アンソロピック、IPOに向け届出書の非公開草案をSECに提出 

上場の選択肢を確保

生成AI開発企業のアンソロピック(Anthropic)が、IPO(新規株式公開)に向けたドラフト登録届出書(Form S-1)を米証券取引委員会(SEC)へ6月1日に非公開提出したと発表した。

アンソロピックは大規模言語モデル(LLM)「クロード(Claude)」シリーズを展開しており、オープンAI(OpenAI)やグーグルディープマインド(Google DeepMind)などと競合する米国の主要AI企業の一つとして知られている。

今回提出されたのは、いわゆる「秘密提出(Confidential Submission)」と呼ばれる制度を利用したS-1草案だ。これはIPOを検討する企業が、登録届出書を一般公開する前にSECによる審査を受けることができる仕組みで、審査終了後に実際の上場手続きへ進むかどうかを判断できる。

アンソロピックは声明の中で、「SECによる審査完了後に上場する選択肢を持つことになる」と説明する一方、「IPOの実施は市場環境やその他の条件に左右される」としており、現時点で上場を確約するものではないとの姿勢を示した。

また、提供する株式数や公募価格については未定としている。

同社は今回の発表について、1933年証券法第135条に基づく通知であり、有価証券の売出しや購入の勧誘を目的としたものではないとしている。

アンソロピックは2021年に設立され、安全性を重視したAI開発を掲げて事業を拡大してきた。アマゾン(Amazon)やグーグル(Google)などから出資を受けており、企業向けAIサービスや次世代AIモデルの開発を進めている。

今回のIPO準備は、急速に拡大する生成AI市場における競争が激化するなかでの動きとなる。IPOが実現すれば、研究開発や計算資源の確保、事業拡大に向けた新たな資金調達手段を獲得することになる可能性がある。

なおアンソロピックは5月、シリーズHラウンドで650億ドル(約10兆3,811億円)を調達し、資金調達後の企業価値は9650億ドル(約15兆4,119億円)に達したと発表している。同社によれば、年間換算売上高は470億ドル(約7兆5,063億円)を超えており、調達資金はAIの安全性や解釈可能性に関する研究のほか、次世代モデルの学習・運用に必要な計算インフラの拡充などに充てられる予定だ。

参考:発表発表
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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