【取材】フェイスブックのディエム(Diem)を選んだ理由(ファーストダグCEO ラン・ゴルディ/First DAG Ran Goldi)

First DAGのDiemに対応したソリューション

イスラエルの決済スタートアップであるファースト・ダグ(First DAG)が、同社の小売加盟店がフェイスブックらが開発するステーブルコイン「ディエム(Diem)旧:リブラ(Libra)」を利用できるためのソリューションを構築したことを2月16日に発表した。このソリューションは、アメリカのデジタル資産カストディ企業のファイヤーブロックス(Fireblocks)と共に構築したものだ。

具体的なソリューションのツールとして、API連携のためのツール「The First API Toolkit For Diem」や与信確認、AML審査、ドルとディエムの交換、ディエム・ブロックチェーンとの接続の機能を提供する「First’s Platform」などが明らかになっている。

あたらしい経済編集部は、ファースト・ダグ(First DAG)のCEO ラン・ゴルディ(Ran Goldi)氏へ取材を行った。回答は日本語と英語で記載する。

ファースト・ダグのCEO ラン・ゴルディ氏へ取材

−様々なステーブルコインのプロジェクトが展開されている中で、なぜディエムのソリューションを開発したのですか?

ラン・ゴルディ:ブロックチェーン業界での3年半の経験の中で、私たちは常にブロックチェーンとデジタル通貨を主流の市場にもたらすことに焦点を当ててきました。

数多くのワークショップを通じて、デジタル通貨が最終的にユーザーの手に渡るようにするために、消費者向けの企業が多大な努力をしていることに気付きました。

同時に、これらの通貨を使ってサービスの支払いを受けようとしている商人やベンダーにはあまり注目されていないことにも気付きました。

これらの取引に関与しているベンダーや加盟店に目を配りながら、私たちは、決済サービスプロバイダ(PSP)、アクワイアラー、eウォレットなどが支払いを受け入れ、保管用ウォレットを維持することで、デェエムのエコシステムに参加できるように支援するプラットフォームを構築することにしました。

世界中には何百万もの加盟店があり、すでにPSPやアクワイアラーと提携して支払いを受け付けています。私たちの使命は、これらの加盟店が支払いを受け入れる方法を提供できるように、プラットフォームを提供することです。

私たちの確固たる信念は、ステーブルコインとCBDCが決済の次のステップであるということです。

そのため、ディエム(旧:Libra)への参入を決めました。Diem協会との最初の話し合いでは、新しい決済システムをどのように構想しているかを話し合いました。

私たちはFacebookの主要なソーシャルメディアプラットフォームを利用した大規模なリーチにより、デジタル通貨が大衆に採用される最高のチャンスだと考えました。つまりそれはFacebook、Instagram、WhatsAppという主要なソーシャルメディアプラットフォームを利用したFacebookの大規模なリーチによるものです。

英語原文

−With various stablecoin projects being developed, why did you develop a solution for Diem?

Ran Goldi:In our 3.5 year tenure in the blockchain industry, our focus has always been to bring blockchain and digital currencies to the mainstream market.

Through our numerous workshops with association members, we came to realize the enormous efforts made by consumer-facing companies to ensure that these currencies finally come into the hands of the user.

At the same time, we realized there isn’t much focus on the merchants and vendors who will be accepting the payment for their services through these currencies.
 
With a lookout for the vendors and merchants involved in these transactions, we decided to build a platform that helps PSPs, acquirers, e-wallets, and more to participate in the Diem ecosystem by accepting payments and maintaining a custodial wallet.

There are millions of merchants worldwide who already have a PSP or acquirer they work with that allows them to accept payments. Our mission is to give them a platform so they can offer their merchants a way to accept payments.
 
Our firm belief is that stablecoins and CBDCs are the next steps in payments.

This is why we decided to get into Diem (formerly Libra). In our initial talks with the Diem Association, we discussed how we envision a new payments system.

We saw Diem as the best chance for a digital currency to be adopted by the masses due to Facebook’s massive reach using its flagship social media platforms: Facebook, Instagram, and WhatsApp.

