欧州主要銀行12行のコンソーシアムがステーブルコイン計画
ユーロ建てステーブルコインの発行を目的に欧州の主要銀行12行が共同で設立したコンソーシアム「キバリス(Qivalis)」が、同ステーブルコインの中核インフラとしてファイアブロックス(Fireblocks)を採用した。ファイアブロックスが4月21日に発表した。
このステーブルコインの提供はオランダ中央銀行(De Nederlandsche Bank:DNB)の認可を前提としており、EUの暗号資産(仮想通貨)規制「MiCA」に準拠する設計とされている。なお同ステーブルコインは、2026年後半の開始が予定されている。
キバリスは、ユーロ建てステーブルコインの発行を目的に、欧州の大手銀行が共同で設立したコンソーシアムだ。参加銀行には、BNPパリバ(BNP Paribas)やING、ユニクレディト(UniCredit)などが含まれる。同社は、アムステルダムに本拠を置き、オランダ中央銀行による電子マネー機関(EMI)としての認可取得を進めている。
ファイアブロックスは、トークン化機能やウォレットインフラ、トレジャリー管理機能を含むプラットフォームを提供する。同社は同ステーブルコインの発行、流通、ライフサイクル管理を支えるという。また、同社は、許可型アクセスやコンプライアンス管理、監査対応に対応した設計を採用していると説明している。
またファイアブロックスは、AMLやKYC、制裁スクリーニング、不正監視機能をトランザクションに統合することで、規制対応と業務効率の両立を図るとしている。
発表によると、2026年1月時点でステーブルコイン市場は3,050億ドル(約48.6兆円)規模に達している一方、その99%はドル建てであり、ユーロ建て資産は6億5,000万ドル(約1,036億円)にとどまっている。
こうした中、米国のステーブルコイン拡大を巡っては、欧州当局から懸念も示されている。欧州中央銀行(ECB)は、米国のステーブルコイン政策により、EU経済に資金流出などの影響が及ぶ可能性を指摘していると報じられている。
またECBは、米ドル建てステーブルコインの普及がEU域内の貯蓄を米国市場へ流出させるリスクについても懸念を示している。
こうした状況を受け、キバリスはMiCAに準拠したユーロ建てステーブルコインの提供により、規制に対応した欧州の決済手段としての確立を目指すとしている。発表では、規制されたユーロ建ての代替手段が不足している機関投資家の需要を取り込む狙いが示されている。
さらに同基盤により、参加銀行は顧客に対してカストディやウォレットサービス、決済機能などを提供できる可能性があるとされる。これにより、金融機関にとって新たな収益機会につながる可能性があるとしている。
Qivalis参加銀行(12行)
・バンカ・セラ(Banca Sella/イタリア)
・BBVA(BBVA/スペイン)
・BNPパリバ(BNP Paribas/フランス)
・カイシャバンク(CaixaBank/スペイン)
・ダンスケバンク(Danske Bank/デンマーク)
・デカバンク(DekaBank/ドイツ)
・DZバンク(DZ BANK/ドイツ)
・ING(ING/オランダ)
・KBC(KBC/ベルギー)
・ライファイゼン・バンク・インターナショナル(Raiffeisen Bank International/オーストリア)
・SEB(SEB/スウェーデン)
・ユニクレディト(UniCredit/イタリア)
Euro stablecoins: $650M. Dollar stablecoins: $304B.
— Fireblocks (@FireblocksHQ) April 21, 2026
12 of Europe’s largest banks just picked @Fireblocks to close that gap.
Qivalis. MiCAR-compliant. H2 2026. https://t.co/ASO7FQXNiN pic.twitter.com/NEpIJO4Xws
参考:プレスリリース
画像:PIXTA