ビットコイン大幅上昇、米財務省の長期国債買い戻し拡大表明、米国暗号資産規制の明確化期待、ショート清算等で(仮想通貨市場レポート 8/24 号)

今週もSBI VCトレード提供の暗号資産(仮想通貨)に関するウィークリー・マーケットレポートをお届けします。

8/16~8/22週のサマリー

  • 米財務省が、流動性支援目的の長期国債買い戻しについて、1回あたりの上限を現行の20億ドルから「少なくとも40億ドル」へと倍増させる方針を表明
  • 19日に暗号資産市場全体で約30億ドル規模の大規模清算
  • トランプ大統領がクラリティ法案の成立を議会に要請
  • ビットコイン現物ETFに5営業日で約19億2,000万ドルの資金が流入

暗号資産市場概況

8/16~8/22週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比+21.51%の12,212,650円、ETH/JPYの週足終値は同+27.5%の382,500円(※終値は8/22の当社現物EOD[8/23 6:59:59]レートMid値)。

先週の暗号資産市場は、米財務省による長期国債の買い戻し拡大表明を受けた一時的な金利低下やドル安に加え、ビットコイン現物ETFへの継続的な資金流入、米国における暗号資産規制の明確化への期待、さらにショートポジションの清算に伴う買い戻しが重なり、ビットコインを中心に大幅な上昇となった。

週初、ビットコイン価格は米国のビットコイン現物ETFへの資金流入を背景に上昇し、65,000ドル台まで値を切り上げた。8月17日、18日の2営業日では、ビットコイン現物ETFに合計約4億8,686万ドルの資金が流入し、機関投資家による買い需要が相場を下支えした。

週央19日、米財務省が残存10〜20年債および20〜30年債を対象とする流動性支援目的の買い戻しについて、1回あたりの上限を現行の20億ドルから「少なくとも40億ドル」へと倍増させる方針を表明した。これを受けて米国の長期金利が一時的に低下するとともに、ドル安が進行し、ゴールドや暗号資産などへの資金流入が強まった。また、トランプ大統領が暗号資産業界およびテクノロジー業界の幹部らをホワイトハウスに招いて協議を行い、暗号資産の規制枠組みを明確化する「CLARITY Act(クラリティ法案)」の成立を議会に要請したことや、CFTCが分散型デリバティブ取引所「Hyperliquid」を合法かつ規制に準拠した形で米国市場へ導入する取り組みを進めていることなども伝わり、米国における暗号資産の制度整備が進展するとの期待が高まった。

こうした材料を背景にビットコインの上昇が加速すると、暗号資産市場ではショートポジションの清算が相次いだ。CoinGlassによると、19日の24時間で暗号資産市場では約30億ドルのポジションが清算され、このうちショートポジションが約27億4,000万ドルを占めた。こうしたショートポジションの清算に伴う買い戻しが相場上昇をさらに加速させ、ビットコインは70,000ドル台まで上昇した。

20~21日にかけても、米国のビットコイン現物ETFへの資金流入が継続した。両日合計で約9億1,374万ドルの資金が流入し、5営業日連続の純流入を記録。17~21日の5営業日では合計約19億2,000万ドルの資金が流入し、機関投資家による買い需要が相場を下支えするなか、ビットコインは70,000ドルを大きく上抜け、一時79,000ドル台まで上昇し、最終的には76,000ドル台後半で取引を終える結果となった。

今週は、8月28日に予定されているジャクソンホール会議でのウォーシュFRB(米連邦準備制度理事会)議長による講演に最大の注目が集まる。足元では、長期債の流動性支援目的の買い戻し枠拡大を表明する一方、[so1] ウォーシュ議長は「市場原理と価格発見機能を尊重する」姿勢を崩しておらず、両者間のスタンスの違いに市場の視線が集まっている。インフレ警戒感を維持するウォーシュ議長が、長期金利の上昇にどこまで配慮し、財務省との対話や政策の役割分担についてどのような見解を示すかが焦点となる。

また、NVIDIA決算で注視されるのが、金融大手やファンド等と連携した大規模な「GPU購入支援枠組み」だ。NVIDIAは顧客がGPUを担保にして融資を受けられる仕組みを整え、スタートアップのGPU導入ハードルを下げて自社売上を急速に拡大させている。

