ソラナ財団、中国・上海に新オフィス開設。現地イベントは開催直前に延期

ソラナ財団が中国・上海に新オフィス開設

ブロックチェーン「ソラナ(Solana)」の普及を支援する非営利組織ソラナ財団(Solana Foundation)の関係者が、中国・上海に新たなオフィスを開設した。同財団の最高製品責任者(CPO)であるビブ・ノービー(Vibhu Norby)氏がオフィス内部の動画を10月14日にXで公開し、財団会長のリリー・リウ(Lily Liu)氏もその内容を認めた。

中国の暗号資産メディア「テックフロー(TechFlow)」によると、新オフィスは上海の超高層ビル「上海タワー(Shanghai Tower)」に位置するという。ノービー氏は、新オフィスを世界で最も高い場所にある商業利用可能なオフィススペースだと紹介した。また、ソラナの公式Xでは、上海のビル外壁にソラナの名称が表示された様子も紹介された。

また、ソラナ関連の開発者や企業関係者を対象とするイベント「ソラナ・アクセラレート・チャイナ(Solana Accelerate China)」が、10月16日から上海、杭州、深圳、北京の4都市で予定されていた。イベントでは、AIエージェントやロボットなどの技術分野に加え、ステーブルコインや決済なども議題に挙げられていた。

しかし、初日の16日に上海で予定されていたイベントは開催直前に延期された。リウ氏は、広告展開などによる参加登録者の急増が延期の理由だと説明した。同氏によると、登録者数は一晩で4倍に増え、現地当局に届け出ていた参加人数の上限を大幅に超えたとのことだ。一方、現地にいたとするXユーザーは、会場に8〜9人の法執行関係者がおり、参加者が1時間以上入場できなかったと投稿した。ただし、法執行関係者の対応とイベント延期の関係は確認されていない。上海での新たな開催日は発表されていない。

中国では暗号資産(仮想通貨)の取引や関連する金融サービスが厳しく規制されている。中国人民銀行など8機関が2026年2月に公表した通知では、暗号資産関連事業を違法な金融活動として禁止するとともに、関連広告の監督を強化し、違法な広告を取り締まる方針が示された。一方、ブロックチェーンなどの技術開発そのものが一律に禁止されているわけではない。今回のオフィス開設や現地での広告掲出が、中国当局による暗号資産規制の緩和を意味するわけではない。

なお、ソラナの関係者は今回のオフィス開設以前から、中国で開発者向けの活動を進めてきた。2026年3月には、上海の虹橋アリババセンターとの協力による開発者向け拠点「上海ビルダーズステーション(Shanghai Builder Station)」の設置計画が発表された。当初は上海市閔行区の関係政府部門による支援も紹介されていたが、3月20日に予定されていた開幕式は中止された。主催者側は、市場の反応や外部要因を考慮した結果と説明し、拠点の取り組み自体は継続する方針を示した。

こうした中国での一連の活動について、テックフローは、ソラナが中国の規制環境を踏まえ、暗号資産の取引よりもAIやブロックチェーンの技術開発、開発者コミュニティの形成を重視していると分析した。

 

参考:中国人民銀行
画像:PIXTA

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

合わせて読みたい記事

BBVAとサンタンデール、1.5億ユーロの協調融資にブロックチェーン管理基盤を活用

ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行(BBVA)およびサンタンデール銀行(Banco Santander)のスペイン2行が、同国のエネルギー大手イベルドローラ(Iberdrola)向けの総額1億5,000万ユーロ(約267億円)の協調融資に、ブロックチェーン活用の管理基盤を導入した。両行が10月15日に発表した

カントン財団と韓国メリッツ証券がMOU、金融資産のトークン化や国際担保利用を検討

金融取引向けブロックチェーン「カントンネットワーク」支援のカントン財団(Canton Foundation)と韓国のメリッツ証券(Meritz Securities)が、金融資産のトークン化や国境を越えたデジタル資産の活用を検討する戦略的覚書(MoU)を締結した。メリッツ証券が10月14日に発表した