ソラナDEX「Orca」と融資プロトコル「Loopscale」の運営チームが合併、新組織「Formation」でトークン化資産市場の構築へ

OrcaとLoopscaleの運営チームが合併、取引・融資・資産運用機能を統合

ソラナ(Solana)基盤の分散型取引所(DEX)「オルカ(Orca)」と融資プロトコル「ループスケール(Loopscale)」の両運営チームが合併し、新組織「フォーメーション(Formation)」として事業を展開する。オルカ・マネジメント・カンパニー(Orca Management Company S.A.)が10月8日に発表した。

両プロトコルの取引・流動性インフラと融資・資産運用インフラを統合し、トークン化資産の発行から流通、融資、投資家への提供までを一体的に支援するプラットフォームを構築する。さらに、米国の規制対象資本市場への参入も目指すという。

オルカは、ソラナ上で暗号資産(仮想通貨)の交換や流動性提供を可能にするDEXだ。一方、ループスケールは、借り手と貸し手をオーダーブックを通じてマッチングし、固定金利での融資や、ボールトと呼ばれる資産運用機能を提供するプロトコルだ。

資産をトークン化しても、それだけで投資家が売買できる市場や、資産を担保に融資を受けられる仕組みが整うわけではない。そのため、資産発行体はこうした機能を異なる事業者を通じて確保する必要があり、それぞれの審査や技術的な接続、契約などが負担となっている。

フォーメーションは、こうした課題に対応するため、両プロトコルの機能を組み合わせる。具体的には、オルカがトークン化資産の二次取引を支え、ループスケールが貸し手の設定した資産ごとの条件に基づく固定金利融資や、複数の運用戦略を利用できるボールトを提供する。また、融資では、許可された参加者のみが扱える資産や、オルカの流動性提供ポジションなども担保として利用できるとのことだ。

フォーメーションは、こうしたインフラの統合により、資産の組成、流通、資金調達にかかるコストを削減する方針だ。発表では、500万ドル(約7億9,000万円)規模の資金調達でも5,000万ドル(約79億円)規模の案件と同様の審査や法務、管理などの費用が必要になる場合があると指摘している。こうした固定費を削減することで、従来の資本市場では採算が合いにくかった小規模な資産発行を可能にすることを目指す。

フォーメーションは特に、AI、エネルギー、ロボティクス、防衛などの分野で拡大する資金調達需要への対応を掲げている。発表では、米資産運用会社アポロ(Apollo)の推計として、AIインフラだけでも2028年までに約3兆ドル(約475兆円)の資金が必要となり、その半分以上を外部資本で賄う必要があると説明された。

また、両チームはフィギュア(Figure)、新韓アセットマネジメント(Shinhan Asset Management)、スーパーステート(Superstate)、R3、セキュリタイズ(Securitize)とすでに協力しており、新たな資産の市場投入と流通拡大に取り組んでいるという。

既存プロトコルの利用実績について、発表によると、オルカの2021年以降の累計取引高は5,500億ドル(約87兆円)を超える。一方、ループスケールは累計20億ドル(約3,163億円)を超える融資を仲介しており、現在の預入資産は1億5,000万ドル(約237億円)を超えているとのことだ。

統合後のフォーメーションは米ニューヨーク市に本社を置き、ループスケール共同創設者のルーク・トルイット(Luke Truitt)氏が最高経営責任者(CEO)を務める。また、メアリー・グーネラトネ(Mary Gooneratne)氏が最高執行責任者(COO)、クリストファー・モンタガノ(Christopher Montagano)氏が最高戦略・法務責任者に就任する。

なお、今回の合併によって、オルカとループスケールの既存サービスの利用方法は変更されない。両アプリケーションは従来どおり運営され、既存の取引ポジション、融資、ボールトへの預入資産にも影響はないという。両プロトコルは引き続き、フォーメーションのプラットフォームと「ORCA」および「xORCA」のトークンネットワークの基盤となる。

フォーメーションは今後、資産発行体向けの金融商品組成・発行ツールや、投資家向けの資本配分戦略を開発する。また、融資、マーケットメイク、ボールト管理の機能を拡張し、債券や株式などの新たなトークン化資産への対応を進める方針だ。

さらに、フォーメーションは米国の規制対象資本市場への参入に向け、米証券取引委員会(SEC)が9月17日に発表した「イノベーション免除(Innovation Exemption)」の活用を計画している。同制度は、一定の条件を満たすトークン化証券の取引施設などについて、取引所などに適用される規制の一部を5年間免除する措置だ。フォーメーションは、この枠組みの下でトークン化証券取引施設の運営を目指すとともに、サービス拡大に必要なライセンスの取得を進める考えだ。

 画像:PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

渡邉洋輔

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

「あたらしい経済」編集部 記者
ブロックチェーンおよびデジタル資産分野を専門とし情報発信を行っている。オンチェーンデータや流動性構造など、市場設計の観点からのリサーチにも取り組んでいる。

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