ビットコイン乱高下の週、Mt.Gox関連誤報で一時下落も29,000ドル台での底堅い推移(暗号資産 週間マーケットレポート 5/1号)

4/23~4/29週のサマリー

暗号資産市場概況

4/23~ 4/29週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比+7.31%の3,985,650円、ETH/JPYの週足終値は同+3.33%の259,605円であった(※終値は4/29の当社現物EOD[4/30 6:59:59]レートMid値)。

今週の暗号資産市場は27日未明の乱高下がありながらも、ビットコインに関しては先週の大規模ロングポジションの清算前の水準にあと一歩の所まで回復する展開となった。

週明けビットコインは370万円を挟んだもみ合いでスタート。米国決算が本格化となる中注目されたファースト・リパブリック・バンク(FRC)の決算は、収益予想は上回ったものの、約1,000億ドルの預金流出が判明したことで同社株が前日比約5割の下落となった。その後同行再建案に関する報道が錯綜。その影響から金融システム不安再燃となり、米長期金利が大幅に低下。ビットコインは反発し、ドルベースで30,000ドルにワンタッチする上昇を見せる場面もあった。

26日未明にはMt.Goxと米国政府とのウォレット間でビットコイン取引をしているとの観測がTwitter上で拡散され、それまで上昇していたビットコインは大きく急落。のちに誤報であったことが判明し、安心感から未明の下げ幅を8割程度戻す展開となった。その後は30,000ドルのレジスタンスラインは意識されるものの、29,000ドル台での底堅い推移となった。

株式市場については、注目されていたビッグテックを含む主要米国企業の決算発表が行われたが、概ね市場予想を上回る内容であった。リセッションへの懸念は一歩後退した格好となり、金融不安再燃による下落幅を戻す形で週末を迎えた。

今週は2~3日にFOMC、4日にECB理事会が控えている。特にFOMCでは現状0.25%の利上げの見方が大勢だが、利上げ打ち止めの時期が示唆されるかが大きな焦点であろう。このところ、米景気減速を示す指標数値が垣間見える一方で、インフレに関する指標については目立った改善を確認できていない。5月の利上げが本当に最後となるのかという警戒感も市場で燻ぶっている状況である。利上げ継続の姿勢であれば現在高値圏にある米株等はリスクオフの展開となり、暗号資産市場にも大きな影響が出ることが予想される。今後のFRBの金利政策の舵取りについては、より一層慎重に見極めたうえで投資判断を行いたい。

1:BTC/USD週間チャート(30分足)

TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成

2:BTC/JPY週間チャート(30分足)

TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成

4/23~4/29週の主な出来事

4/30~5/6週の主な予定

今週のひとこと「ステーキング(イーサリアム・ソラナ)」

SBI VCトレードでは、202351日より「ステーキングサービス」取扱銘柄に、国内初となるイーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)を追加しました。

ステーキングとは、暗号資産を保有すること自体がブロックチェーン維持への貢献となり、報酬が発生するという暗号資産ならではの仕組みのことであり、Web3時代の新たな資産運用方法のひとつとして注目を集めています。特別な申込や手続きを行うことなく、対象の暗号資産を保有しているだけで収益(ステーキング報酬)を得ることが可能で、これまでの「冬の時代」と呼ばれた暗号資産市況を背景にインカムゲインのニーズが高まってきました。

主な特徴として改めて申込が不要であることや、保有数量に上限・下限がない、保有期間が無制限、中途解約が可能、分別管理の対象であることがあげられます。

金融サービスが多様化していく時代だからこそ、単純に暗号資産を売買してキャピタルゲインを狙うだけではなく、上記「ステーキング」や「レンディング」を活用するなど高度なリスクマネジメントが求められていると考えられます。

このレポートについて

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暗号資産は、価格変動により損失が生じる可能性があります。
暗号資産は、移転記録の仕組みの破綻によりその価値が失われる可能性があります。
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暗号資産は支払いを受ける者の同意がある場合に限り、代価の支払いのために使用することができます。

この記事の著者・インタビューイ

SBI VCトレード

SBIグループの暗号資産取引所「SBI VCトレード」。SBIグループの掲げる顧客中心主義の理念のもと、お客様の満足度向上に資する暗号資産取引に係るサービスをフルラインナップでご提供してまいります。

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