ゆうこすは共感してくれるか?ミスビットコインとあたらしい経済が仮想通貨とブロックチェーンを解説 PoT #05-1 ゆうこす×藤本真衣

藤本真衣

Proof Of Talkについて

仮想通貨・ブロックチェーン業界に質の高いコンテンツを生み出し、業界のさらなる活性化を目指す「あたらしい経済」と「グラコネ」の共同企画「Proof Of Talk(PoT)」。

今回はグラコネCEOであり、ミスビットコインとして仮想通貨界を牽引してきた藤本真衣と「あたらしい経済」編集長の設楽悠介が、150万人を超えるフォロワーを抱えるモテクリエイターであり、『共感SNS』の著者である菅本裕子(ゆうこす)氏をゲストに迎え、仮想通貨やブロックチェーンの仕組みや、どのようにこれらをより世の中に広めるかについて語り合います(1回目/全2回)。

(過去のProof Of Talk(PoT)」はこちらから

ミスビットコインがゆうこすにBTCを送金!

藤本:仮想通貨やそれを代表するビットコインは一部ではまだまだ怪しいイメージを持たれているので、ゆうこすちゃんみたいな子にビットコインについて話せる場を持てるのがとても嬉しいです。

ゆうこす:怪しいイメージってまだ持たれているんですか?

藤本:私のいる仮想通貨業界の中ではもちろん怪しいとは思われていないんですが、例えば地元に帰って友人に仮想通貨関係の仕事してるって言ったら怪しいと言われることもあるんです。そして実際仮想通貨を利用した詐欺などもあるし、ハッキング事件が大きく報道されていることもあって、まだまだ多くの一般の人には怪しいとか怖いと思われていると感じてます。

ゆうこすちゃんの周りではどうですか?仮想通貨の話をしたりします?

ゆうこす:正直仮想通貨について話すことはないですね。私の周りの女性YOUTUBERたちなどは仮想通貨について怖いというよりは分からなさすぎて何も感情がないイメージですね。そして仮想通貨のことを知ろうともしてないんじゃないかって思います。

藤本:そんなんですね。そういった人にも正しく理解してもらいたいし、まず知りたいと思ってもらいたいと思います。どうすればいいかな、まずは仮想通貨は実際に触れてもらうのがいいんじゃないかな。

ゆうこす:正直私は今まで、仮想通貨に触れるきっかけはなかったです。

藤本:私は2011年にある外国人の友人から、ウォレットという仮想通貨の財布のアプリをスマホにダウンロードしてといきなり言われて、そこに当時1,200円ぐらいの価格だった1ビットコインを送ってもらったのが、初めて仮想通貨に触れたきっかけでした。

設楽:藤本さんは当時ビットコインジーザスとも言われていたロジャー・バーさんからもらったんですよね。1200円ぐらいの頃ってすごいですね、今では1ビットコイン数十万円のはするのに。

ゆうこす:ビットコインって、めっちゃ前からあるんですね。

設楽:10年前にはサトシナカモトという名義でビットコインについての論文が出ていてそこから世界に広がっていったんです。

藤本:ここ1、2年で上昇や下落を繰り返しているものの、2011年から考えるとすごく値段が上がっていますね。いろんな経済評論家の意見はあるんだけど、1ビットコインが1000万円とか1億円まで価格があがると予想をしている人もいますし、10万円に落ちるという人もいます。正直これから値段がどうなるかはまだわかりません。

よければゆうこすちゃんにも仮想通貨に触れてもらいたくて、私が8年前にビットコインをもらったように、今日はせっかくのご縁なのでよければ私もゆうこすちゃんにビットコインを送りたいと思ってます。

設楽:お!1ビットコインですか? 僕も欲しい!

藤本:何ビットコイン送るかは内緒です、そして設楽さんには送らない(笑)。

ゆうこす:え!ありがとうございます。ウォレットダウンロードします!どのアプリがいいんですか?

藤本:とりあえずAppStoreでBRD(Bread)って調べてもらうと一つアプリが出てきます。使いやすいのでよければBRD(Bread)インストールいてみてください。

ゆうこす:へー、このアプリのデザインかわいいですね。

設楽:こういうウォレットアプリはいっぱい種類があるんですよ。

藤本:そう。何十種類ってあるけど、一応私がお仕事をしているところのアプリを選びました (笑)。

ゆうこす:(アプリの初期登録画面の秘密の言葉の表示を見ながら)あれ、なんじゃこりゃ。

藤本:あ、これね。大事だから説明します。

例えばゆうこすちゃんのスマホが水没とかしちゃって、アプリが使えなくなって他のスマホにまたアプリをダウンロードしますよね。そのときに、この秘密の言葉が無いと再インストールが出来ない仕組みになってるんですよ。私の知り合いでも1ビットコインが安かった時にウォレットに入れてて今では数千万円になったけど、そのパスワードやこういった始めに登録したキーワードが分からないから、一生出金できないって人もいるんです。

ゆうこす:やだ!

