ソラナの新コンセンサス「Alpenglow」移行決定、ファイナリティ時間が大幅短縮へ

ソラナが新コンセンサスへ移行決定

ソラナ(Solana)の新コンセンサス・プロトコル「Alpenglow(アルペングロー)」の導入提案(SIMD-0326)が可決された。ソラナ財団運営の公式Xアカウント「ソラナ・ステータス」より9月2日に発表された。バリデーターによるガバナンス投票が8月21日から約2週間にわたり実施され、賛成多数で同提案は承認された。

投票結果は賛成98%超、反対約1%、棄権0.6%で、ネットワーク全体のステークの52%が参加し、定足数(33%)を大きく上回った。これによりソラナは、既存のコンセンサス・メカニズムの構成要素である「Proof-of-History(プルーフ・オブ・ヒストリー)」と「TowerBFT(タワーBFT)」を廃止し、ソラナ史上最大規模のコンセンサス刷新に踏み切る。

Alpenglowは、ソラナの研究開発企業アンザ(Anza)のチームによって設計された新たなコンセンサス・プロトコル。導入されればソラナのトランザクションのファイナリティ(最終確定)時間は、従来の約12.8秒から最大100〜150ミリ秒に短縮される見込みだ。これによりWeb2に近い確定速度と暗号的な安全性の両立が期待されている。

Alpenglowの中心となる仕組みは「Votor(ボーター)」と「Rotor(ローター)」と呼ばれる2つの技術である。Votorは、これまでのようにブロックごとにオンチェーンで投票を記録するのではなく、オフチェーンで署名をまとめて処理する仕組みだ。これにより余分な通信やデータ処理を省き、ブロックの確定を一気に高速化できる。

一方のRotorは、従来の「Turbine(タービン)」を置き換える新しいデータ伝播方式だ。バリデーター同士がブロックのデータをより効率的にやり取りできるようになり、ネットワーク全体の速度と安定性が高まる。

またAlpenglowでは「20+20モデル」と呼ばれる安全設計が導入される。これは、仮にネットワーク参加者の20%が悪意を持って行動したとしても安全性が保たれ、さらに別の20%がオフラインでも残りのネットワークで稼働を続けられるという強靭性を意味している。

開発チームは、12月に予定されている「ソラナ・ブレークポイント(Solana Breakpoint)」カンファレンスまでに、Alpenglowのテストネット導入を目指す。メインネット実装は、2026年第1四半期に計画されている。

参考:ソラナ・デベロッパー・フォーラム
画像:iStocks/Blue-Planet-Studi

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あたらしい経済 編集部

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これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

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