米サークル、信託銀行設立の最終承認取得。「Circle National Trust」として運営へ

USDCインフラを連邦規制下で強化へ

米ドル建てステーブルコイン「USDC」を発行するサークル(Circle)が、連邦信託銀行「ファースト・ナショナル・デジタル・カレンシー・バンク(First National Digital Currency Bank)」の設立に向け、米通貨監督庁(OCC)から最終承認を取得したと7月10日に発表した。

今回の承認によりサークルは、デジタル資産の保管(カストディ)やUSDC準備資産の管理を、自社の連邦信託銀行で行う体制を整備する計画だ。

サークルが設立するファースト・ナショナル・デジタル・カレンシー・バンクは、預金を受け入れず、融資も行わない。一般的な商業銀行とは異なり、デジタル資産のカストディや信託業務を担う連邦信託銀行となる。同銀行は「サークル・ナショナル・トラスト(Circle National Trust)」として運営される予定だ。

サークル・ナショナル・トラストは開業後、まずサークルおよび関連会社向けにデジタル資産のカストディサービスを提供するという。またサークルは、必要に応じて銀行や規制対象のデリバティブ関連組織など、限定された機関顧客向けにも同銀行サービスを直接提供する可能性を示している。

さらに同銀行では、「USDC」の価値を裏付ける現金や米国債などの準備資産を将来的に管理することが計画されている。サークルは、これらの資産を連邦規制当局の監督下にある同銀行で管理することで、安全性や透明性、信頼性の向上につながると説明している。

サークル共同創業者兼会長兼CEOのジェレミー・アレール(Jeremy Allaire)氏は、今回の最終承認について、ブロックチェーン技術とデジタル資産を米国金融システムの中核へ組み込む重要な一歩になると説明した。また同氏は、連邦監督下のトラスト・バンクにより、同社インフラの透明性やガバナンス、規模に関する新たな基準を確立できるとの考えを示した。同氏によると、これにより金融機関が明確性と信頼を持ってパブリックブロックチェーン上にサービスを構築できる、新たな普及段階を切り開くという。

なお、近年では、米決済大手ストライプ(Stripe)傘下のブリッジ(Bridge)とリップル(Ripple)が、新設する連邦信託銀行についてOCCから予備的条件付き承認を受けている。一方、ビットゴー(BitGo)は州信託会社から連邦信託銀行への転換をすでに完了した。また、ワールドリバティ・ファイナンシャル(World Liberty Financial:WLFI)関連のワールド・リバティ・トラスト・カンパニー(World Liberty Trust Company)は、2026年1月に連邦信託銀行の新設を申請した。こうした企業は、デジタル資産のカストディやステーブルコイン準備資産の管理などを、連邦規制の枠組みの下で提供する動きを進めている。

こうした動きの背景には、2025年に成立したステーブルコイン規制法「ジーニアス法(GENIUS Act)」がある。同法では、決済用ステーブルコイン発行体に対する連邦規制の枠組みが整備されており、サークルも昨年の認可申請時から、v当時法案段階だったGENIUS法案の想定要件への対応を目的の一つに掲げていた。今回の最終承認は、その取り組みをさらに前進させるものとなる。

参考:サークル
画像:Reuters

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

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