TISIと日本カードネットワークがステーブルコイン決済の実証成果を発表
TISインテックグループのTISIと、決済システムの開発・提供を行う日本カードネットワークが、ステーブルコインを用いた店頭決済の実証実験で、決済から加盟店精算、経理業務までの一連の運用性を確認したと10月30日に発表した。
発表によると、日本円建てステーブルコインと米ドル建てステーブルコインによる決済が行われ、計137件の決済がすべて正常に完了したという。また、決済処理だけでなく、売上確認、加盟店精算、取引突合、資金管理など、店舗運営に必要な業務の流れを検証したとのこと。本実証の範囲では、事業化を阻害する重大な課題は確認されず、店頭決済の実現性を業務面・技術面の両方で確認できたという。
今回の実証は、9月1日から8日までの6営業日に、日本カードネットワークが入居する高田馬場のオフィスビル内の社員食堂で実施された。日本カードネットワークおよび協力会社の社員など、同ビルに入館できる関係者を対象とし、利用者、加盟店、収納代行事業者による実運用を想定した環境で行われたという。
実証では、TISIがシステム・技術面を、日本カードネットワークが業務面を担当したとのことだ。
なお同実証では、POSと連動しない専用決済端末を有人レジで単独操作する方式を採用したとのこと。利用者は一般的な個人向けウォレットを使用し、日本カードネットワークは企業向けのウォレット機能をクラウド経由で利用できるビジネスウォレットSaaSを使用したという。
また、ブロックチェーン上の取引にかかる手数料であるガス代は、1取引当たりの中央値が0.1円未満となり、費用面での事業性を検討するための基礎データを得たとのことだ。
今後両社は、ステーブルコイン決済の導入や検証を検討する企業・団体に対し、実証実験の企画・運営支援や決済システムの提供を共同で進める予定だという。またTISIは、利用者および加盟店向けのUI/UXの改善や運用面の高度化を進め、2027年度中の「ステーブルコイン決済支援サービス」の事業化を目指すとしている。
なお国内では、コンビニエンスストアでのステーブルコイン決済の実証も行われている。ハッシュポート(HashPort)、KDDI、ローソンは8月6日、「ローソン高輪ゲートウェイシティ店」で、日本円建てステーブルコイン「JPYC」を用いた店頭決済の実証実験を実施している。またネットスターズは8月17日、「ローソンゲートシティ大崎アトリウム店」で、米ドル建てステーブルコイン「USDC」「USDT」と日本円建てステーブルコイン「JPYC」を用いた店頭決済の実証実験を実施している。
参考:日本カードネットワーク
画像:PIXTA