ゆうこすの『共感SNS』から学ぶ、仮想通貨やブロックチェーンを広めるためにすべきこと PoT #05-2 ゆうこす×藤本真衣

藤本真衣

Proof Of Talkについて

仮想通貨・ブロックチェーン業界に質の高いコンテンツを生み出し、業界のさらなる活性化を目指す「あたらしい経済」と「グラコネ」の共同企画「Proof Of Talk(PoT)」。

今回はグラコネCEOであり、ミスビットコインとして仮想通貨界を牽引してきた藤本真衣と「あたらしい経済」編集長の設楽悠介が、150万人を超えるフォロワーを抱えるモテクリエイターであり、『共感SNS』の著者である菅本裕子(ゆうこす)氏をゲストに迎え、仮想通貨やブロックチェーンの仕組みや、どのようにこれらをより世の中に広めるかについて語り合います(2回目/全2回)。
(過去のProof Of Talk(PoT)」はこちらから

前回の記事はこちら
ゆうこすは共感してくれるか?ミスビットコインとあたらしい経済が仮想通貨とブロックチェーンを解説 PoT #05-1

「ミスビットコイン」、「ゆうこす」と名乗ること

設楽:藤本さんも仮想通貨やブロックチェーンを世の中に広げるために、昔からネットやSNSでいろいろ発信してますよね?

藤本:私が「ミスビットコイン」って言い出したのが7年前です。当時はビットコインのことを誰も知らなかったから広めたかったのと、そして海外の人に覚えてもらいたかったから、マイ・フジモトじゃなくて、ビットコインのことを一番詳しい子って意味で「ミスビットコイン」と名乗り始めました。

ゆうこすさんの『共感SNS』の中にあった、最初に聞いた時に覚えてもらえるような名前のつけ方を実践できていたんだ!と思えて本を読んだ時とても嬉しかったです。

ゆうこす:ミスビットコインってわかりやすいし、ど真ん中でいいですよね!

藤本:ありがとうございます。そしてこの機会にゆうこすさんに相談があるんです。この業界は女の子がまだまだ少ないんですよ。

設楽:正直東京で100人集まるイベントを開催しても、ほとんどくるのが男性ですよね。

ゆうこす:確かに、ビットコインの話してるのってやっぱり男性しかいないイメージがあります。なんでこんなに女の子に認知されてないと思いますか?

藤本:この業界の人は、どうしても難しく主に技術の話を発信することが多いんですよ。それは女の子の「共感」を生めるような発信じゃないんですよね。それが一つの原因だと思います。まさに『共感SNS』でゆうこすさんが教えてくれていることを、この業界の人にも読んで欲しいです。

ブロックチェーンのイベントに普通の人が行く意味は?

ゆうこす:思った以上に、みんな新しいテクノロジーに対して信頼がなくて警戒していると思って発信した方がいいと思います。

これは仮想通貨の話ではないですが、例えばスマホのキャッシュレス決済の話をイベントとかでもしても、中には怖いから使わないって人もまだ多いです。私は便利だからPayPayとかLINE Pay などをよく使いますが、まだまだ女の子の中では怖がってる人も多いです。例えば、スマホなくしたらどうなるの?とか。いや、クレジットカードとかキャッシュカード落とす方が危ないよと思うんですが(笑)。そう言っても「なんかお金がなくなっちゃいそう」と怖がってる人もいます。

設楽・藤本:そうなんですね……。

ゆうこす:あと、そもそもの話ですが、女の子に知ってもらったり使ってもらったりするためには、もっと具体的なその意味が必要だと思いますね。例えばブロックチェーンのイベントに、若い女の子たちが行く意味が今あるんですかね?

設楽:ああー。それ本質ですね。

ゆうこす:イベントに行く意味とブロックチェーンを使う意味がないから、女の子がイベントに来ないし、使おうとしない。

設楽:返す言葉がない(笑)。ど真ん中すぎる課題ですね。

ゆうこす:なんかごめんなさい。

藤本:確かに今の今だと、ユースケースでメリットが分かり易いポイントって、手数料が安くなる海外送金くらいかもしれないですね。

設楽:確かにそれはすごく使う意味あるんですが、でもそんなに多くの人は海外送金はしないもんね。

ゆうこす:そうですね、若い子はパスポートあまりもってないみたいですし、海外送金は一部の人しか刺さらないかもですね。

藤本:もしかしたら仮想通貨より、前回設楽さんが説明したブロックチェーンの仕組みの方がなんか身近に感じるかもしれないです。

ゆうこす:確かに。

藤本:そうだ!「進撃の巨人」って人気アニメわかりますか?

