バイナンスが自動マーケットメーカー「Binance Liquid Swap(バイナンスリキッドスワップ)」をローンチ

バイナンスが自動マーケットメーカー「Binance Liquid Swap(バイナンスリキッドスワップ)」をローンチ

暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)が、流動性プロバイダーが取引手数料から利子と収入を得ることを可能にする自動マーケットメーカー(AMM)プール「Binance Liquid Swap(バイナンスリキッドスワップ)」の提供を開始したことを9月4日に発表した。

流動性プロバイダーとは金融商品の取引流動性を高める役割を果たす企業群のこと。マーケットメーカーとは流動性を提供しマーケットがスムーズに機能することを目的に、特定の資産を大量に売買するマーケット参加者のこと。そして自動マーケットメーカー(AMM)は金融商品の上場プロセスや取引に関する注文をアルゴリズムに基づき流動性プールと連動させて、マーケットを作る役割を果たす。

Binance Liquid Swapはローンチ時に流動性プロバイダーのために「USDT/BUSD、BUSD/DAI、USDT/DAI」の3つの取引ペアをサポートするとのこと。ただ金利と取引手数料収入額は明らかになっていない。バイナンスの広報担当者によれば流動性プロバイダーのための金利と手数料収入は、流動性プールの規模と取引量に応じて柔軟に対応していくとのことだ。

バイナンスのCEOであるChangpeng Zhao(CZ)氏は「私たちは中央集権化されたAMMプールを通じて、DeFi市場のさらなる成長を願っています。DeFi商品がより多くの取引量と参加者を引き付ける中で、インスタント・スワップの流動性を提供できることを楽しみにしています。そして私たちのコミュニティに利益をもたらすインセンティブのあるプール設計で、コミュニティからの利益を得ることを楽しみにしています」とコメントしている。

なおバイナンスの広報担当者は「BinanceはDEXも運営しており、定期的なオークションを利用してそのプラットフォーム上で注文を成立させているため、マーケットメーカーとテイカーの概念を奪っていることは注目に値します。そしてBinanceが分散型プラットフォームではなく、中央集権型の取引所でAMMプールを立ち上げた理由は、Binance Liquid Swapがユーザーに簡単に稼げる力を提供するという意味で、分散型のAMMプールに似ていますが、中央集権型の取引所を利用することを好む別のグループのユーザーを対象としているからです」とThe Blockに答えている。

編集部のコメント

自動マーケットメーカー(AMM)には主に2つのタイプがあります。1つはプロのマーケットメーカーがプログラムに基づき管理・設定するものです。もう1つは設定されたアルゴリズムによって完全に自動化されており、市場のあらゆるユーザーがスマートコントラクトを通して市場へ参加する仕様になっています。後者にはDeFi(分散型金融)プロトコルとして台頭しているKyber Network、Unniswap、Balancer、Curveなどが挙げられます。現状のDeFiのAMMとBinance Liquid Swapの違いは、マーケット参加者の違いではないでしょうか。

DeFiでは個人投資家を中心にマーケットが構成され、バイナンスでは機関投資家を含んだプロ投資家がマーケットを構成していくのではないかと考えられます。

コメント:竹田匡宏(あたらしい経済編集部)

(images:iStock/RomanOkopny・dalebor)

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「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

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