メタマスクが米ドルステーブルコイン「mUSD」発行へ、イーサリアムとリネアで、自己保管型ウォレットで初

MetaMaskがステーブルコイン発行へ

Web3ウォレット「メタマスク(MetaMask)」が、独自ステーブルコイン「メタマスクUSD(mUSD)」の提供開始予定を8月21日に発表した。セルフカストディ(自己保管)型ウォレットが独自ステーブルコインを立ち上げるのは初だという。

mUSDはメタマスクに統合される米ドル建てステーブルコインとのこと。同トークンは、今年後半にイーサリアム(Ethereum)とリネア(Linea)上で提供開始される予定だという。まずはリネア上の分散型金融(DeFi)エコシステムに統合され、同エコシステムの貸付市場や分散型取引所(DEX)などで利用可能になる見込みとのこと。

なおリネアは、メタマスクなどを提供する米コンセンシス(Consensys)がゼロ知識証明(zero-knowledge proof:zkp)を用いて開発したレイヤー2スケーリングソリューション。同ソリューションは2024年8月にメインネットローンチした。

ユーザーは、mUSDをメタマスク内のオンランプ(法定通貨から暗号資産への変換プロセス)やスワップ、送金、クロスチェーンブリッジに利用できるという。

またmUSDは、マスターカード(Mastercard)加盟店で利用できるメタマスクカード(MetaMask Card)にも年末までに対応する予定とのこと。メタマスクカードはデビットカードのように機能し、支払い時にはメタマスク内の暗号資産が使用できるマスターカードだ。

なおmUSDの発行は、企業向けステーブルコイン決済プラットフォーム提供のブリッジ(Bridge)が担うとのこと。またmUSDの技術基盤には、分散型ステーブルコイン基盤エムゼロ(M0)の技術が利用されるという。

具体的には、ブリッジがmUSDの発行およびオーケストレーション(管理の自動化)を担い、コンプライアンスやライセンス管理、準備金の管理を行うとのこと。

そしてエムゼロは、クロスチェーン相互運用性や拡張性、透明性を備えた分散型ステーブルコイン基盤を提供し、mUSDを米ドルと1:1で裏付けるとのことだ。

なおメタマスクは直近の8月19日に、レイヤー1ブロックチェーンのトロン(Tron)へのネイティブ対応予定を発表した。

参考:メタマスク
画像:iStocks/Who_I_am・designprojects

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この記事の著者・インタビューイ

一本寿和

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。

「あたらしい経済」編集部
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