ゆうこす:はい!全部読んでます。

ブロックチェーンだからできること

藤本:よしっ(笑)。ブロックチェーンを使った分かり易い事例があります!それも、ブロックチェーンがあるからこそできるという良い事例。簡単に言うと、進撃の巨人のデジタルセル画の権利をブロックチェーン上に乗せることで、世界に一個だけのデジタルセル画だっていうことを証明し、そのデジタル所有権を所有できたり、販売できたりするAniqueという会社があります。

ポイントは、デジタルセル画の所有権をブロックチェーンでみんなで管理するから偽造ができない点。

デジタルのものは今まで“世界に一つ”を証明するのが難しかったですよね。でも、ブロックチェーンを使うとそれが証明でいるようになり、価値がつく。

そうすると、今までコンテンツ製作者に新たな収益機会を提供できますし、アニメやマンガに親しむ世界中のファンのニーズにも応えられる。また、通常、ファンがグッズなどを第三者に売ってもコンテンツ制作者に配分はない(する術がなかった)ですが、ブロックチェーンの技術を生かす事でユーザーがデジタル所有権を売却する際、二次流通でも支払額の一部が製作者へと還元される仕組みにする事ができます。

私はこういう「ブロックチェーンがあるからできる事」を生かし、より公平で、三方良しを創り出すプロジェクトは素晴らしいなって思っています。

今後このAniqueという会社は進撃の巨人だけに限らず、次々と新しいコラボを考えているようなので楽しみです!

設楽:藤本さんが言ってるようにブロックチェーンのできることは多いんですよ。でも、確かに今日すぐ何かが変わるというよりは、ブロックチェーンの取り組みがうまくいけば未来が変わる話なんですよ。

ただ、認知がされないと未来は変わらないので、認知されるためにネットで広げていくにはどういう工夫が必要なのかを僕らはもっと考えないといけないですね。

そしてブロックチェーンのメリットがありすぎるので、その点も分かりづらさにつながっているかもしれません。ゆうこすさんがやっているプロジェクトに対して、私達がこういうことやったらおもしろそうとか、事例みたいなのを提案していくようにするとイメージ湧きやすいかもしれませんよね。

仮想通貨やブロックチェーンには今更聞いちゃいけない感がある

ゆうこす:そうですね、今のこれがどう変わるのか、具体的で身近な事例があると分かりやすいかもしれないです。

あと正直言うと、認知を広げたいのであれば、正直ブロックチェーンとか仮想通貨って言葉があまり良くないと思います。何も知らない人からすると、ブロックのチェーン?、仮想のお金?みたいに意味がわからない。

そしてそんな分からないものに、みんなが大切にしてるお金を絡めるのはやっぱり怖いと思ってしまう。

私も仮想通貨やブロックチェーンって、そもそも怖いし難しいって今日まで思っていました。実はミスビットコインさんとお話しするのもちょっと怖かった(笑)。

若い子たちにとっては、例えば政治などでも同じことだと思うんでけど、今更聞いちゃいけない気がしてしまうんですよね。

ブロックチェーンのコミュニティの強い人たちだけで、コミュニティ内で盛り上がっているから、そこに入るおこがましさを感じてしまいます。

コミュニティの中のそういう影響力の強い方々が、積極的に私のようなブロックチェーンを知らない子でも受け入れてくれる雰囲気だったり、馬鹿にしないでいてくれると、とても嬉しいです。そんなスタンスでインフルエンサーとして活動してくださる方がいると、いいなとも思いました。

設楽:確かにそういう新しい人が、コミュニティに入りづらい空気を作っちゃてるよね。

藤本:今すごい参考になった。そうかも、確かにね。

ゆうこす:知らない人が許される感じを出してほしいです。オリエンタルラジオの中田さんが今YouTubeでめっちゃ人気じゃないですか。中田さんのアプローチは、YouTubeってコメントが匿名性高いからどんだけバカなこと質問しても怒られない空気がうまくできていますよね。

設楽:これは多分ブロックチェーンや仮想通貨業界の話だけでなくて、特定の一部で盛り上がってるコミュニティって、ものすごい排他的になるような雰囲気ありますよね?

