野村傘下インスティネットとクレディスイスが米株式取引の同日決済に成功、パクソスのブロックチェーンサービス利用

野村傘下のインスティネットとクレディスイスが米国市場株取引の同日決済に成功

ブロックチェーン企業であり金融インフラプロバイダーでもある米パクソス・トラスト・カンパニー(Paxos Trust Company)が、ブロックチェーンを利用した同社の決済サービスであるパクソス・セトルメント・サービス(Paxos Settlement Service)を利用して米国株式取引の「同日決済(T+0)」に成功したことを4月6日に発表した。

現在米国の株式取引では、取引の約定日から起算して3営業日目に決済が行われる「T+2」の決済時間が設定されている。そのため同日決済は従来の決済システムと比較して大幅な時間短縮となる。

今回この同日決済を行ったのは、チューリッヒを拠点とする金融コングロマリットのクレディスイス(Credit Suisse)と野村ホールディングス傘下の金融機関であるインスティネット(Instinet)だ。東部標準時の3月4日午前11時と午後3時に取引が行われ、同日の午後4時30分に決済が行われたとのことだ。

今回使用されたパクソス・セトルメント・サービスはプライベートブロックチェーンをベースとしており、取引を行う当事者を仲介なしに直接接続できるとのこと。このサービスは従来の決済システムと相互運用が可能であり、「T+0」から「T+2」の間の任意の決済時間で決済を行えるとのことだ。

パクソスのCEOであるチャールズ・カスカリラ(Charles Cascarilla)氏はプレスリリースにて「米国の株式の決済は不透明で、不必要な遅延、資本コスト、経費がかかっています。決済システムが改善されれば、イノベーションを促進する、より安全で、より公平で、より開かれた資本市場を作ることができます」と述べている。

米国証券取引委員会(SEC)は2019年10月にパクソスに対してブロックチェーン上の証券決済に関するノーアクションリリーフを発行している。これによりパクソスは規制の範囲内で証券決済サービスの運営が可能となっている。パクソスは正式な清算機関としての認可を得るために今年中にSECに対して申請を行う予定とのことだ。

参考:Paxos

(images:iStock/arbobii)

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あたらしい経済 編集部

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