Curveハッキングで市場が軟調な中、XDCは年初来高値、SHIBも週ベースで+17.9%上昇(暗号資産 週間マーケットレポート 8/7号)

7/30~8/5週のサマリー

  • 大手DEX(分散型取引所)Curve Financeがハッキング被害
  • XDC、SHIBは引き続き堅調、XDCは今週も年初来高値を更新
  • ライトコイン(LTC)半減期通過
  • 米フィッチ・レーティングスは米国長期国債の格付「トリプルA」→「ダブルAプラス」に引下げ

暗号資産市場概況

7/30~8/5週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比▲2.08%の4,129,750円、ETH/JPYの週足終値は同▲0.78%の260,700円であった(※終値は8/5の当社現物EOD[8/6 6:59:59]レートMid値)。

先週の暗号資産市場は週初からCurve Financeのハッキング被害のニュースが嫌気され、アルトコインを中心に軟調に推移した。そのような中においてもXDC、SHIBは堅調に推移し、XDCは週央には一時前週比約70%の上昇を演じ、先週に引き続き年初来高値を更新した。SHIBも週間ベースで+17.9%の上昇となっており、全体的に軟調な中でも各コインによって強弱アクセントのついたマーケットとなったようだ。

米企業の2023年4~6月期の決算発表では、3日にステーブルコインUSDT発行元のテザー社がQ2の純利益を約8.5億ドルと発表し、前期の約15億ドルを下回ったものの業績が堅調なことを示した。4日決算発表したアマゾン株は前日比8%高、アップルは5%安と大型テック企業間で明暗を分けたようだ。

米7月雇用統計は平均時給・失業率が市場予想対比で強く、NFPは市場予想を下回るまちまちな結果であった。アトランタ連銀のボスティック総裁はインタビューにおいて、「米経済はかなり秩序だって減速すると予想していたが、雇用統計の数値はペースを維持している」と述べ、米連邦準備理事会(FRB)の利上げが続くとの見方が後退し、円買い・ドル売りとなった。

今週は、前述ハッキング被害にあったCurve Financeのヘッドラインに引き続き留意したい。現時点(8/7)で攻撃者が資金を返還したプールがあるものの、CRV/ETHプールの攻撃者は返還に応じておらず、依然として注目したい。マーケットでは10日の7月米消費者物価指数(CPI)と、9日の米国債入札に注目したい。フィッチ・レーティングスが2日に米国長期国債の格付を最上級の「トリプルA」から1段階低い「ダブルAプラス」に引き下げた後で初めての長期債入札となる。結果次第では、金利のボラティリティーが高まることに警戒が必要だ。

BTC/USD週間チャート(30分足)

TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成

BTC/JPY週間チャート(30分足)

TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成

7/30~8/5週の主な出来事

8/6~8/12週の主な予定

今週のひとこと「Curve Finance」

Curve FinanceはUSDTやUSDCといったステーブルコイン向けに特化したDEX(分散型取引所)。

イーサリアムブロックチェーン上で構築されており、現在11ものマルチチェーン対応が確認されています。

AMM(自動マーケットメーカー)形式を採用することで一般的なDEXよりも取引手数料が割安とされ、ガバナンストークンCRV(Curve DAO Token)を発行することで、イールドファーミング(流動性マイニング)サービスも享受できます。

このようにDeFiにおける24時間の取引量が第1位で、およそ7億4400万ドル(8月7日DeFi Llama調べ)と人気のCurve Financeでしたが、前述の通りハッキング被害を受けています。DeFiプロトコルにおける不正流出等のハッキング被害は、今年はすでに3億ドル以上が報告されていることから、何事にもメリット、デメリットを勘案したうえでのぞむ必要があるでしょう。

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この記事の著者・インタビューイ

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