イーサリアムのステーキング量が過去最高4380万ETH、総供給量の35.9%に=ビットワイズ

ステーキングへの純流入は6四半期連続、利回りは低下

米暗号資産(仮想通貨)運用会社ビットワイズ(Bitwise)が、「イーサリアム(ETH)」のステーキング数量が2026年第3四半期末に過去最高の4,380万ETHに達したと10月20日に公表した。総供給量に占める割合は35.9%となったという。

同社は、2026年第3四半期(7~9月)の動向を分析した「ザ・ビットワイズ・ステーキング・レポート(The Bitwise Staking Report:Q4 2026)」で、この結果を示した。

ステーキングは、暗号資産をネットワークの取引検証などに利用するために預け入れ、その対価として報酬を得る仕組みだ。今回の4,380万ETHは、稼働中のバリデーターの口座にあるETH残高の合計で、預け入れたETHに加え、引き出されずに残っているステーキング報酬も含まれる。バリデーターとは、取引の検証やブロックの提案などを担う主体を指す。

同四半期のステーキングへの純流入量は199万ETHで、前四半期の144万ETHから増加した。純流入は6四半期連続となった。

2026年1~9月の純流入量は796万ETHで、前年同期の131万ETHの約6.1倍となった。ビットワイズは、機関投資家によるステーキングの拡大が流入を支えたと分析している。

具体例として、ビットマイン・イマージョン・テクノロジーズ(Bitmine Immersion Technologies)のステーキング数量が、2025年12月28日時点の約41万ETHから、2026年9月27日時点で約507万ETHに増えたことを挙げた。

ビットワイズは、残高増加の一因として、2025年5月のアップグレード「ペクトラ(Pectra)」で導入された報酬の自動再ステーキングを挙げた。対応するバリデーターでは、ネットワークの合意形成に参加して得た報酬が自動で再ステーキングされるという。

一方、第3四半期のステーキングの平均年率利回りは、前四半期の2.81%から2.63%に低下した。この数値は、運営事業者への手数料を差し引く前のものだ。

利回り2.63%の内訳は、ETHの新規発行による合意形成への報酬が2.53ポイントで、全体の約96%を占めた。優先手数料や、取引の順序などを通じて得られる追加収益「MEV」に由来する報酬は、0.10ポイントだった。

同社は利回り低下について、ステーキングされるETHの増加に伴い、1ETHあたりの報酬が小さくなることに加え、取引手数料などから得られる報酬が減ったことを背景に挙げている。

第3四半期末の稼働中のバリデーター数は約88万1,000となった。同社は、過去の約110万から減少した背景に、ペクトラに伴うバリデーターの統合を挙げている。

新しく預け入れたETHがステーキングで稼働を開始するまでの推定待機期間は、2026年2月の約70日から、第3四半期末には約25日に短縮した。新規の預け入れから報酬を得られるようになるまでの待ち時間が短くなったという。

なお同レポートは、ステーキング拡大を背景としたETHの発行方針を見直す議論にも触れている。改善提案「EIP-8363」は、ステーキング量に応じてバリデーター報酬の一部を焼却し、ETHの純発行を抑えることを目指すものだ。

イーサリアム財団(Ethereum Foundation)のプロトコル(Protocol)部門は9月7日、同提案をアップグレード「ヘゴタ(Hegotá)」に搭載することを推奨しない立場を示した。同部門は、発行方針の変更には、より広いコミュニティでの議論が必要だとしている。

参考:ビットワイズ・レポート
画像:PIXTA

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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