合併前評価額は12億ドル
デジタル資産特化の資産運用会社コインシェアーズ(CoinShares International)が、上場特別目的買収会社(SPAC)のヴァインヒル(Vine Hill Capital Investment Corp.)との合併を通じ、米株式取引所ナスダック(Nasdaq)へ上場すると9月8日に発表した。発表によれば今回の取引の合併前評価額は12億ドル(約1,764億円)となっており、主要機関投資家による5,000万ドル(約73.5億円)の普通株投資が確約されているという。
また、コインシェアーズの暗号資産上場商品(ETP)の運用資産額は、ブラックロック(BlackRock)、フィデリティ(Fidelity)、グレースケール(Grayscale)に次ぐ世界第4位であり、EMEA地域では34%のシェアで首位に立っている。今回の取引を通じて、コインシェアーズは、世界的に有数の上場デジタル資産運用会社として位置づけられる見込みだ。
英国王室属領のジャージーに本社を置くコインシェアーズは、現在はスウェーデンのナスダック・ストックホルムに上場している。コインシェアーズは以前より、米国での上場準備を進めていた。
コインシェアーズのCEO兼共同創業者ジャン=マリー・モグネッティ(Jean-Marie Mognetti)氏は、「本取引はスウェーデンから米国への上場場所の変更以上の意義を持ち、戦略的転換を示す。規制環境の後押しを得てグローバルリーダーシップを目指す当社の野心を加速させる」と述べ、「投資対象としてのデジタル資産と、変革技術としてのブロックチェーンの価値は転換点に達しており、もはや無視することはできない」とコメントしている。
コインシェアーズは、10年以上にわたり構築・洗練された欧州でのノウハウを活かし、米国投資家向けに、暗号資産ETP(ビットコイン、イーサリアム、ソラナ、その他アルトコイン)、暗号資産指数ETP、広範なデジタル資産エコシステムを対象とした株式商品といったプロダクト群を提供するとした。
取引完了時、コインシェアーズとヴァイン・ヒルの証券保有者は、新設されるオデュッセウス・ホールディングス・リミテッド(Odysseus Holdings Limited)の株式と保有証券を交換する。両社の取締役会は、株主および規制当局の承認ならびにその他の慣例的条件を前提に、この事業統合を満場一致で承認しており、2025年第4四半期末までの完了を見込んでいる。
参考:発表
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