野村総合研究所(NRI)がブロックチェーンを活用した日本初の「デジタルアセット債」と「デジタル債」を発行(NRI関係者コメントあり)

野村総合研究所(NRI)がブロックチェーンを活用した日本初の「デジタルアセット債」と「デジタル債」を発行

株式会社野村総合研究所(NRI)が社債の発行体として、第1回無担保社債(デジタルアセット債)と第2回無担保社債(デジタル債)を発行したことが明らかになった。社債発行の一連のプロセスに関与したのは、野村證券株式会社、野村信託銀行株式会社、NRI、株式会社BOOSTRYの4社となる。

第1回無担保社債(デジタルアセット債)は、発行総額2,500万円、年限3ヵ月、利率年利0.5974%(原則としてデジタルアセットを付与)払込金額は各社債の金額100円につき金100円、財務代理人は野村信託銀行株式会社、社債原簿管理人は株式会社BOOSTRYで行われる。

第1回無担保社債(デジタルアセット債)は、社債発行手続きの一部を電子化するために開発されたアプリを利用した自己募集形態を採用し、利息の支払いに代えてデジタルアセットを投資家に付与。また、社債原簿及び利息(デジタルアセット)について、ブロックチェーン技術を活用して管理し、事務負担の簡素化を図った。

第2回無担保社債(デジタル債)は、発行総額500万円、年限3ヵ月、利率年0.5974%、払込金額は各社債の金額100円につき金100円、引受会社は野村證券株式会社、財務代理人は野村信託銀行株式会社、社債原簿管理人は株式会社BOOSTRYで行われる。

第2回無担保社債(デジタル債)は、証券引受形態を採用し、かつ、利息を金銭のみ。ブロックチェーン技術を活用して社債原簿の管理を行うとともに、従来型の社債と同様に流通市場を確保しつつ、従来型の社債では困難だった社債権者の継続的な把握等を可能にした ・デジタルアセット債は投資家に利息分をデジタルアセットで配布、そのデジタルアセットはカフェなどで利用できるとのこと。デジタル債に関しては、利息分は現金で配布される。

NRIを含む4社は本社債の発行により、小口かつ個人向け社債のオンライン販売を実現し、併せて、デジタルアセットの付与を行うことで、将来的にさらに多様なリターンを付与した社債を発行する端緒とするとともに、社債権者の継続的な把握を通じた長期保有のインセンティブ付け等、今後の発展的な活用の可能性についても確認を行うとのことだ。

あたらしい経済編集部は、野村総合研究所コーポレートコミュニケーション部へ取材を行った。質問内容は、「デジタルアセット債、デジタル債のいずれも、社債発行手続きのどの部分をデジタル化したのでしょうか?」だ。

その質問に対して野村総合研究所コーポレートコミュニケーション部は「デジタルアセット債は①募集(アプリで募集・完結)②利息がデジタルアセット③社債原簿管理がブロックチェーンを活用したところです。デジタル債は、社債原簿管理のみにブロックチェーンを活用しました。そして、デジタルアセット債で配布されるデジタルアセットは社員食堂などで利用できる予定です」とコメントしてくれた。

編集部のコメント

株式会社BOOSTRYは、2019年9月2日に、野村ホールディングス株式会社とNRIとで設立した、ブロックチェーン技術を活用した有価証券等の権利を交換する基盤の開発・提供を行う合弁会社として設立されました。BOOSTRYは、金融商品を含むデジタル化された様々な権利の発行と取引ができるブロックチェーン技術を活用したプラットフォーム「ibet」を開発・運用しています。

ブロックチェーンを活用した社債発行プロセスで、どれくらいコスト削減できたのかなど詳細な発表を社債償還後に行ってくれることを、期待しています。いずれにせよ、日本初の取り組みとして野村総合研究所が実際にブロックチェーン技術を活用して社債を発行したのは、金融業界にとって大きな一歩となるのではないかとあたらしい経済編集部は考えます。

コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)

イメージ:AliseFox

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あたらしい経済 編集部

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