STRCが約半年ぶりに基準額100ドルに到達
ビットコイン(BTC)保有企業ストラテジー(Strategy)が発行する永久優先株「STRC」の市場価格が、11月4日の取引で一時、1株当たりの基準額100ドル(約1.58万円)に到達した。ストラテジーは7月27日、STRCを基準額の100ドル未満では新規発行しない方針を示しており、今回の価格回復によって、STRCを通じたBTC購入資金の調達が再開される可能性が出てきた。ただし、同社は現時点でSTRCの新規発行再開を発表していない。
STRCは、ストラテジーが2025年7月に発行を開始した変動配当型の永久優先株だ。1株当たり100ドルの基準額が設定されており、同社は市場価格を99〜100ドル付近に維持することを目指している。STRCには満期日がなく、ストラテジーは新株を投資家に販売することで、BTC購入などに充てる資金を調達できる。なお、STRCは同社の保有BTCを担保とする商品ではない。
ストラテジーがSTRCを基準額の100ドル未満では新規発行しない方針をとったのは、100ドルを下回る価格で発行すると、調達資金に対する配当負担が大きくなるためだ。具体的には、現在の年間配当率12.00%では、1株当たりの年間配当額は12ドルとなる。STRCを100ドルで発行した場合、調達額に対する年間配当負担は12%だが、80ドルで発行した場合は15%に上昇する。この方針は契約上の制約ではなく、同社の判断によって変更される可能性がある。
STRCの市場価格は5月まで100ドル近辺で推移していたが、その後は下落した。6月には一時80ドルを下回り、新規発行による資金調達が難しい状況となった。これに対し、ストラテジーは市場価格を100ドル付近で安定させるため、配当率の調整や自社株の買い戻しなどを組み合わせた資本管理方針を採用している。
配当率については、市場価格や金利環境などを踏まえて毎月見直す仕組みだ。配当率を引き上げれば、投資家が受け取る配当額が増えるため、STRCの購入需要を支える効果が期待できる。ただし、市場価格が100ドルを下回った場合に、配当率が自動的に引き上げられるわけではない。また、ストラテジーは10月28日に株主承認を得て、11月1日からSTRCの配当を日次で計算し、原則として翌営業日に現金で支払う方式へ変更した。
一方、買い戻しについては、ストラテジーが11月2日に米証券取引委員会(SEC)へ提出した報告書「フォーム8-K(Form 8-K)」で直近の実績を公表している。同社は10月26日から11月1日までにSTRCを209万2,035株、総額2億820万ドル(約329億円)で買い戻した。STRCを含む優先株の買い戻し枠は、同日時点で7億4,860万ドル(約1,183億円)が残っている。買い戻しによって発行済み株式を減らすことで、将来の配当負担も削減できる。
なお、11月2日付のフォーム8-Kによると、10月26日から11月1日までのSTRCの新規発行はゼロだった。一方、ストラテジーは同期間に普通株「MSTR」を117万8,552株売却し、1億6,400万ドル(約259億円)を調達した。このうち6,550万ドル(約104億円)を811BTCの購入に使用し、残る9,850万ドル(約156億円)を米ドル現金に配分した。つまり、STRCによる資金調達が行われていない間も、同社は普通株を通じてBTC購入を継続していた。
参考:ストラテジー
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