VisaがBraleと機関向けステーブルコイン清算を検証
決済大手のビザ(Visa)が、ステーブルコインインフラ企業のブレイル(Brale)と共同で、機関向け決済フローにおけるステーブルコインベースの清算に関する概念実証(PoC)を実施すると6月4日に発表した。
両社は、ブレイルが発行する米ドル連動ステーブルコイン「SBC」を利用し、カントンネットワーク(Canton Network)上でステーブルコイン清算を検証する。
今回利用されるSBCの時価総額は約880万ドル(約14.0億円)で、USDTやUSDCと比べると小規模なステーブルコインだ。コインゲッコー(CoinGecko)のデータによると、USDTの時価総額は約1,873億ドル(約30.0兆円)、USDCは約756億ドル(約12.1兆円)となっている。
両社は、同ステーブルコインを用いて金融機関や決済事業者が機密性の高い清算取引データの公開範囲を管理しながら、より高速でプログラム可能な清算を実現できるかを評価するという。
今回の実証実験では、カントンネットワークのプライバシー機能が焦点となる。ビザによると、ステーブルコインの利用が拡大するなか、金融機関はプライバシーやコンプライアンス要件を満たしながらブロックチェーンベースの清算を活用する方法を模索しているという。
ビザは今回の協業を通じて、SBCを機関向け清算における新たなステーブルコインの選択肢として評価する予定だ。ブレイルによるとSBCはカントンネットワーク上でネイティブに利用できるステーブルコインであり、両社は実際の決済フローにおける活用可能性を検証するとのことだ。
なお、カントンネットワークは、規制対象の金融機関の要件を満たすよう設計された、プライバシー対応のブロックチェーンネットワークだ。共有インフラ上で取引を行いながら、機密性の高い取引情報の可視性を制限できる仕組みを特徴としている。
また、ブレイルは、企業向けに法定通貨連動型ステーブルコインの発行・運用基盤を提供する企業だ。同社は発行、償還、コンプライアンス管理、準備金管理、ブロックチェーン相互運用性などのインフラを提供している。
決済領域では「ペイメント(payment)」、「クリアリング(clearing)」、「セトルメント(settlement)」がそれぞれ異なる工程を指す。たとえばカード決済では、顧客が店舗でカードを利用して支払う行為が「payment」にあたる。その後、カード会社や加盟店契約会社などの間で取引情報を照合し、必要な金額を確定する工程が「clearing」だ。そして最終的に、関係する金融機関の間で資金を移動し、取引を完了させる工程が「settlement」、つまり清算にあたる。
今回のビザとブレイルの実証は、消費者がSBCで買い物をするような決済利用を想定したものではなく、機関向け決済フローの裏側にある清算工程にステーブルコインを活用できるかを検証するものだ。
.@Visa and @Brale_xyz are exploring stablecoin-based settlement using SBC on Canton.
— Canton Network (@CantonNetwork) June 4, 2026
The proof of concept evaluates how privacy-enabled infrastructure can support institutional payment flows while maintaining control over sensitive transaction data.
→ https://t.co/BZwMDPc8ns pic.twitter.com/QaP5gzuWzP
Today we’re announcing a collaboration with @Visa to explore a key question in institutional stablecoin adoption:
— brale (@brale_xyz) June 4, 2026
How do you get the speed and programmability of blockchain settlement while preserving privacy? pic.twitter.com/BqqTDFsRXf