ゆうこす:うんうん。

設楽:そういった排他的な雰囲気を出すのは、すでにあるコミュニティの中の人で、しかもどちらかというとそのコミュニティに関係が深い人たちです。そういったコアな人たちがマウンティング発言をしていて、初心者が入りにくい雰囲気があると思います。

ゆうこす:本来はそのコミュニティを広げたいなら、色んな見せ方があっていいんだと思います。だけど専門家たちはみんな同じ広め方をしてしまいがちですよね。だからあえてそこに小学生で教える人がいたり、モデルとか、めちゃくちゃ訳わからんYouTuberとか、政治家もいて、歌手もいていいと思います。そんな人たちが色んな広め方をしてくれたら、私たちも色んな入り方があって良いんだなって思えるので。

設楽:確かに色んなジャンルの仕事の人が、ブロックチェーンを使うことで良くなったことが発信されていくのがいいのかもれない。

ゆうこす:でもその上で、ブロックチェーンを広めたところで何に使ってほしいとか、広めて何を知ってほしいのか、知ってほしいことがあっても教わった人がどう動いたらいいのか。それが分かりやすくないのがさらに問題だと思います。

設楽:本当にそうですね。今日ゆうこすさんと話して、僕『共感SNS』を編集していたのに、何を学んでたんだと愕然とました(笑)。僕はそうではないつもりだったのに、いつの間にか、誰かがブロックチェーンの事を分かっていないツイートを発信していたら、それって違うだろとかRTしちゃってた気がする。分かんない人に分かんないことを怖がらせるようなこと無意識にしてしまっていたかもしれないです。

藤本:排他的になってる節は否めない。設楽さん、今一度私たちは自分の胸に手を当てないとですね。

ゆうこす:何かを広めたい人は、怒るってことを絶対してはいけないと思うんですよね。

設楽:ほんとそうだよね、喧嘩しちゃだめだよね。

ゆうこす:今回のテーマは喧嘩しちゃだめ(笑)

設楽:最近FacebookがLibraっていう仮想通貨を出すことを発表したんですけど、それを賛成とかは反対とか、システムがすごいとか、いや他のブロックチェーンに比べたらすごくないとか、なんか業界内でみんなが強い口調で議論していて。外から見たらなんか喧嘩してるみたいに見えるかもしれない。

ゆうこす:それ見たら、怖くてまた入りづらくなりますよね。

藤本:今日気づいたのが、やっぱりブロックチェーン業界はすごい入りにくい雰囲気ということ、反省。

ゆうこす:そういう状況だと、一般の人は「意識高い人たちでどうぞ」って思ってしまいますよ。その人たちで早く急いで、今のうちにそのシステムを使って、こちら側が早く使えるように、どうぞ話し合って頑張ってくださいって他人事に感じてしまう。

でも今日お二人と話していたら、ブロックチェーンの仕組みとかってみんなで確認しあえて、すごくいいなって思ったんです。でも私としてもその次のアクションが分からない。

いいなっておもったんだけど、それを私はどうしようもできない。だから知りましたで終わってしまいます。

そんな人たちがアクション出来るような活動をもっともっとしてもらいたいです。

中学生とか、地方のママとか、YouTuberとかインスタグラマーに普通にこの話をしてみて、どんな反応があるか試してみて欲しい。そこにヒントがあると思います。

ゆうこす:あと最後に、マスに広げるためにはやっぱりUI・UXはすごく大事だと思う。とにかくまずは、それを使うことを楽しませて欲しいです!

設楽:ありがとうございます、まさにその部分は業界内でも課題だと感じているポイントです。

藤本:すごいお話しして、いっぱい気づきがあってよかったです。やっぱり凝り固まっちゃうんだよ、毎日私たち業界の人としか会わないから(笑)。

今日の話を参考に、よりブロックチェーンや仮想通貨がみんなに共感されて広まっていくように頑張っていきたいと思います。

ゆうこす:今日お話し聞いてすごく魅力的だと思ったので、ぜひ期待してます!

(おわり)

→前半「ゆうこすは共感してくれるか?ミスビットコインとあたらしい経済が仮想通貨とブロックチェーンを解説 PoT #05-1 ゆうこす×藤本真衣」はこちら

インタビューイ・プロフィール

菅本裕子(ゆうこす)
1994年、福岡県生まれ。アイドルグループを脱退後ニート生活を送るも自己プロデュースを開始し「モテクリエイター」という新しい肩書きを作り、株式会社KOSを起業。現在はタレント、モデル、SNSアドバイザー、インフルエンサー、YouTuberとして活躍中。10〜20代女性を中心に自身のInstagramやYouTubeチャンネルで紹介するコスメ等が完売するなどその影響力は絶大。Instagram、Twitter、LINE@、YouTubeなどのSNSのフォロワー150万人以上。スキンケアブランド「youange」の立ち上げやアパレルブランド「#amic」のプロデュースなど事業は多岐渡る。書籍に『共感SNS 丸く尖る発信で仕事を創る』『SNSで夢を叶えるニートだった私の人生を変えた発信力の育て方』など。(Twitter:@yukos_kawaii

