ホワイトペーパー提出期限やマーケティング表示義務に違反
オーストリア金融市場監督当局(FMA)が、暗号資産(仮想通貨)取引サービス「ビットパンダ(Bitpanda)」を運営するビットパンダ(Bitpanda GmbH)に対し、EUの暗号資産市場規則「MiCA」違反を理由に、7万ユーロ(約1,293万円)の罰金を科したと8月14日に発表した。行政処分はすでに確定している。
MiCAは、EU(欧州連合)で暗号資産サービスや暗号資産の発行などを対象に導入された統一規制だ。ビットパンダは2025年4月、FMAからMiCAに基づく暗号資産サービスプロバイダー(CASP)の認可を取得している。今回の処分は無認可営業に対するものではなく、暗号資産ホワイトペーパーの通知・公表やマーケティング資料に関する義務への違反が対象となった。
FMAによると、ビットパンダは暗号資産ホワイトペーパーを公表日の20営業日前までにFMAへ提出していなかった。また、ホワイトペーパーを事前に公表しないままマーケティング資料を配布していたという。
ホワイトペーパーは、暗号資産の仕組みや権利、リスクなどの情報を開示するための文書だ。MiCAでは、投資家が必要な情報を確認できるよう、ホワイトペーパーを公表したうえでマーケティングを行うことが求められている。
さらに、マーケティング資料には、当該資料がEU加盟国のいずれの管轄当局にも審査・承認されておらず、提供者が内容について単独で責任を負う旨の声明や、電話番号、電子メールアドレスが掲載されていなかったとのことだ。
FMA「MiCAは法執行段階へ移行」
FMAは別途公表した資料で、今回がMiCAに基づく行政処分として初めて公表された事例だと説明した。これにより、MiCAは認可制度や監督だけでなく、実際の法執行の段階へ移行したことを示すとしている。
またFMAは、MiCAはEU域内で統一された暗号資産規制の枠組みを整備し、投資家保護と暗号資産市場の健全性を確保することを目的としていると説明した。行政処分の公表も、市場参加者や投資家に対する透明性を確保する制度の一部だとしている。
一方でFMAは、今回がMiCAに基づく初の公表事例であるという事情だけで、ビットパンダや認定された違反に特別な位置付けが生じるものではないとも説明した。
なお海外メディアによるとビットパンダは今回の問題について、ホワイトペーパーと関連資料の公表時期および形式上の要件に限られるものだと説明した。顧客資産やプラットフォームのセキュリティへの影響はなく、顧客に金銭的損害も生じていないという。また、FMAの指摘後に問題を是正済みだとしている。
🇦🇹 Austria’s FMA has issued a sanction decision against Bitpanda: a €70,000 fine for breaches of MiCA white paper requirements.
— MiCA Crypto Alliance (@MiCA_Alliance) August 17, 2026
The @FMA_AT found that @Bitpanda failed to notify a crypto-asset white paper to the authority at least 20 working days before publication, contrary to… pic.twitter.com/hgCECzUkuM