大和ハウスGのコスモスイニシアとWeb3ウォレット提供UPBONDが提携、訪日外国人向けの旅行体験提供で

コスモスイニシアとUPBONDが提携

大和ハウスグループのコスモスイニシアとweb3ウォレット提供の国内スタートアップであるUPBOND(アップボンド)が、資本業務提携の締結を3月26日に発表した。

この提携によりコスモスイニシアは、UPBONDのログイン基盤「Login3.0」を活用し、訪日外国人をターゲットとした旅行体験プラットフォームシステムの開発を進め、新たな旅行体験の創出を目指すとのことだ。

発表によるとコスモスイニシアは、2023年からUPBONDの「Login3.0」を活用したサービスプラットフォーム構想の検討を開始していたとのこと。

その後、昨年9月から11月の期間にて、インバウンド向けのシームレスな旅行体験の提供を目指し、コスモスイニシアのグループ会社であるコスモスホテルマネジメントが運営するアパートメントホテル「MIMARU」2施設において、「Login3.0」を活用したパスポートの事前登録と手荷物配送サービスの実証実験を行っていた。

この実証実験では、「KURO-GO(クロゴ)」荷物配送サービスを利用する「MIMARU」の当該2施設に宿泊する顧客を対象に、web3を活用したNFT会員証を発行。NFT会員証には、荷物配送サービスの申込および本人確認機能、およびパスポートの事前登録機能を搭載し、この機能を使用する宿泊者に対してインセンティブとしてステーブルコインを付与する取り組みを行っていた。なお「KURO-GO」は、コスモスホテルマネジメントが運営する訪日外国人家族の不便を解消するサービスだ。

この実証実験では、手荷物配送サービスの利用が他施設に比べて1.8倍に増加。Web3を活用したNFT会員証やインセンティブとしてのステーブルコインの有効性が確認できたとのことだ。

実証実験開始の発表の際に「あたらしい経済」編集部がUPBONDに対して取材したことろ、同実証実験で付与されるステーブルコインは米ドルステーブルコインのUSDCが利用されたという。1回のインセンティブはおおよそ10USDCとなる予定とのことで、対応するチェーンはポリゴン(Polygon)とのことだった。

今回の提携ににより、今後は実証実験で洗い出された課題も踏まえ、「Login3.0」と連携した事前チェックイン機能の導入とともに、訪日旅行時の顧客体験を向上させる旅行体験プラットフォームシステムの開発を進めるとのこと。

同プラットフォームでは「KURO-GO」提供サービスの一環として、交通手段やレジャー・飲食店予約との連携、一人ひとりに合わせた旅行体験のレコメンド、他企業サービスとの連携および会員証保有者向けコミュニティ、リファラルシステムの構築などを視野に入れるという。

また開発したプラットフォームをサービスパッケージ化し、インバウンドマーケットへの拡大および、コスモスイニシアグループの事業への展開を目指すとのことだ。

参考:コスモスイニシア
画像:iStocks/Lidiia-Moor

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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