取引所ビットポイントも先日参入を発表。そしてメルカリやLINEも参入を発表している。

今年の夏から後半にかけて、日本のNFT市場は大きく盛り上がることが予想できる。どんなクリエイターがこれからも参入し、どのプラットフォームが覇権を握るのか、注目だ。

取材・文・編集:あたらしい経済編集部(設楽悠介、竹田匡宏、大津賀新也)
写真:大津賀新也

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あたらしい経済 編集部

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