藤本真衣(ミスビットコイン)
株式会社グラコネ代表
日本を代表するビットコイン、ブロックチェーンのエバンジェリスト。世界最大のマイニング会社Bitmain創業者・Jihan Wu氏や世界最大の仮想通貨取引所BINANCEのCEOであるCZ氏など、この分野の世界的専門家とも親交が深く、CryptoWeeklyの世界のインフルエンサーリスト100にも選ばれた。また日本初のビットコインによる寄付サイトKIZUNAを立ち上げる。ブロックチェーンエンジニアの就職・転職支援会社withB 、韓国の医療スタートアップ企業Mediblocなど、国内外のブロックチェーンプロジェクトのアドバイザーを多数務める。(Twitter:@missbitcoin_mai

設楽悠介
幻冬舎「あたらしい経済(NEW ECONOMY)」編集長
幻冬舎でブロックチェーン・仮想通貨(暗号通貨)メディア「あたらしい経済」を運営。また同社コンテンツビジネス局で電子書籍・コンテンツマーケティング・新規事業等を担当。漫画出版社「幻冬舎コミックス」、クラウドファンディング出版の「エクソダス」等の取締役を兼務。また個人活動としてNewsPicks野村高文氏とのビジネスユニットを組み、「風呂敷畳み人ラジオ」をはじめとした、数々のコンテンツを発信中。「風呂敷畳み人サロン」「サウナサロン」などのオンラインサロンを主宰。(Twitter:@ysksdr

編集:設楽悠介、大津賀新也(あたらしい経済)
写真:堅田ひとみ

この記事の著者・インタビューイ

藤本真衣

Intmax Co-Founder
2011年にビットコインと出会って以来、国内外でビットコイン・ブロックチェーンの普及に邁進。海外の専門家と親交が深く「MissBitcoin」と呼ばれ親しまれている。
自身は日本初の暗号通貨による寄付サイト「KIZUNA」やブロックチェーン領域に特化した就職・転職支援会社「withB」ブロックチェーン領域に特化したコンサルティング会社「グラコネ(Gracone)」などを立ち上げる。
暗号通貨とBlockchainをSDGsに活用することに最も関心があり、ブロックチェーン技術を使い多様な家族形態を実現する事を掲げたFamiee Projectや日本円にして17億円以上の仮想通貨寄付の実績を誇るBINANCE Charity Foundationの大使としても活動している。
NFT領域に関しては、2018年よりNFTに特化した大型イベントを毎年主催している他、Animoca Brands等の、国内外プロジェクトのアドバイザーも多数務める。2020年以降は、事業投資にも力を入れており、NFTを使った人気ゲーム、Axie Infinity」を開発した Sky Mavis 、Yield Guild Games、Anique等に出資している。現在はイーサリアムのLayer2プロジェクト「Intmax」のCo-Founderとして活動中。

Intmax Co-Founder
2011年にビットコインと出会って以来、国内外でビットコイン・ブロックチェーンの普及に邁進。海外の専門家と親交が深く「MissBitcoin」と呼ばれ親しまれている。
自身は日本初の暗号通貨による寄付サイト「KIZUNA」やブロックチェーン領域に特化した就職・転職支援会社「withB」ブロックチェーン領域に特化したコンサルティング会社「グラコネ(Gracone)」などを立ち上げる。
暗号通貨とBlockchainをSDGsに活用することに最も関心があり、ブロックチェーン技術を使い多様な家族形態を実現する事を掲げたFamiee Projectや日本円にして17億円以上の仮想通貨寄付の実績を誇るBINANCE Charity Foundationの大使としても活動している。
NFT領域に関しては、2018年よりNFTに特化した大型イベントを毎年主催している他、Animoca Brands等の、国内外プロジェクトのアドバイザーも多数務める。2020年以降は、事業投資にも力を入れており、NFTを使った人気ゲーム、Axie Infinity」を開発した Sky Mavis 、Yield Guild Games、Anique等に出資している。現在はイーサリアムのLayer2プロジェクト「Intmax」のCo-Founderとして活動中。