バックパック、実物の米国株を24時間365日取引できる市場開始

実物株式とブロックチェーンを接続

暗号資産(仮想通貨)取引所バックパック(Backpack)が、対象地域の適格な海外投資家向けに、一部の実物米国株式を24時間365日取引できる市場の提供開始を7月10日に発表した。なお同サービスは、日本、米国、英国、アラブ首長国連邦、Backpack EUでは提供されていない。

バックパックは、今回の取り組みにより、対象となる海外投資家が米国市場の取引時間を待つことなく、一部の実物米国株式を売買できるようになると説明している。米国株式は通常、証券取引所の営業時間を中心に取引されるため、時間に制約されない取引環境を提供する取り組みとなる。

バックパックは6月2日、実物株式とトークン化証券を相互に転換できる証券プラットフォーム「バックパック・セキュリティーズ(Backpack Securities)」を発表していた。同プラットフォームは当初、実物株式を24時間・週5日取引できるサービスとして開始されており、今回、一部銘柄について24時間365日の取引に拡大された。

同社によると、今回提供されるのは、株価への連動のみを目的とした合成商品やデリバティブではなく、実物の米国株式を取引できるサービスとのこと。投資家は、ニューヨーク州統一商事法典(UCC)第8編に基づく、実物株式に対する証券権利(security entitlement)を取得し、従来の証券取引所の流動性を利用して取引できるという。

また今回の市場では、実物株式に対応するトークン化証券をブロックチェーン上でも利用できる。同社は、証券口座で保有する証券権利と、それに対応するトークン化証券を1対1で相互に転換できる仕組みを採用している。

これらのトークン化証券はソラナ(Solana)上で提供される。ユーザーはトークン化証券を24時間365日オンチェーンで取引できるほか、ウォレット間での移転やDeFi(分散型金融)サービスでの利用が可能になる。

また同社は、今回の市場の特徴として、「即時決済」、継続的な価格形成、法定通貨またはステーブルコインによる資金供給を挙げている。ただし発表文では、「即時決済」の具体的な仕組みについては明らかにしていない。

24時間365日取引の対象には、スペースX(SPCX)、マイクロン・テクノロジー(MU)、サンディスク(SNDK)などが含まれ、今後さらに銘柄を追加する予定だ。

バックパック共同創業者兼CEOのアルマーニ・フェランテ(Armani Ferrante)氏は、「市場インフラは、『資本は眠らない』というシンプルな考え方に向かっている」と述べた。また同氏は、今回の取り組みにより、海外投資家は市場が開くのを待つことなく、自らの判断に基づいて米国株式を取引できるようになると説明している。

なおバックパックは6月13日、スペースX株式に対応するトークン化証券「SPCX」の提供を開始していた。同社によると、「SPCX」はオンチェーンで取引されるスペースX関連のトークン化証券の中で、最も高い流動性と取引高を記録したという。同社は、この実績が、実物株式へ1対1で交換可能な商品に対する投資家需要を示すものだと説明している。

参考:プレスリリース
画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

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