マルチコイン・キャピタル、アジア向け無期限先物取引プラットフォーム「Trasia」に175万ドル出資

マルチコインによるハイリキエコシステム向け初のベンチャー投資

暗号資産(仮想通貨)分野に特化した投資会社マルチコイン・キャピタル(Multicoin Capital)が、アジア向けのパーペチュアル(無期限先物)取引プラットフォーム「トレイジア(Trasia)」を開発するトレイジア・ラボ(Trasia Labs)へ175万ドル(約2億8,400万円)を出資した。トレイジア共同創業者で、マルチコイン・キャピタルの元パートナーであるマーブル・ジアン(Mable Jiang)氏が7月17日に自身のXで発表した。

ジアン氏によると、トレイジアは5月に資金調達を開始し、6月に今回のシードラウンドを完了したという。調達手段や企業評価額、マルチコインが取締役またはオブザーバーの席を得たかどうかは公表されていない。

暗号資産メディア「ザ・ブロック(The Block)」によると、マルチコインは同ラウンドにおける唯一の投資家だという。今回の出資はマルチコインにとって、ハイパーリキッド(Hyperliquid)エコシステムで事業を展開するスタートアップへの初のベンチャー投資となる。

トレイジアは、利用者が自身の資産の管理権を保持する非カストディアル型の取引プラットフォームだ。分散型取引に特化したレイヤー1ブロックチェーン「ハイパーリキッド」を基盤とし、アジアの利用者を想定したモバイル中心の取引環境を構築する。

トレイジアのウェブ版はすでに中国語と英語で公開されており、ネイティブのモバイルアプリは8月に公開される予定だ。当初はハイパーリキッドで提供されている無期限先物市場を取り扱い、2026年内には「HIP-3」を活用した独自市場の開設を計画している。

なおHIP-3は、市場開設者(デプロイヤー)が現時点でハイパーリキッドのネイティブトークン「HYPE」50万枚をステークすることで、独立した証拠金管理や注文板を備える無期限先物DEXを展開できる仕組みだ。

トレイジアは独自市場で、アジアの株式などの価格を参照する無期限先物を提供する方針だ。最初に取り扱う銘柄は決定していないが、当初はAIインフラ関連企業のうち、上場を控える企業や、アジアの投資家から強い関心を集める企業を対象として検討している。

またジアン氏は、トレイジアによるHIP-3市場の立ち上げに向け、3,500万ドル超(約56.8億円超)相当のHYPEと米ドル建てステーブルコインのUSDCがコミットされていると説明した。この金額は175万ドルのシード調達額とは別であり、具体的な用途は明らかにされていない。

トレイジアは、2017年からWeb3領域で開発に携わってきたエジソン・チェン(Edison Chen)氏とジアン氏が5月に共同設立した。ジアン氏はマルチコイン退職後、Move-to-Earnアプリ「ステップン(STEPN)」を手掛けるファインド・サトシ・ラボ(Find Satoshi Lab:FSL)で最高収益責任者を務めた。トレイジアのチームは現在10人で、主に香港、台湾、東京を拠点としている。

マルチコイン共同創業者兼マネージングパートナー兼最高投資責任者のトゥシャール・ジェイン(Tushar Jain)氏は、ハイパーリキッドのエコシステムに長期的に強気だと述べ、トレイジアが今後、急速に市場シェアを獲得することへ期待を示した。

なおマルチコインは、トレイジアへの出資以前からHYPEに投資している。同社は6月25日に公表した分析で、2026年初頭からHYPEの大規模なポジションを構築し、その後も買い増していると説明した。6月25日の公表時点でHYPEは、同社のリキッドファンドにおける最大級の保有銘柄の一つだという。

参考:ザブロック
画像:PIXTA

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
副編集長
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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