ビットフライヤー、ビットコインから分岐予定の「eCash(ECX)」付与・取扱い予定なし

BTCの売買・送受取は継続する方針

国内暗号資産(仮想通貨)取引所ビットフライヤー(bitFlyer)が、ビットコイン(BTC)から分岐予定の新たな暗号資産「イーキャッシュ(eCash:ECX)」への対応方針を10月15日に発表した。同社でのECXの取扱いや顧客への付与、ECX相当額の金銭交付は、いずれも予定していないという。

同社は8月10日、同計画への対応方針を第一報として公表していた。当時はECXの付与を未定とし、技術仕様やネットワークの安定性、リプレイ攻撃のリスク、顧客資産への影響などを確認していると説明していた。今回の発表は、その後の対応方針を示した第三報にあたる。

公式資料によると、イーキャッシュは、レイヤーツーラボ(LayerTwo Labs)が開発する、ビットコインから派生するブロックチェーンだ。ECXはそのネットワークの基軸資産で、ビットコインとは別のネットワークで利用される。

開発側は同ネットワークに、ビットコインの機能拡張案「BIP300」および「BIP301」に基づく「ドライブチェーン(Drivechain)」を導入する。ドライブチェーンは、メインチェーンに接続するサイドチェーン上で、異なるルールや機能を利用できるようにする仕組みだ。開発側は、プライバシー保護や処理能力の拡張、新機能の実験などへの活用を目指している。

また、正式版の分岐時点のBTC残高に応じ、原則として数量ベースで1BTCにつき1ECXを、新たなネットワーク上に割り当てる設計だ。ただし、取引所にBTCを預けている場合、顧客へのECX付与や出庫への対応は各取引所の方針による。

正式版のハードフォークは、ブロック高973,728で実施される予定だ。実施時期は、ビットフライヤーが2026年10月30日頃、開発側が公式サイトで同31日頃と案内しており、ブロックの生成状況によって前後する。アルファ版とベータ版の分岐は、すでに実施されているという。

ハードフォークとは、従来のルールと互換性のない変更をブロックチェーンに加えることだ。なお今回のECXは、既存の暗号資産「イーキャッシュ(eCash:XEC)」とは異なるものだ。

ビットフライヤーは、正式版のハードフォークに伴うサービスの停止を、現時点では予定していない。BTCの売買と受取・送付は、通常どおり提供する方針だ。

ただし、ネットワークの状況などによっては、顧客の資産保全のため、BTCの受取・送付を一時停止する場合があるという。また、受取・送付の反映に通常より時間がかかる可能性もある。一時停止する場合は、あらためて案内するとしている。

ECXではBTCと同一のアドレス形式を使用し、取引の再利用を防ぐ「リプレイプロテクション」は任意で適用する仕組みとなっている。保護措置を適用しない場合、一方のチェーンで行った取引がもう一方でも再利用され、意図しない資産移動につながる可能性がある。ビットフライヤーは第一報でも、この仕様を理由にBTCの受取・送付を一時停止する可能性を案内していた。

同社は、ECXを同社のBTC受取用アドレスへ送付すると、資産が失われるおそれがあるとして、送付しないよう呼びかけている。

また、今回の分岐計画に便乗した詐欺やフィッシングにも注意を促した。同社が顧客に秘密鍵やリカバリーフレーズの提供を求めることはないと説明している。

今後、BTCネットワークの状況や同社の対応方針に変更が生じた場合、または追加情報が確認できた場合は、同社ウェブサイトなどを通じて知らせるという。

なお、コインチェック(Coincheck)も10月9日、ECXの顧客への付与と同社サービスでの取扱いを、現時点では予定していないと発表した。BTCの売買と受取・送金は通常どおり継続する方針だが、ネットワークの状況などに応じて一時停止する場合があるとしている。

一方、GMOコインは、正式版の分岐時点でBTCを保有する顧客や、貸暗号資産サービスでBTCを貸し出している顧客を、新規暗号資産または日本円の付与対象とする予定を示している。同社は9月15日付の第三報で、この対応予定を第一報から変更していないと説明した。正式版に際しての具体的な対応やサービスの一時停止の有無は、決定次第あらためて案内するという。

参考:ビットフライヤー
画像:PIXTA

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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