トレードワルツとマインハブ、ブロックチェーンで住友商事の銅輸入実証実験

トレードワルツとマインハブがデジタル化連携の実証実験

貿易情報連携プラットフォーム「TradeWaltz(トレードワルツ)」 と金属資源貿易プラットフォーム「MineHub(マインハブ)」が、3月23日にデジタル化連携の実証実験を実施していたことが分かった。

2社の連携により、伝統的な住友商事の銅鉱石輸入取引が、どの程度効率化できるかの検証が行われたという。

発表によるとその結果、60%の業務効率化の可能性が実証されたとのことだ。

トレードワルツとマインハブは両プラットフォーム連携に向けた協業開始を4月7日に発表。今回の実証実験は協業第1弾として実施された。そしてその結果は、4月7日に国際商業会議所の英国委員会が主催するデジタル貿易カンファレンスでも報告されたとのことだ。

「TradeWaltz」は、貿易業務における紙書類の処理プロセスなどを簡略化し、業務の効率化をするブロックチェーン活用のプラットフォームだ。導入により44~60%の業務効率化の他、リモートワークの促進もできるという。なお「TradeWaltz」にはエンタープライズ向けブロックチェーン基盤である「Hyperledger Fabric(ハイパーレッジャーファブリック)」が採用されている。

「TradeWaltz」を提供するトレードワルツ社はNTTデータ、三菱商事、豊田通商、東京海上日動火災保険、三菱UFJ銀行、兼松、損害保険ジャパンの大手7社の共同出資によって2020年4月に設立され、同年11月に貿易のデジタル化、DXを目標に事業開始している。その後伊藤忠商事や双日、住友商事、三井物産、富士フィルム、三井住友銀行、NEC、ブルボンなどがトレードワルツのコンソーシアムに参加し、今年2月には会員数100を突破した。

またマインハブは昨年5月、シンガポール拠点の貿易金融企業であるコントゥール(Contour)と両社のプラットフォーム統合利用について提携を行っている。

この提携により、マインハブでのトランザクションデータがコントゥールのネットワークにシームレスに流れ、API接続を利用してデジタル信用状を作成することが可能になる。それによりマインハブのコンソーシアムに参加する鉱山会社はコントゥールのコンソーシアムに参加する中国銀行、Citi、DBS、HSBCなどの銀行からなる貿易金融ネットワークより融資を受けられるようになるとのことだ。

なおコントゥールはR3社のエンタープライズ向けブロックチェーン「Corda(コルダ)」によって稼働しており、マインハブはIBMが主導するエンタープライズ向けブロックチェーン「Hyperledger Fabric(ハイパーレジャーファブリック)」を基盤に利用している。

関連ニュース

貿易金融コントゥールと金属鉱業マインハブ、両ブロックチェーンソリューション統合へ向け提携

貿易情報連携のトレードワルツ、製品版リリースへ

トレードワルツ「貿易コンソーシアム」、会員企業が100社に拡大

トレードワルツ、タイの貿易プラットフォーム「NDTP」と連携へ

【取材】東京海上、トレードワルツら、貿易決済にデジタル通貨活用。来年度事業化へ向け実証実験


参考:トレードワルツ
デザイン:一本寿和

images:iStocks/shironosov・Tryaging

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

【10/24話題】ベトナムでブロックチェーンが国家戦略に、JOCのバリデーターにはてな参画など(音声ニュース)

ベトナムでブロックチェーンが国家戦略に。国際的地位の確立目指す、EVM互換の国産ブロックチェーン「Japan Open Chain」、バリデータにはてな参画、ナイジェリア裁判所がバイナンス幹部の釈放を命令、告訴取り下げ受け、テスラ、保有する1184億円相当のビットコインを新たなウォレットへ移す、アバランチ、暗号資産決済用Visaカードをローンチ、マジックエデンがApeChainの対応開始、BeraChainにも対応予定、DMM Cryptoが新機能「SMP Trade」提供開始、ゲームプレイで暗号資産の獲得可能に、web3決済インフラ「Transak」、フィッシング攻撃により個人情報を流出

【10/23話題】OKJにアイオーテックス(IOTX)上場へ、コマイヌがシンガポールの暗号資産カストディ事業者を買収へなど(音声ニュース)

国内初、OKJに「アイオーテックス(IOTX)」上場へ 、ビットフライヤー、イーサリアム上の「ポリゴンエコシステムトークン( POL )」取扱いへ、野村証券らのコマイヌ、シンガポールの暗号資産カストディアンPropine Holdings買収へ、UAEのラス・アル・ハイマ首長国、DAO規制フレームワーク「DARe」発表=報道、JPYC、韓国IT大手ITCENとステーブルコインの共同研究を開始、JCBと富士通らが共同で「中銀デジタル通貨」活用の異なるキャッシュレスサービス間での取引実現に向け、WP公開、エイプコイン独自チェーン「ApeChain」メインネットと公式ブリッジ公開、APE価格上昇、DEX「Jupiter」、ソラナ上のミームコイン取引特化の「Ape Pro」立ち上げ、ぷらっとホームら6社、Web3技術活用の日本酒流通の実証事業実施へ