ビザ・マスターら参加のステーブルコイン「OUSD」ローンチ、準備資産の収益を企業に還元

創設5社が10億ドル超の初期流動性を供給へ

ステーブルコイン事業を運営するオープンスタンダード(Open Standard)が、米ドル建てステーブルコイン「オープンUSD(Open USD:OUSD)」のローンチを9月30日に発表した。企業や開発者は、OUSDを使った金融サービスや商品の構築を開始できるようになった。

OUSDは、企業の決済や国際送金など、グローバルな資金移動向けに設計された米ドル建てステーブルコインだ。発行・償還手数料を無料とし、準備資産から生じる収益を参加企業へ還元する設計が特徴だ。

OUSDは、イーサリアム(Ethereum)、ベース(Base)、ソラナ(Solana)、テンポ(Tempo)の4つのブロックチェーンにネイティブ対応する。各チェーン上で直接発行され、公式サイトには各チェーンのコントラクトアドレスが掲載されている。

OUSDの発行は、決済企業ストライプ(Stripe)傘下のブリッジ(Bridge)が担う。準備資産はブラックロック(BlackRock)、リードバンク(Lead Bank)、BNYで保有される。準備資産に関する証明報告は、月次で公表する方針だという。

オープンスタンダードは9月24日、コインベース(Coinbase)、マスターカード(Mastercard)、ショッピファイ(Shopify)、ストライプ、ビザ(Visa)の5社が、初期の創設パートナーとして参加すると発表していた。

各社はオープンスタンダードに出資し、OUSDの供給確立も支援する。5社は、OUSDの立ち上げに向け、短期的に10億ドル(約1,575億円)超の流動性を供給する予定だ。会社への出資額は同発表では示されていない。

9月30日時点では、金融機関やフィンテック企業など200社超がパートナーとして参加している。

オープンスタンダードは、準備資産の収益から運営費を賄うための少額の管理手数料を差し引き、パートナー企業に分配する。報酬は、各社のプラットフォームで生み出すOUSDの供給量や利用状況に応じて決まる。パートナーには、これらの実績に応じて同社の株式を獲得する機会も設けられる。

同社は独立企業として、パートナー全体の利益に基づく共同ガバナンスを目指している。9月24日の発表では、創設パートナーから選ばれ、株主を代表する取締役会を設ける方針を示した。

企業向けの利用経路としては、ストライプ、マスターカード、コインベース、ビザの4つが用意されている。企業は、これらのサービスを通じて米ドルと1対1の交換比率でOUSDを発行・償還できる。利用開始には、選択したサービス提供者での登録やアカウント設定が必要となる。

9月30日の発表では、マスターカード傘下のBVNK、ストライプ、ビザの「ビザ・ステーブルコイン・プラットフォーム(Visa Stablecoin Platform:VSP)」を通じた利用を同日開始し、コインベースを通じた利用は10月1日から開始する予定と説明された。また、取引所などでの対応先として、コインベース、クラーケン(Kraken)、ユニスワップ(Uniswap)が挙げられている。

ストライプも同日、同社製品でのOUSD対応開始を発表した。企業はOUSDを使った資金の受け取り・保有・送金・支払いや、カードプログラムの構築、決済の受け付けなどが可能になる。ストライプは、ステーブルコインの標準設定としてテンポ上のOUSDを採用したと説明している。

なお、オープンスタンダードは6月30日にOUSDの計画を発表していた。当時は140社超の企業が利用に向けて参加しており、日本からは三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループ、PayPay、楽天グループなどが名を連ねていた。

また、ビザは7月16日に企業向けステーブルコイン基盤「VSP」を発表していた。最初の対応ステーブルコインとしてOUSDを挙げ、当時は一部顧客向けにベータ版を提供していた。

VSPは、金融機関やフィンテック企業などが、ステーブルコインの発行・償還・送金・管理を単一の環境で行えるよう設計された基盤だ。オンチェーンウォレット機能に加え、操作の起票者と承認者を分ける二者承認や監査ログなど、企業向けの管理機能を備えるという。

参考:オープンスタンダード・ストライプ
画像:iStocks/PIXTA

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

【10/1話題】SBIがビットバンク完全子会社化を完了で新経営体制に、SBI VCトレードとアプラスの暗号資産が貯まる事業用クレカなど(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored