セルシウス創業者アレックス・マシンスキー、NY州司法長官から永久追放処分を受ける

証券・商品も対象、最大3,500万ドルの支払いには条件

米ニューヨーク州司法長官室(OAG)が、暗号資産(仮想通貨)レンディング企業セルシウス・ネットワーク(Celsius Network:以下、セルシウス)の共同創業者で元CEOのアレックス・マシンスキー(Alex Mashinsky)氏との和解を10月9日に発表した。和解により、同氏は証券・商品・暗号資産業界での事業活動への関与を永久に禁止される。

今回の和解は、同州司法長官室が2023年1月に提起した民事訴訟を解決するものだ。和解により、マシンスキー氏には、条件付きでニューヨーク州に最大3,500万ドル(約55.4億円)を支払う義務が課された。

和解文書によると、禁止対象には暗号資産やデジタル資産を含む証券・商品の発行、販売、勧誘、投資助言、投資運用などが含まれる。同氏は、関連事業の役員や取締役、ブローカー、投資顧問、コンサルタントなどとしての活動も禁止される。

また、同氏は報酬や経済的利益を得る目的で、動画やインターネットなどを通じて証券・暗号資産の売買に関する助言を行うことも禁止される。一方、同氏本人の個人的な売買については例外が設けられている。

金銭面では、同氏が連邦刑事事件に基づく追加1,000万ドル(約15.8億円)の没収義務を履行しない場合、ニューヨーク州に2,500万ドル(約39.6億円)を支払う条件が設けられた。この没収義務を履行すれば、州への2,500万ドル(約39.6億円)の支払い義務は履行済みとみなされる。

さらに州司法長官室は、同氏が連邦刑事事件で定められた刑期を全うしない場合、別途1,000万ドル(約15.8億円)を州に支払う条件も設けられたと説明している。

セルシウスは、利用者が預けた暗号資産に対して高い利回りを提供するレンディングサービスを運営していた。同州司法長官室は、マシンスキー氏が同社の安全性や利用者数、投資戦略について虚偽の説明を行い、ニューヨーク州の2万6,000人超を含む数十万人の投資家を欺いたとして、同氏を提訴していた。

同州司法長官室によると、同氏はセルシウスについて「銀行より安全」と繰り返し主張していた。しかし、同社には銀行と同様の厳格な規制が適用されておらず、利用者の資産は高リスクの投資戦略に使われていたという。同州司法長官室は、同氏がこうした投資で生じた損失を投資家に隠していたと説明している。

和解文書では、同氏はセルシウスが規制当局から承認を受けているかのような説明をしたことや、同氏によるセルシウスの独自トークン「CEL」の売却について重要な事実を開示しなかったことなどに関し、州法違反を認めている。

セルシウスは2022年6月に顧客の出金を停止し、同年7月に破産を申請した。マシンスキー氏は別途進められた連邦刑事事件で商品詐欺と証券詐欺の罪を認め、2025年5月に禁錮12年を言い渡された。同氏には約4,839万ドル(約76.6億円)の没収も命じられており、現在服役中だ。

なお同州司法長官室によると、セルシウスの破産手続きでは、2026年8月時点で債権者に34億ドル(約5,382億円)超が分配されている。

参考:ニューヨーク州司法長官室・和解文書・提訴時の発表・米司法省の量刑発表
画像:PIXTA

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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