ビットコインはレンジを下抜け軟調に推移、FOMC・ECB・日銀と中央銀行会合が相次ぐも大きな影響なし(暗号資産 週間マーケットレポート 7/31号)

7/23~7/29週のサマリー

  • アジア最大級の国際Web3カンファレンス「WebX」開催(2日間)
  • FOMC政策金利は事前の予想通り25bpの利上げ決定
  • 日銀、金融政策決定会合でYCCの運用を柔軟化することを発表

暗号資産市場概況

7/23~7/29週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比▲2.08%の4,144,400円、ETH/JPYの週足終値は同▲0.78%の265,680円であった(※終値は7/29の当社現物EOD[7/30 6:59:59]レートMid値)。

先週の暗号資産市場は、約1か月間推移していたレンジを下抜け軟調に推移した。特筆すべき下落材料はなかったものの、レンジ下限を試す回数が重なったことで結果的にブレイクしてしまったと考えるべきだろう。ただBTC/JPYは前週比▲2%の下落幅で、FOMC、ECB、日銀と中央銀行の会合が相次いだ週であったにもかかわらず、無難に通過することができたと評価できる。

中銀会合を振り返ると、FOMCとECBでは共に25bpの利上げを行いつつ、今後はデータ次第であることを示した。6月時点のFOMCでは今回の利上げ含め2回の利上げを行う可能性を示していたことから、今会合の方がややハト的になったと言えるだろう。また、日銀が金融政策決定会合でYCC(イールドカーブ・コントロール)の運用を柔軟化することを発表した。これはサプライズ的な発表であったため、28日午前2時に事前報道が出た時点から米金利の上昇に影響し、株安・暗号資産安をもたらした。その後の円金利市場に混乱が見られなかったことで、株・暗号資産は下落分を戻す展開となった。

今週は米主要企業の決算発表が続く中、雇用統計が控えている。暗号資産への影響は比較的小さいかもしれないが、イベントとして注目しておく必要があるだろう。日銀のサプライズ発表があったことでドル円のボラティリティが上昇しているため、円建てで暗号資産を購入している場合はドル円の動きにも注意したい。また3日にはLTC(ライトコイン)が半減期を迎えることを予定している。ただし、LTCの半減期期待は昨年11月にすでに織り込まれている可能性があることを頭に入れておきたい。

BTC/USD週間チャート(30分足)

TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成

BTC/JPY週間チャート(30分足)

TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成

7/23~7/29週の主な出来事

7/30~8/5週の主な予定

今週のひとこと「ライトコイン(LTC)の半減期」

ライトコイン(LTC)の半減期は、ビットコイン(BTC)と同様、4年に1度の周期となっており、現時点で2023年8月3日頃に予定されています。

半減期とは、マイニングによって得られる報酬が半減するタイミングのことです。半減期が到来するとLTCが新たに発行されるスピードが理論上半減するため、供給量の減少が価格上昇に繋がるとの期待から、買いが集まる傾向があります。

ライトコイン(LTC)は2011年に発行されたため、2015年に最初の半減期を迎え、それから4年後の2019年に2度目の半減期があり、今回が3度目の半減期となります。実際に過去2回の半減期(1 回目は2015年8月26日、2回目は2019年8月5日)では、半減期前に価格が上昇しており、今年についても年初から約40%の上昇を見せています。

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この記事の著者・インタビューイ

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