シルバーゲート事業清算やSVB破綻、USDCやDAIデペグで一時2万ドル割り込むも反発(暗号資産 週間マーケットレポート 3/13号)

3/5~3/11週のサマリー

  • 先週はリセッション(景気後退)懸念相場の始まりとなる重要な週となった
  • 米シルバーゲートバンクが事業清算、米シリコンバレーバンクが経営破綻
  • ステーブルコイン「USDC」、「DAI」のデペグ(参照価格からの乖離)を観測

暗号資産市場概況

3/5~ 3/11週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比▲8.27%2,769,150円、ETH/JPYの週足終値は同▲5.85%199,210円となった(※終値は3/11の当社現物EOD[3/12 6:59:59]レートMid値)。

先週はリセッション(景気後退)懸念相場の始まりとなる重要な週となった。週初はパウエルFRB議長の議会証言があり、利上げペースを加速することに言及したことで、3月FOMCでの利上げ幅50bpの可能性を70%近く織り込んだ。BTCはこの発言をきっかけに$22,100~$22,500のレンジを下抜けした。翌日パウエル議長は「利上げ幅は決まっていない」と付け加えたものの、この日発表された利上げ幅の根拠となるデータであるJOLTS(雇用動態調査)等の数字が強く、さらに利上げ幅50bpの織り込みが進むこととなった。

週央には新規失業保険申請件数が予想よりも弱く出たことで、利上げ幅50bpの織り込みが後退し、株・暗号資産は一時的に上昇した。しかしその後、米シリコンバレー銀行(SVB)で取り付け騒ぎが起こったことで、銀行株を中心にリスク性資産は大幅に下落。失業保険のデータが弱く出ていたことも相まってリセッション懸念が強く意識され始めた。同時期にバイデン大統領によるマイニング課税の提案や、米NY当局が暗号資産取引所KuCoinを訴えたという報道が重なったことも暗号資産にとって苦しい材料となり、BTCは$20,000を一時割り込んだ。

11日には米ドル連動型ステーブルコイン「USDC」を発行しているCircle社が経営破綻したSVBにUSDC準備金400億ドルのうちの33億ドルを預けている状態であることを明らかに。その影響によりUSDC価格ではデペグが発生、他の米ドル連動型ステーブルコイン「DAI」においてもデペグが観測され、複数の暗号資産取引プラットフォームではUSDCの取引が一時停止となる事態となった。

執筆時点で複数の大手金融機関がSVBの買収に向け動いているなどの報や、13日朝には米ニューヨーク州金融サービス当局が暗号資産業者との取引で知られている米シグネチャー・バンクの事業停止を発表。Circle社からは「週明け月曜日から通常通り米ドルと1:1での換金が可能、不足分は自己資金で補う」とのアナウンスもでており、価格も1ドル近くまで回復しているがまだまだ予断は許さないであろう。

来週は3月FOMC利上げ幅のヒントとなりうる米消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)が控えている。外部環境も含めて引き続き注視していく必要があろう。

1:BTC/USD週間チャート(30分足) 

TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成

2:BTC/JPY週間チャート(30分足)

TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成

3/5~3/11週の主な出来事

3/12~3/18週の主な予定

今週のひとこと「日本の暗号資産取引所」

日本国内で流通する暗号資産のほとんどは金融庁から安全性・信頼性について一定の審査を経た登録業者が取り扱う銘柄、通称ホワイトリスト銘柄となっております。世界的にみると暗号資産は、その匿名性・利便性の高さから詐欺やマネーロンダリングのツールとして悪用される事例も時折見受けられます。こうした犯罪行為の防止・利用者の保護のためにも、日本国内の取引所では金融庁から認可を受けた取扱業者が扱うホワイトリスト銘柄を主に取り扱い、分別管理を行う等諸外国と比較して厳しい管理体制のもと管理しております。

SBI VCトレードにおいても金融庁の認可を受け、関東財務局長への登録を行っており、その上でお客様の資産をお守りするため暗号資産をオフラインのコールドウォレットでの管理、資産の分別管理等の安全なお取引への取り組みを行っております。

銘柄選定だけでなく、信頼できる取引所を利用することも投資活動の重要な要素として捉える時代なのではないでしょうか。

このレポートについて

国内の暗号資産(仮想通貨)取引所「SBI VCトレード」提供の週間マーケットレポートです。毎週月曜日に最新のレポートをお届けしまします。

→「SBI VCトレード」はこちら

<暗号資産を利用する際の注意点>
暗号資産は、日本円、ドルなどの「法定通貨」とは異なり、国等によりその価値が保証されているものではありません。
暗号資産は、価格変動により損失が生じる可能性があります。
暗号資産は、移転記録の仕組みの破綻によりその価値が失われる可能性があります。
当社が倒産した場合には、預託された金銭及び暗号資産を返還することができない可能性があります。
当社の取り扱う暗号資産のお取引にあたっては、その他にも注意を要する点があります。お取引を始めるに際しては、「取引約款」、「契約締結前交付書面」等をよくお読みのうえ、取引内容や仕組み、リスク等を十分にご理解いただきご自身の判断にてお取引くださるようお願いいたします。
秘密鍵を失った場合、保有する暗号資産を利用することができず、その価値を失う可能性があります。
暗号資産は支払いを受ける者の同意がある場合に限り、代価の支払いのために使用することができます。

この記事の著者・インタビューイ

SBI VCトレード

SBIグループの暗号資産取引所「SBI VCトレード」。SBIグループの掲げる顧客中心主義の理念のもと、お客様の満足度向上に資する暗号資産取引に係るサービスをフルラインナップでご提供してまいります。

SBIグループの暗号資産取引所「SBI VCトレード」。SBIグループの掲げる顧客中心主義の理念のもと、お客様の満足度向上に資する暗号資産取引に係るサービスをフルラインナップでご提供してまいります。

この特集のその他の記事