関連リンク

→First DAG

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

ブロックチェーン、仮想通貨(暗号通貨)、トークンエコノミー、評価経済、シェアリングエコノミーなどの「あたらしい経済」をテーマにしたWEBメディアです。「あたらしい経済」モデルやそこでの稼ぎ方、そこで未来を切り開く人々のエピソード、あたらしい時代における働き方や学ぶべきことなどを、紹介します。これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

ブロックチェーン、仮想通貨(暗号通貨)、トークンエコノミー、評価経済、シェアリングエコノミーなどの「あたらしい経済」をテーマにしたWEBメディアです。「あたらしい経済」モデルやそこでの稼ぎ方、そこで未来を切り開く人々のエピソード、あたらしい時代における働き方や学ぶべきことなどを、紹介します。これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

合わせて読みたい記事

招待制web3イベント「B Dash Crypto」が札幌で5月24-26日開催! ピッチコンテスト応募者やスタートアップ参加者 募集中

ネット業界の第一線の経営者やキーパーソンが集結する日本最大級の招待制カンファレンス「B Dash Camp 2023 SPRING in SAPPRO」が5月24-26日に札幌で開催される。そしてそのイベント内同会場でブロックチェーン・暗号資産などweb3領域に特化したカンファレンス「B Dash Crypto」も同時開催される。

企画書だけで助成金が貰える? UNCHAIN「web3開発助成金プログラム:進捗2Earn」とは(shiftbase 志村侑紀/日原翔)

「UNCHAIN」で新たなプロジェクト「web3開発助成金プログラム:進捗2Earn」がスタートする。あたらしい経済編集部はshiftbase 取締役CCOの志村侑紀氏と取締役CTOの日原翔氏、そしてすでに助成金プログラムにプレ参加している起業家のkimi氏、エンジニアのkeit氏に取材した。

web3の未来は? 暗号資産/ブロックチェーン業界を牽引する80人の「2023年の展望」

「あたらしい経済」年始の特別企画として、ブロックチェーン・暗号資産業界を国内外で牽引するプレイヤーや有識者の方々に「2023年の展望」を寄稿いただきました。80人の方々の合計40,000字を超えるメッセージには、これからのweb3領域のビジネスのヒントやインサイトに溢れています。じっくりと読んで、これから「あたらしい経済」を切り開くための参考にしていただけますと幸いです。

Web3グルーバルカンファレンス「NFT_Tokyo 2022 ウィンター」12/13・14開催、読者特別参加枠もプレゼント

Pivot Tokyoが主催するWe3グルーバルカンファレンス「NFT_Tokyo 2022 ウィンター」が、12月13日・14日に東京浜松町で開催される。 日本国内のWeb3推進の活性化を目的としたこのカンファレンスでは、国内外から業界のトッププレーヤーが登壇し、最先端の議論が展開される予定だ。

佐賀の古民家から世界で戦えるweb3エンジニアを育成、「ソリディティハウス」とは?(落合渉悟)

エンジニアとしてだけでなく、思想家として、研究者としてマルチに活躍する彼から、ある日「佐賀に遊びに来てください」と編集部に連絡が入った。聞くと、佐賀で古民家を改築し「ソリディティハウス(Solidity House)」なる新たなプロジェクトを開始しているという。

招待制web3イベント「B Dash Crypto」、セッション登壇者発表(10/19-21 @福岡)

インターネット業界の第一線の経営者やキーパーソンが集結する日本最大級の招待制カンファレンス「B Dash Camp 2022 Fall in Fukuoka」が2022年10月19-21日に福岡で開催される。そしてそのイベント内同会場でブロックチェーン・暗号資産などweb3領域に特化したカンファレンス「B Dash Crypto」も同時開催される。

【9/6開催情報 更新】アスターネットワーク(ASTR)が日本で「Astar Week」開催。VC、暗号資産取引所、web3スタートアップら集う

日本発のパブリックブロックチェーン「アスターネットワーク(Astar Network)」が8月下旬から9月上旬にかけ、東京で連続イベント「Astar Week」を開催する。アスターネットワークのファウンダー渡辺創太氏もイベントに合わせ帰国、各イベントで様々な業界内外のプレイヤーや有識者とディスカッションを行う予定だ。なお「あたらしい経済」も開催協力として本イベントをサポートしている。