「mETH」がカナダ上場企業の財務資産に、MantleとRepublic Technologies提携で

MantleとRepublic Technologiesが提携

Mantle(マントル)が、カナダの上場企業Beyond Medical Technologies(ビヨンドメディカルテクノロジーズ)によるイーサリアム(ETH)の財務部門子会社Republic Technologies(リパブリックテクノロジーズ)と戦略的提携したことを5月22日に発表した。

この提携によりRepublic Technologiesは、同社保有のETHの大部分をMantleの「mETH Protocol(mETHプロトコル)」にデリゲート(委任)し、「mETH(Mantle Staked Ether)」をバランスシート上に保有する予定とのこと。

これにより「mETH」は、上場企業のバランスシート上で保有される初のリキッドステーキングトークンになるとのことだ。

Mantleは「今回の提携は、機関投資家のデジタル資産戦略における構造的な変化と、イーサリアムネイティブの利回りインフラに対する投資家の信頼の高まりを強調するものであり、Republic TechnologiesとMantleエコシステムとの連携強化を反映している」と述べている。

なお「mETH」は、「mETH Protocol」のリキッドステーキングトークンだ。「mETH」は、ETHを預けることで、元本にステーキング報酬をプラスした価格で受け取れるレシートトークンである。「mETH Protocol」は、Mantleエコシステムのネイティブ・プロダクトであるイーサリアム(ETH)のリキッドステーキングおよびリステーキングプラットフォームである。

2023年末のローンチ以来「mETH Protocol」は、ETHのリキッドステーキングおよびリステーキングプラットフォームとして第4位に成長。TVL(総預かり資産)はローンチからわずか66日で10億ドルを突破し、最大21.9億ドルを記録した。

また今回のRepublic Technologiesとの提携は、デジタル資産発行プラットフォームを運営するSecuritize(セキュリタイズ)との共同開発によるトークン化された利回り重視のインデックスファンド「MI4」への「mETH」の組み入れに先立って行われたとのこと。

Mantle Treasuryから最大4億ドルのアンカー投資を受けた「MI4」は、運用資産10億ドルを目標としており、BTC、ETH、SOL、ステーブルコイン、そしてステーキング資産への規制されたエクスポージャーを提供するという。「mETH」は、「MI4」のETH配分戦略において中心的な役割を果たすとのことだ。

ちなみに「MI4」に「mETH」の他、Bybit(バイビット)の「bbSOL」、Ethena(エセナ)の合成ステーブルコイン「sUSDe」が組み込まれる。

Mantleは、イーサリアム(Ethereum)のレイヤー2ブロックチェーン「Mantle Network」を基盤にした、DAOによるガバナンスやトレジャリーを含めたWeb3エコシステム。同エコシステムでは、同ネットワークのガストークンおよびガバナンストークン「MNT」が発行されている他、ETHのリキッドステーキングおよびリステーキングプラットフォーム「mETH Protocol」を提供している。またMantleがコア・コントリビューターをしている「Function」のトークンである「Ignition FBTC(FBTC)」もMantleエコシステムを支えている。 

参考:マントルプレスリリース
画像:PIXTA

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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