CryptoPunk5822、シリーズ最高額約27億円で取引

CryptoPunk5822が約27億円で売却成立

コレクタブルNFT「クリプトパンク(CryptoPunks)」シリーズの「CryptoPunk 5822」が、シリーズとして過去最高額となる約2,300万ドル(約27億円)で売却されたことが分かった。

「クリプトパンク」は、カナダのソフトウェア開発者マット・ホール(Matt Hall)氏とジョン・ワトキンソン(John Watkinson)氏が設立したニューヨークの企業「ラルバ・ラボ(Larva Labs)」が2017年に発表したNFTアートシリーズ。アルゴリズムで生成された24×24ピクセルのキャラクターが10,000点あり、それぞれには同じものがなく、ユニークなデザインのNFTアートになっている。

なお10,000点のうち3,840点が女性モチーフで6,039点が男性モチーフになっている。当初、作品は無料で配布され、その後は数十万円で取引されていたが、一昨年末からのNFTの盛り上がりに合わせ、現在では高額で取引されている。

今回取引された「CryptoPunk 5822」は、10,000あるシリーズの中で9つしかないエイリアンをモチーフにしたもので、エイリアンが青いバンダナを巻いた作品だ。同作品が最後に取引されたのは2017年7月で、その際の価格は8ETH、当時の価格で1,646ドル(約19万円)だった。

購入者は、クラウド・ブロックチェーン・インフラストラクチャ企業のチェーン(Chain)のCEOディーパック・タプリヤル(Deepak Thapliyal)氏。同氏は2月12日、「ラルバ・ラボ」独自のオンラインマーケットプレイスより「CryptoPunk 5822」を8,000 ETH(23,702,160.16ドル)で購入したという。

またタプリヤル氏は今回のNFT購入にあたり、DeFi(分散型金融)レンディングプロトコルのコンパウンド(Compound Finance)を利用して得た資金を利用したとツイートしている。

なお今までの「クリプトパンク」の過去最高売却額は、昨年6月に大手アートオークションハウスのサザビーズ(Sotherby’s)が開催したオークションで落札された1,180万ドルだった。

ちなみにサザビーズはこの昨年6月の「クリプトパンク」販売に続き、今月23日にNFTに特化したオークションを開催し、そこで104点の「クリプトパンク」をシングルロットとして出品する予定だ。これらの作品は単一の匿名コレクターが所有するものをオークションにかけるとのことで、予想落札価格は2000万ドル〜3000万ドル(約23億円〜35億円)となっている。

NFTとは

「NFT(Non Fungible Token:ノンファンジブル・トークン)」とは、代替が不可能なブロックチェーン上で発行されたトークンを指す。NFTの規格で発行されたトークンは、そのトークン1つ1つで個別の価値を持つ。そのためNFTを画像や映像などのデジタルデータと紐付けることで、デジタルデータの個別の価値を表現することに活用されている。

なおNFTという言葉は現在幅広く活用されており、活用するブロックチェーンやマーケットプレイスの種類によって、その機能や表現できる価値が異なる可能性があることには留意が必要だ。

関連ニュース

決済大手VisaがNFTアート購入、CryptoPunksを約1,820万円で

コインチェックNFT、「CryptoPunks」の新プロジェクト「Meebits」取り扱いへ

参考:Larva Labs
デザイン:一本寿和
images:iStocks/The7Dew

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

【10/2話題】株式会社Progmatが新経営体制で運営開始、Intmaxがウォレットレス・ウォレット提供開始など

株式会社Progmat設立、新経営体制で運営開始、ステートレスzkRollup「Intmax」、ウォレットレス・ウォレット発表、ヴィタリック、リキッドステーキングによる中央集権リスクについて言及、SBI、「XDC Network」の運営会社と国内合弁会社を設立へ、破産した3AC共同創業者がシンガポールで逮捕と清算人が発表=報道、丸紅と常陽銀行出資のデジタル証券準備会社子会社ら、新たに「プロ向け不動産STOファンド」組成完了、北國銀行、石川県珠洲市でデジタル地域通貨「トチツーカ」開始、10月から、USDCのサークルが「ステーブルコインは有価証券にあたらない」と主張、バイナンス対SEC訴訟で、ドリコムとアニモカブランズジャパンが提携、「Eternal Crypt – Wizardry BC -」の海外展開へ向け、ポリゴンラボのポリゴンPoS、グーグルクラウドがバリデーターに参画、アバランチのAva Labs、独自データベース「Firewood」の開発者プレビューを公開

ドリコムとアニモカブランズジャパンが提携、「Eternal Crypt – Wizardry BC -」の海外展開へ向け

国内大手ゲーム企業ドリコムが、香港拠点のブロックチェーンゲーム開発企業アニモカブランズ(Animoca Brands)の子会社Animoca Brands株式会社(アニモカブランズジャパン)と、Web3領域におけるグローバル展開に向け、パートナーシップ締結に合意したと9月26日発表した

ヴィタリック、リキッドステーキングの中央集権リスクについて言及

イーサリアム(Ethereum)の共同創業者であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏が、「イーサリアムはプロトコルにもっと多くのものを記述して問題ないでしょうか?:Should Ethereum be okay with enshrining more things in the protocol?」というタイトルのブログを9月30日に投稿し、リキッドステーキングによる中央集権リスクについて言及した