(担当者コメント追記)LayerXが三井物産、SMBC日興証券、三井住友信託銀行と合同で新会社を設立へ(LayerX執行役員 丸野宏之氏のコメント)

LayerXが三井物産、SMBC日興証券、三井住友信託銀行と合同で新会社を設立へ

※斜体部分追記 2020/3/20 9:00

株式会社LayerXが、三井物産株式会社、SMBC日興証券株式会社、三井住友信託銀行株式会社と合同でブロックチェーン技術を活用した次世代アセットマネジメント事業分野での協業を開始することが3月19日プレスリリースにて発表された。

また今回の協業にあたり4社は合同で、新会社を設立することが併せて発表された

新会社の名称は「三井物産デジタル・アセットマネジメント株式会社」(仮)で、設立の予定は4月。発表時点では代表者は未定となっているが、三井物産から1名就任が予定されている。

なお新会社への各社出資比率は、三井物産 54%、LayerX 36%、SMBC日興証券 5%、三井住友信託銀行 5%となっており、設立時の資本金は現時点で5億円を予定している。

今回の協業において各社が基本合意したのは、
(1)ブロックチェーン技術を活用した次世代アセットマネジメント会社の設立・運営
(2)上記に係るシステム開発(※同システムは既に実証版の開発が完了)
(3)実証ファンドの組成検討
以上3点だ。

同事業では、ブロックチェーン技術を活用した効率的な資金調達も視野に入れながら、アセットマネジメント機能全体のデジタルトランスフォーメーション(DX)により、「(1)取引、管理、執行の各時間コストを削減」「(2)運用会社の透明性向上」「(3)ファンド設計の規格化、小口化、適切な流動性の付与」「(4)従来ではコスト面等で割に合わなかった投資対象の証券化」等を実現し、より多くの優良な実物資産の証券化商品を、より投資家の利益に資する形で届けることを目指すとのこと。

また同事業の実現可能性を高めるため、三井物産グループ企業も同事業へ参画し、投資案件のソーシング・運用・ファンド組成・販売流通に関する知見を活用して、新しい金融商品組成に協力をする。

同参画の三井物産グループ企業には、
・オルタナティブ金融商品に強みを持つ三井物産オルタナティブインベストメンツ株式会社
・アセットマネジメント事業を統括する三井物産アセットマネジメント・ホールディングス株式会社
・私募REIT・ファンド事業を手掛ける三井物産リアルティ・マネジメント株式会社
・上場REIT日本ロジスティクスファンド投資法人の資産運用会社である三井物産ロジスティクス・パートナーズ株式会社
・上場REIT投資法人みらいの資産運用会社である三井物産・イデラパートナーズ株式会社
以上5社の名前が挙がっている。

今後は規制当局との対話を重ねながら、同取組のオペレーション上の課題点・技術的改善点の検証を目的とした実証ファンドの組成を計画していくとのことだ。

あたらしい経済編集部は、こちらのプロジェクトを牽引したLayerX社執行役員 丸野宏之氏へ3つの質問を投げかけた。

1.LayerX は、協業だけでなく、なぜ新会社設立という選択肢を選んだのでしょうか。

「その理由は、2つあります。1つ目は、ビジネスモデルがクリアだったので、発注者<>受託者の関係ではなく、三井物産さんと LayerX で共通のゴールを目指せるインセンティブ構造を望んだためです。2つ目は、「事業」を推進する際の意思決定を高速化するためです。」

2.DX(デジタルトランスフォーメーション) が世の中的に、トレンドとなっています。しかし、LayerXのようにDXを実現させて いる企業は少ないと思います。DXを実行する上で、重要な要素は何でしょうか。

我々もまだ何かを成し遂げている訳ではありませんが、DXを成功させるために、3つの必要条件があると思います。

1 各社が本質的な強みを持ち、かつ、それが相互補完関係にあること。

2 各社のビジネス・技術・カルチャーに関する深い理解、リスペクトがあること。
3 圧倒的当事者意識 と 困難を楽しむマインド(これが一番大事!) 

3.いまの経済構造でアセット化されていないモノの中で、今後、オルタナティブアセットになりうるモノってどのようなものだとお考えでしょうか?

「個人的にデジタル証券化に相性が良いと思うのは「キャッシュフローが分かりやすくて安定したもの」です。現在コロナショックもありマーケットは乱高下していますが、多くの人は安定した資産形成を望んでいます。新会社では、不動産だけでなくインフラ、動産を始めとした、今まで一部の企業しかアクセスできなかったような様々な収益資産の⺠主化に挑戦していきます。」とコメントしくれた。

編集部のコメント

オルタナティブアセットとは、株式や債券など伝統的な資産の代替となる資産のことを言います。
実際に、三井物産グループでは、これまでの投資知見を活用し、不動産・インフラなどのオルタナティブアセットを対象として、多数のアセットマネジメント事業を展開しており、上場REITや米国不動産ファンドなどを合計した運用資産額は2兆円以上に及んでいます。

あたらしい経済は、ブロックチェーンにより現在の経済構造では、オルタナティブアセットではないものでも、資産性のあるモノで表現できるようになると考えています。三井物産のグループ会社は、いま資産性を帯びていないアセットをたくさん抱えているでしょう。そのアセットの価値をブロックチェーンにより表現し、日興証券や三井住友信託が、個人投資家向けにへ販売する窓口になるのではないかと考えられます。つまり、三井物産、LayerXらが設立する新会社三井物産デジタル・アセットマネジメント」はあらたなオルタナティブアセットの形成と現在の運用コストを下げる取り組み、この2点を中心に進めていくのではないかと、あたらしい経済編集部は考えています。

記事作成:大津賀 新也(あたらしい経済)
コメント:竹田 匡宏 (あたらしい経済)

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