英政府、英中銀にステーブルコインなどの革新支援目標を付与へ

英中銀に決済・デジタル金融の革新支援目標

英国政府は、金融安定をイングランド銀行(Bank of England:英中銀)の最優先責務として維持しつつ、決済システムやステーブルコインなどのデジタルマネーの革新を支援する新たな「副次的目標」を同行に付与する方針だ。英財務省(HM Treasury)が8月26日に発表した。

ステーブルコインは、安定した価値を保つよう設計されたデジタルトークンで、主に暗号資産(仮想通貨)の取引で利用されているほか、決済での利用も広がっている。近年は急速に成長しており、特にトランプ政権が策定した暗号資産に友好的な政策の下で拡大が加速した。

英財務省によると、今回提案された副次的目標は、決済技術の変化に規制が遅れず対応できるようにすることを目的としている。

イングランド銀行のサラ・ブリーデン(Sarah Breeden)金融安定担当副総裁は、今回の発表を歓迎した。

英国の金融行動監視機構(Financial Conduct Authority:FCA)は6月30日、特定の暗号資産関連活動を初めて本格的に監督対象へ組み入れる最終規則を公表した。その際、業界からの反発を受け、ステーブルコイン発行者に対して予定していた自己資本要件を引き下げるとした。

ロイターは7月、事情に詳しい関係者の話として、アンディ・バーナム(Andy Burnham)首相率いる英国の新政権が、金融サービス規制を通じて成長を促す前政権の方針を引き継ぐ計画だと報じた。ジョン・ヒーリー(John Healey)新財務相は、前政権から英財務省の複数の政務担当者を留任させているという。

今回の副次的目標が導入された場合、イングランド銀行は、革新に関する目標をどのように推進しているかについて、議会へ毎年報告することを義務付けられるという。

英財務省のルーシー・リグビー(Lucy Rigby)シティ担当相は、トークン化(tokenization)を含むデジタル決済技術の進展には、金融市場を変革する可能性があると述べた。

リグビー氏は声明で、「金融安定は今後も常にイングランド銀行の最優先目標であり続ける。一方、この副次的目標は、同行が決済とデジタル金融の革新を引き続き推進する後押しとなり、英国が金融サービス分野における世界的なリーダーであり続けることにつながる」と述べた。

※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Britain plans new Bank of England objective to support payments innovation
(Reporting by Natalia Bueno Rebolledo and Mrinmay Dey in Mexico City; Editing by Mark Porter)
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
画像:Reuters

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事