ソラナ共同創業者ヤコベンコ、ブロックチェーンの「進化」を巡り独自見解。ヴィタリックの「固定化」論に言及

ソラナとイーサリアムのプロトコル有用性と長期安定性を巡る議論

ソラナ(Solana)の共同創業者アナトリー・ヤコベンコ(Anatoly Yakovenko)氏が、(ソラナを念頭に)プロトコルは「常に変化し続けなければ生き残れない」とする見解を1月17日に自身のXに投稿した。この投稿は、イーサリアム(Ethereum)共同創設者ヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏が示した「ウォークアウェイ・テスト(walkaway test)」や「固定化(ossification)」という概念を引用する形で行われた。

ブテリン氏は今月12日、イーサリアムが将来的に「ウォークアウェイ・テスト」に合格する必要があるとの考えを示している。ウォークアウェイ・テストとは、価値提案が「将来追加される機能」や「特定の運用主体の継続」に依存しなくても成立する状態を指すものだ。同氏は、イーサリアムは進化を止める必要はない一方、必要に応じて「固定化(ossify)」できる状態に到達すべきだと説明している。

これに対しヤコベンコ氏は、「有用であり続けるためには、プロトコルは常に改善されなければならない」と主張した。同氏は、変化を止めたブロックチェーンは、開発者やユーザーの課題を解決できなくなり、結果として衰退すると指摘している。一方で、すべての要望に応える必要はなく、多くの提案に対しては「ノー」と言う判断も重要だと述べている。

一見すると、両者の主張は「進化を続けるソラナ」と「固定化を目指すイーサリアム」という対立構造のようにも見える。しかし、両者が語っている論点を紐解くと必ずしも単純な二項対立ではない。

ヤコベンコ氏が重視しているのは、あくまでもブロックチェーンが「常に有用であり続けること」だ。同氏の主張において、プロトコルの継続的な変更は目的ではなく、開発者やユーザーの課題を解決するための手段として位置付けられている。そのため、進化し続けること自体が価値というよりも、有用性を維持するために必要な条件だというのが同氏の本質的な主張だと読み取れる。

一方、ブテリン氏の主張も、即時に変更を止めることを意味するものではない。イーサリアムが必要に応じて固定化(ossify)できる状態に近づくためには、量子耐性や十分なスケーラビリティ、分散化されたブロック構築モデルなど、解決すべき技術的課題が残っていると同氏は認めている。固定化という概念は、これらの課題を克服した先にある長期的な到達点として提示されている。

著者の見解

このように見ると、両者の議論は「進化か固定化か」という単純な対立ではなく、ブロックチェーンが成熟する過程の異なる側面を切り取ったものと捉えることができる。ソラナが有用性を追求した結果として変更の必要が減り、事実上の固定化に近づく可能性もあれば、イーサリアムが自立した基盤を実現するために、長期的に継続的な改善を続ける必要がある可能性も浮かび上がる。

ヤコベンコ氏とブテリン氏それぞれの主張は、ブロックチェーンがどの段階で、何を価値の中心に据えるべきかという問いを投げかけている。進化と固定化は必ずしも相反する概念ではなく、目的や時間軸の違いによって位置付けが変わるものだ。両者の視点は、ブロックチェーンの長期的な在り方を考える上で、異なる示唆を与えるものとなっている。

画像:PIXTA

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あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

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