藤本:なのでそうならないように、ここに出てる幾つかのキーワード、今紙にメモしてください。

ゆうこす:わかりました、でもその紙をなくしそう。

藤本:それはもう厳重に保管しておいてくださいね。

ゆうこす:金庫に入れておきます。

設楽:その秘密の言葉が誰かにばれると盗まれるんですよ、だから絶対マネージャーにも見せないでね(笑)

藤本:そう、誰にも教えないほうがいい。

設楽:ゆうこすさん、仮想通貨のハッキングのニュースって聞いたことあります? あれも実は仮想通貨のシステムを動かす仕組みが悪いからハッキングされたんじゃなくて、簡単にいうと、この秘密の言葉みたいなのがハッキングされて、それでビットコインが盗まれたような事件が多いんですよ。

藤本:ゆうこすちゃんが、紙に書いている間は後ろを向いておきますね。

ゆうこす:私銀行のこういったアプリとか使ってますけど、そのアプリとかはここまで複雑な秘密の言葉とか必要ないですよね? 復元方法は複雑だけど、ここまでしなかったように思います。

設楽:銀行は究極パスワードが分からなくなっても、ちゃんと本人確認さえできれば預けているお金は引き出せるんですよね。それは銀行という中央が存在しているから。でもビットコインは中央が存在しない。後で詳しく説明しますけど、これが仮想通貨の特別なところなんですよ。

ゆうこす:(アプリで初期設定を完了し)よし!できました!

藤本:そしたらQRコード表示してください。(ゆうこすさんが表示したQRコードを藤本さんが読み取り)今から送ります、今送金できました。

ゆうこす:うわ来た、早い。

藤本:そう、この早さも仮想通貨の面白さです。例えば海外送金って銀行だと3日とか時間がかかるんですけど、今はお互い隣にいて送りましたが、仮にゆうこすちゃんが海外にいてもほとんど同じスピードで送金できるんです。そして手数料も安い。

ゆうこす:今いただいたこのビットコインって、どこで使えるんですか?

藤本:いくつかあるのですが、日本で1つ例を出すとビックカメラで使えますね。

設楽:他にも使えるところはあるんですが、正直まだ現状ではビットコインで買い物をできる所は少ないですよね。もちろんこれからビットコイン決済に対応する店舗やサービスは、どんどん増えていくと思いますが。

藤本:そういうふうに買い物とかにビットコインを使ってもらってもいいんですが、あとは今他の使い道として海外への寄付とかにも使えます。私は仮想通貨でドネーションが(寄付)できる「KIZUNA」っていうプラットフォームも運営しています。最近だと、10月9日にユニセフが、新たに設立されたユニセフ仮想通貨ファンド(UNICEF Cryptocurrency Fund)を通じて、仮想通貨イーサとビットコインによる寄付を受けつけるようになったと発表もありましたしね。

仮想通貨で寄付して支援するのが、世界的に一つの文化になってきていると思います。身近なところで言うと「Binance」という仮想通貨取引所があるんですが、そこは北海道の地震と西日本の大豪雨の時に、日本に仮想通貨で寄付をしてくれたんです。合計で、当時の相場で約1億5000万も寄付してくれたんですよ。

ゆうこす:ええ!すごい!

藤本:そのことはあまり知られていませんが、こうやって世界中で仮想通貨がお金の代わりに使われるケースは、どんどん増えていって欲しいと思っています。

仮想通貨を動かすブロックチェーンの仕組みとは

設楽:さきほど藤本さんも言ったみたいに、ゆうこすさんに仮想通貨の話ができるせっかくの機会なので、仮想通貨を動かすブロックチェーンの仕組みについてもうちょっとだけ説明させてください。

ビットコインのような多くの仮想通貨はブロックチェーンという仕組みで動いています。

例えば今、僕がゆうこすさんから100万円貸してくださいって言われたら、僕はゆうこすさんが大好きなんで、ゆうこすさんの銀行口座へ多分100万円振込みます。

そして後日僕が100万円を返してほしいって言った時に、もしゆうこすさんが借りてないよって嘘をついたとしましょう。さすがにゆうこすさんを大好きですが、100万円は返して欲しい(笑)。

そうすると僕は振り込んだ銀行の送金履歴を銀行に出してもらって、それを証拠にゆうこすさんを訴えるしかなくなります。そしておそらくその裁判で僕は勝てるでしょう。銀行に証拠を出してもらって、無事お金を返してもらえるはずです。

今話したのが、仮想通貨ではなくお金(法定通貨)のやりとりです。

僕たちは今使っているお金は国や銀行が管理してその価値を持ち、そして今話したようなトラブルが起こっても助けてくれるわけです。

ではここからは仮想通貨の話。

でもお金というものを国や銀行がなくても使えるようにできないかって、仮想通貨ビットコインを作った人が考えたんです。僕が100万円相当の仮想通貨でゆうこすさんにお金を貸したことを、銀行とかがなくてもちゃんと証明できるような仕組みを作れないかと考えたのがビットコインを動かすブロックチェーンというシステムのアイデアです。

ブロックチェーンの仕組みを例え話で説明しますね。

僕がゆうこすさんに100万円貸したことをメモして書いておく。そのメモを僕だけで持っていても、誰もそのメモが真実かどうか証明はしてくれないから、街中のみんなに僕がゆうこすさんに100万円貸したメモを見せて確認してもらい、確認したよと書いてもらう。

