韓国与党、暗号資産課税の再延期を政府に正式提案。2年延期案が有力

韓国与党が暗号資産課税の延期を政府に提案

韓国の与党「共に民主党」のキム・ミンソク(Kim Min-seok)代表が11月4日、2027年1月から開始予定の暗号資産(仮想通貨)所得への課税について、延期を政府に正式提案した。韓国メディア「聯合ニュース」などが同日報じた。

キム代表は4日に開かれた党最高委員会で、課税の原則や国内産業の状況、利用者間の公平性などを総合的に考慮した結果、まず「デジタル資産基本法」を制定して制度全体の枠組みを整備し、企業や投資家に適応期間を設けることが望ましいとの認識を示した。

また、これまで課税が繰り返し延期されてきたことも考慮したと説明。今回は延期期間を明確に定めたうえで、海外取引情報の活用やシステムの検証、納税者への案内方法など、課税開始に向けた準備を徹底する方針を示した。

延期期間については、党内で2年間とする案が有力視されている。ただし、政府との間で具体的な延期期間が確定したわけではない。

これに先立ち、国会財政経済企画委員会に所属する共に民主党の議員らは3日、国会で企画予算処の関係者を交えた非公開会合を開き、課税延期について協議していた。

同委員会の与党側幹事を務めるオ・ギヒョン(Oh Gi-hyoung)議員は会合後、記者団に対し、所得が発生したところに課税するという基本原則には賛同する一方、さまざまな政策的事情を考慮すると、施行前に一定の準備期間を設けることはやむを得ないとの意見が多数を占めたと説明した。

延期期間については、多くの議員が2年程度を想定しているとの認識を示していた。

課税延期を求める背景には、主に2つの要因がある。

1つは、暗号資産に関する税務情報を各国間で交換する国際的な枠組みの運用状況だ。

経済協力開発機構(OECD)が策定した「暗号資産報告枠組み(CARF)」では、韓国や日本などが2027年に初回の情報交換を開始する予定で、米国は2029年の開始を予定している。

オ議員は、海外との税務情報交換が2029年に本格化するとの見方を示し、こうした情報を活用することが実効性のある課税につながるとの意見が出たと説明した。

もう1つは、「デジタル資産基本法」の制定に伴う市場環境の変化だ。

オ議員は、同法が早ければ2027年上半期にも整備される可能性があるとし、新たな事業者区分や取引構造に合わせて税制を見直す必要があるとの意見が出たと述べた。 また、国税庁と暗号資産取引所の間での課税データの共有・活用方法や、実際の取引データを用いた課税シミュレーション、関連システムの安定性についても検証する方針だ。

共に民主党は今後、国会の租税小委員会で所得税法改正案を審議する際に、課税延期案を反映させる方針としている。

韓国では現行法上、暗号資産の譲渡・貸し出しによる年間所得のうち250万ウォンを超える部分に対し、20%の所得税と2%の地方所得税を合わせた計22%の税率が適用される予定だ。

暗号資産課税は当初2022年に開始される予定だったが、これまでに3度延期されており、今回の延期が実現すれば4度目となる。

一方、イ・ヒョンイル(Lee Hyoung-il)経済副首相兼財政経済相は10月22日、暗号資産課税の実施について、専門家や業界、国会の意見を踏まえて慎重に判断する姿勢を示していた。

参考:報道1・報道2
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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