クラーケン親会社、ハイパーリキッド上で米国向け無期限先物提供へ

ビットノミアルが市場運営・清算、規制当局の承認が条件

暗号資産(仮想通貨)取引所クラーケン(Kraken)の親会社ペイワード(Payward)が、米国の顧客向けにオンチェーン無期限先物を提供する計画を9月16日に発表した。最初の展開先として、ハイパーリキッド(Hyperliquid)が利用される予定だ。

提供の条件は、規制当局の承認とのこと。発表では、具体的な提供開始時期は示されていない。

無期限先物(パーペチュアル)は、満期を設けずに取引できるデリバティブ(金融派生商品)だ。

ハイパーリキッドでは、外部の開発者や事業者が独自の無期限先物市場を構築できる仕組み「HIP-3」が用意されている。事業者はハイパーリキッドの取引基盤を利用しながら、取引対象や価格情報の参照先、レバレッジの上限などを設定し、市場を運営できる。

そしてハイパーリキッドが提供する「HIP-3スター(HIP-3*)」では、HIP-3に許可制市場向けのアクセス制御や取引管理機能が追加可能だ。HIP-3スターにより市場運営者は、オンチェーンの許可リストで取引参加者を管理できる。利用者の未約定注文の取り消しや、既存のポジションを縮小する代理注文なども可能となる。

これらの機能は、市場を新規作成する際に任意で有効化するもので、既存のHIP-3市場は変更されない。なお、公式資料ではHIP-3スターはテストネット限定の機能とされている。

ペイワードが今回計画するのは、このHIP-3スターを活用した、取引参加者を限定する許可制の市場だ。ハイパーリキッドのパブリックブロックチェーン上にある注文板を通じて、注文の照合と取引の記録を行うという。

市場の構築・運営は、ペイワード傘下で米商品先物取引委員会(CFTC)の規制下にある取引所・清算機関のビットノミアル(Bitnomial)が担う。同社は市場を所有・管理し、取引の清算・決済も担当する予定だ。

顧客口座の管理は、ペイワード傘下でCFTC登録の先物取次業者(FCM)であるニンジャトレーダー・クリアリング(NinjaTrader Clearing)が担う。取引できるのは、ニンジャトレーダーで口座開設手続きを行い、ニンジャトレーダーとビットノミアルの両方の許可リストに登録された顧客に限られる。

ペイワードは、今回の計画を通じ、既存の規制枠組みの下でのDeFi(分散型金融)商品へのアクセス拡大を目指すとしている。

なお、今回の計画に先立ち、ハイパーリキッド開発元のハイパーリキッド・ラボ(Hyperliquid Labs)とペイワードが、ビットノミアルを通じた米国での無期限先物提供に向けて協議していると、米メディア「ブルームバーグ(Bloomberg)」が8月31日(日本時間9月1日)に報じていた。今回、ペイワードが提供計画と各社の役割を正式に公表した形だ。

また、クラーケンは今年6月15日、米国の対象顧客向けにCFTC規制下の無期限先物の提供開始を発表していた。既存の商品は、ビットノミアルに上場する契約を、ニンジャトレーダー・クリアリング経由で取引プラットフォーム「クラーケンプロ(Kraken Pro)」から取引できるものだ。

6月に提供が始まった商品も満期のない無期限先物だ。今回の計画との主な違いは取引を処理する基盤にある。今回ペイワードは、ハイパーリキッド上に新たな市場を設け、注文の照合と取引の記録をオンチェーンで行う。清算には、既存の商品と同じビットノミアルの清算機関を利用する予定だ。

参考:ペイワード
画像:PIXTA

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事