これは、外部資本を活用して顧客の資金調達を支援し、AIインフラ需要を喚起する戦略であるが、同時に重大な懸念も抱えている。AI投資の熱狂が冷め、GPUの中古市場価値が暴落したり、顧客の事業が破綻したりした場合、担保価値が損なわれるからだ。顧客側のデフォルト(債務不履行)が多発するような事態となれば、NVIDIAの将来的な受注急減やAIエコシステム全体の連鎖的な失速に繋がるリスクも警戒する必要がある。

1) BTC/USD週間チャート(30分足)

TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成

2) BTC/JPY週間チャート(30分足)

TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成

3)米BTC現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計(週足)、BTC価格

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 橙線がBTC価格)SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成

4)米ETH現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計(週足)、ETH価格

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 橙線がETH価格)SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成

5)米XRP現物 ETF の資金流入出と運用資産残高合計(日足)、XRP価格

(緑・赤のバーが資金流入出 / 白線が運用資産残高合計/ 橙線がXRP価格)SoSoValue提供のチャートより SBI VC トレード株式会社 市場オペレーション部作成

8/16~8/22週の主な出来事

8/23~8/29週の主な予定

【今週のひとこと】 CLARITY法案を待たずに進む米国の暗号資産規制整備

米国では、暗号資産市場に対する規制整備の動きが一段と具体化しています。米証券取引委員会(SEC)は18日、暗号資産に関する一定の投資契約を対象とした新たな規則案「Regulation Crypto Assets」を公表しました。同規則案は、暗号資産を用いた資金調達について、既存の証券規制をそのまま適用するのではなく、暗号資産市場の特性に合わせた開示・登録免除制度を設けることを目的としています。

今回のSEC案では、一定の条件を満たす暗号資産関連の投資契約について、少額の資金調達を可能にする免除制度や、より大規模な資金調達に対応する制度が示されました。また、発行体が当初約束した開発・運営上の重要な取り組みを完了、または恒久的に終了した場合に、当該暗号資産が投資契約として扱われなくなる可能性を示す「セーフハーバー」も盛り込まれています。これは、これまで曖昧さが残っていた「暗号資産そのもの」と「暗号資産に紐づく投資契約」の関係を整理しようとする動きといえます。

一方、米商品先物取引委員会(CFTC)も、暗号資産市場の市場構造整備に向けた姿勢を強めています。20日に開催されたCFTCのInnovation Advisory Committeeにおいて、Michael Selig委員長は、CLARITY法案が停滞する場合でも、CFTCが既存の権限を用いて暗号資産市場に関する制度整備を進める可能性に言及しました。具体的には、暗号資産取引所をCFTCの監督下にある市場として位置付け、レバレッジ取引や証拠金取引を一定のルールの下で提供できる枠組みを検討する考えが示されています。これまで米国の暗号資産業界では、暗号資産が証券と商品のどちらに該当するのかという監督当局間の線引きが大きな不透明要因となってきました。CLARITY法案はこの点を明確化する包括的な市場構造法案として注目されていますが、議会審議はなお流動的です。そのため、今回のSECおよびCFTCの動きは、議会による包括法制を待つだけでなく、既存法の枠内でも暗号資産市場に一定のルールを整備しようとするものと捉えられます。

暗号資産市場にとって、規制強化は短期的にはコンプライアンス負担の増加につながる可能性があります。しかし、中長期的には、発行体、取引所、投資家にとってルールの明確化が進むことで、機関投資家の参入やオンチェーン金融サービスの発展を後押しする要因にもなり得ます。日本でも金融庁が「暗号資産・ステーブルコイン課」を新設するなど、暗号資産を金融インフラの一部として位置付ける動きが進んでいます。日米双方で制度整備が進展する中、今後の暗号資産市場では、価格動向だけでなく、規制の明確化が市場の成熟度を測る重要な材料となっていきそうです。

このレポートについて

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この記事の著者・インタビューイ

SBI VCトレード

SBIグループの暗号資産取引所「SBI VCトレード」。SBIグループの掲げる顧客中心主義の理念のもと、お客様の満足度向上に資する暗号資産取引に係るサービスをフルラインナップでご提供してまいります。

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