相次ぐビットコイン等のETF上場の判断延期、JPモルガン採用でアバランチ上昇(暗号資産 週間マーケットレポート 11/20号)

11/12~11/18週のサマリー

  • BlackRockを騙ったXRP現物ETFがデラウェア州に登録申請され、XRPが±15%程度の乱高下
  • SEC、Grayscaleによるイーサリアム先物ETF及びHashdexによるビットコイン現物ETF、イーサリアムETF(現物・先物混合)の上場判断を延期
  • PolygonでPRC-20の誕生に伴い、トランザクション数が急増しガス代が高騰

暗号資産市場概況

11/12~11/18週におけるBTC/JPYの週足終値は前週比▲2.42%の5,475,950円、ETH/JPYの週足終値は同▲5.36%の293,745円であった(※終値は11/18の当社現物EOD[11/19 6:59:59]レートMid値)。

先週の暗号資産市場は、ETF動向に多くの市場参加者が注目する状況下で、BlackRock社がXRP現物ETFをデラウェア州に登録申請したとの報により、XRP価格が一時約10%上昇。その後、情報がフェイクである(何者かがBlackRock社を騙って申請を行った)と判明すると、XRP価格は高値から約15%の下落を見せる波乱の幕開けとなった。本件を受けて市場全体でリスクオフが進み、ビットコイン価格は約6%調整、$35,000を割り込んだ。

調整後はビットコイン・イーサリアムのETF上場申請の“判断延期”が相次いだ。Grayscale社によるイーサリアム先物ETF(17日期限)、Hashdex社によるビットコイン現物ETF・イーサリアムETF(現物・先物混合,  ともに17日期限)が延期され、続いてFranklin社(17日期限)とGlobal X社(21日期限)のビットコイン現物ETFが延期された。年内に期限を迎えるビットコイン現物ETFの申請は全て2024年に延期となった格好だ。ビットコイン現物ETFの次回期限は、先週延期されたHashdex社とFranklin社(ともに24年1月1日期限)であるが、より意識されるのは次回が「最終判断」となる21Shares & ARK(24年1月10日期限)ではないだろうか。

その他銘柄では、アバランチの価格が、週間約+30%と特筆すべきパフォーマンスを見せた。J.P.MorganとApollo Globalによるブロックチェーンプラットフォーム「Onyx」が、シンガポール金融管理局の「プロジェクト・ガーディアン(資産のトークン化・分散型金融におけるアプリケーションの実現可能性を模索する試み)」において、アバランチの金融機関向けサブネット「エバーグリーン」に接続し、概念実証を行った影響だ。Onyxは併せて『ウェルスマネジメントの未来』と題した大作レポートを15日に公開しているため、関心のある方は参照されたい。

今週は、BTCが37,000ドルを固めることができるかに注目したい。失速するようであれば調整局面を迎える可能性がある中で、FOMC議事要旨公表や米11月製造業PMIといった重要イベントも控えており、ETF関連のヘッドラインとともに実体経済の動向にも注意していきたい。

BTC/USD週間チャート(30分足)

TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成

BTC/JPY週間チャート(30分足)

TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成

AVAX(赤), XRP(青), BTC(白), ETH(黄) 週間騰落率比較

TradingView提供のチャートにてSBI VCトレード株式会社 市場オペレーション部作成

11/12~11/18週の主な予定

11/19~11/25週の主な出来事

今週のひとこと「期待と機会のエリア~Saudi Arabia~」

サウジアラビア(以下、サウジ)は2016年4月「Vision 2030」を策定し、国をあげてGDPにおける原油産業の比率を下げ、Non-Oil産業(特に製造業や運輸業、金融など)への転換に取り組んでいます。2000年から2022年まで約469%の非原油実質GDP(Non-oil real GDP growth)増加がVision 2030の背景の一つと見られます( IMF調べ、Saudi Arabia: 2023、4Page[i])。日本とサウジは去年12月、サウジの首都リヤドにおいて「日・サウジ・ビジョン2030ビジネスフォーラム」を開催し、脱炭素や製造業、観光といった得意分野の対サウジ投資を計画しています。その規模は2030年まで3兆3,000億ドルにのぼる推算[ii]です。

特に期待と機会のエリアとして挙げられるもう一つの背景には、推進する政策のみならず、サウジという国の構造にあります。人口の38.3%が移民者となっており、FDI(外国人直接投資)を促進する新たな投資規制緩和も極めてメリットに働きます(国連貿易開発会議(UNCTAD)調べ[iii])。尚、4つの経済特区(SEZ[iv])を設け、20年間法人税を5%に固定、SEZで生まれた利益を外国に送る(源泉税)の免除など、様々な産業や分野のビジネス現地化へアドバンテージを付与しています。一方、 「Nitaqat Program」という自国民雇用が義務化されており、自国の競争力を確実に上げようとするサウジの狙いも読み取れます。

暗号資産業界からもサウジに期待が寄せられており、サウジ中央銀行は去年の9月に暗号資産責任者を任命しました。隣国のUAE、バーレーンが中東の暗号資産ハブを掲げていることに対しての人選と捉えられます。実際ドバイで知られるUAEでは、国として暗号資産事業者のライセンス申請を今年の4月から受け付けています[v]。サウジの暗号資産マーケットには既にBinanceが約39%[vi]のシェアを持ち、Gate.ioやOKXが次点となっています。暗号資産マーケットは9社で約88%を占有しており、機会を見て今後も活発な新規参入が予想されると言えます。

※注釈
[i] IMF(International Monetary Fund)、 Saudi Arabia: 2023 Article IV Consultation-Press Release; Staff Report; and Informational Annex、2023年9月6日

[ii] 日本貿易振興機構(JETRO)、ビジネス短信、2022年12月28日 

[iii] 全ての国へ対するFDI促進(Expands investor e-visa to all countries to facilitate FDI)、2023年11月6日

[iv] Special Economic Zonesの略語 

尚、クラウド・コンピューティング産業に関しては税金減免は該当しない。 

[v] Coindesk Korea、2023年4月19日 

[vi] StatistaのMarket Insights、Cryptocurrencies-Saudi Arabia  

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