BTC売却代金をAIデータセンター関連投資に充当へ
東証グロース上場のイオレ(eole)が、保有する暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)151.21BTCの全量売却と、新株予約権による調達資金の使途変更を10月30日に発表した。売却代金はAIデータセンター(DC)やAI計算力の提供、ネオクラウド事業への投資に優先的に充てるとのこと。
売却は暗号資産交換業者を通じた市場売却で、分割売却も含む。売却期間は10月30日から11月末までを予定。売却代金は12月初旬にAIデータセンター関連投資へ充当する計画だ。
売却見込額は、10月30日時点の時価に基づく18億3,100万円。9月30日時点の時価評価後の帳簿価額は20億8,500万円で、約2億5,400万円の売却損を見込む。この損失は2027年3月期第3四半期の売上原価に計上する予定だ。なお、売却額と売却損の見込額は、ビットコインの市場価格によって変動する。
イオレは今回の判断について、サイバー脅威の拡大などの環境変化を踏まえ、資産保有と事業投資それぞれのリスクや価値創出の可能性を改めて評価し、資本配分を見直したと説明。自社の技術や事業基盤を活用できるAI関連事業への投資を優先するという。
あわせてイオレは、2025年9月に発表した第14回・第15回新株予約権に関する資金使途を変更する。デジタルアセットの購入に充てる額を84億9,000万円から78億9,000万円へ6億円減額し、AIデータセンター関連投資に充てる額を20億円から26億円へ増額する。ネオクラウド事業の具体化に伴い、AI計算力の提供や事業化に必要な資金が増える見込みとなったためだ。
変更後のAIデータセンター関連投資26億円の内訳は、既に充当した6億円、今回のBTC売却代金の見込額18億3,100万円、今後の新株予約権行使による充当予定額1億6,900万円となる。
一方、イオレは2026年7月から取得している、デリバティブ取引プラットフォーム「ハイパーリキッド(Hyperliquid)」の暗号資産HYPEについては、保有を継続する方針を示している。
また、代表取締役社長兼CEOの瀧野諭吾氏は同日の自身のXで、今回の売却は暗号資産レンディングサービス「らくらくちょコイン」の資産保全状況とは別の、イオレの資本配分に関する判断だと説明している。
さらに瀧野氏は同投稿への返信で、暗号資産レンディング事業を継続することも明らかにした。また、中長期の金融事業の成長戦略は、AIの普及に伴う環境変化を踏まえて軌道修正する方針を示し、詳細は適切なタイミングで改めて説明するとしている。
イオレは、今回の売却による業績への影響について、他の要因も踏まえて変更が生じる場合は、11月16日に公表予定の2027年3月期第2四半期決算短信で公表するとしている。
本日、当社が保有するビットコインの売却及び資金使途の変更について開示しました。 先ほどリポストした「らくらくちょコイン」の資産保全状況とは別に、当社の資本配分に関する判断です。 イオレは、AIインフラと、その上に形成される新たな産業構造、社会の変化から生まれる価値を事業の対象としています。 足元の環境変化と成長機会を踏まえ、当社の技術・事業基盤を活かして価値創出を進められるAIデータセンター・ネオクラウド事業への投資を優先します。 https://t.co/fiCnHP1EpY
— Yugo Takino | イオレ代表取締役社長(2334) (@yugo_tt) October 30, 2026
参考:イオレ
画像:PIXTA