さらにこれだけだと書き換えられるかもしれないので、マネージャーさんにも、そしてこのメモを日本国民の全員に持ってもらう状況を作ると、僕がメモを失くしてもゆうこすさんに100万円を貸した記録がみんなの手元に残っている事になりますよね。

だからゆうこすさんが100万円を借りてないって言っても、ゆうこすさん以外の人みんながこのメモを持っているので、ゆうこすさんが嘘をついていることが証明できるんです。

これをシステムでできるようにしたのが、ブロックチェーンという仕組みです。もちろんブロックチェーンは複雑で、もっともっと細かい仕組みとかメリットがあるんですが、すごく簡単に言うと、みんなで取引を確認して信頼を保つようにするデータベースのようなシステムのことなんです。

こういった仕組みが、さきほど藤本さんがゆうこすさんにビットコインを送った時に裏で動いているんです。さっきゆうこすさんがビットコインもらったってことを世界中の多くの人(正確にはノード)が確認して承認してくれていたんです。

銀行みたいな大きな組織が管理しなくても、世界中の人たちがフラットに繋がって「お金」のように価値のあるものを管理しているのがブロックチェーンの仕組みです。

ゆうこす:めちゃくちゃわかりやすくて助かりました。みんなで確認するのがブロックチェーンの仕組みということなんですね。

設楽:あと面白いのはビットコインの仕組みを考えた人はまだ誰かわかってないんです。

ゆうこす:その論文を書いたのは、日本の方なんでしたっけ?

設楽:論文ではサトシ・ナカモトという日本名を名乗っていますが、実際日本人かどうかは分からないです。サトシ・ナカモトは論文を提出後、表に出てきてないんですよ。

藤本:そう。だからこそ中央だけが権力を持つのではなく、権力が分散されることで個人の時代がどんどん来ますよね。

ゆうこすちゃんの『共感SNS』を読んで思いましたが、一人一人がもっと輝くようなインフルエンサーが出てくる時代と、ブロックチェーンの進んでいるテクノロジーサイドは実は同じような道をたどっていると思います。

例えばAirbnbやUber、国内ではメルカリといったCtoCのサービスが今どんどん増えていますよね。こういったサービスはインターネットが進化をして中間業者が必要なくなって、どんどんユーザーと会社が近くなってきた進化ですよね。

例えばブロックチェーン上のUberとか、メルカリのようなあたらしいサービスが今どんどん生まれてきています。それらは中央管理の部分をみんなで運営するようなものだから、手数料が安くなり、よりユーザーとの距離が近くなるんです。

そうなるとゆうこすちゃんのような個人で活躍する人たちのチャンスがもっと増えると思ってます。だから、ゆうこすちゃんはブロックチェーンとすごい相性がいいと思います。私からすると、どちらもこれからの新しい時代の生き方を世の中に見せているような感じ。

ゆうこす:ありがとうございます。もっと勉強してみます!

(つづく)

→後編「ゆうこすの『共感SNS』から学ぶ、仮想通貨やブロックチェーンを広めるためにすべきこと PoT #05-2 ゆうこす×藤本真衣」はこちら

インタビューイ・プロフィール

菅本裕子(ゆうこす)
1994年、福岡県生まれ。アイドルグループを脱退後ニート生活を送るも自己プロデュースを開始し「モテクリエイター」という新しい肩書きを作り、株式会社KOSを起業。現在はタレント、モデル、SNSアドバイザー、インフルエンサー、YouTuberとして活躍中。10〜20代女性を中心に自身のInstagramやYouTubeチャンネルで紹介するコスメ等が完売するなどその影響力は絶大。Instagram、Twitter、LINE@、YouTubeなどのSNSのフォロワー150万人以上。スキンケアブランド「youange」の立ち上げやアパレルブランド「#amic」のプロデュースなど事業は多岐渡る。書籍に『共感SNS 丸く尖る発信で仕事を創る』『SNSで夢を叶えるニートだった私の人生を変えた発信力の育て方』など。(Twitter:@yukos_kawaii

藤本真衣(ミスビットコイン)
株式会社グラコネ代表
日本を代表するビットコイン、ブロックチェーンのエバンジェリスト。世界最大のマイニング会社Bitmain創業者・Jihan Wu氏や世界最大の仮想通貨取引所BINANCEのCEOであるCZ氏など、この分野の世界的専門家とも親交が深く、CryptoWeeklyの世界のインフルエンサーリスト100にも選ばれた。また日本初のビットコインによる寄付サイトKIZUNAを立ち上げる。ブロックチェーンエンジニアの就職・転職支援会社withB 、韓国の医療スタートアップ企業Mediblocなど、国内外のブロックチェーンプロジェクトのアドバイザーを多数務める。(Twitter:@missbitcoin_mai

設楽悠介
幻冬舎「あたらしい経済(NEW ECONOMY)」編集長
幻冬舎でブロックチェーン・仮想通貨(暗号通貨)メディア「あたらしい経済」を運営。また同社コンテンツビジネス局で電子書籍・コンテンツマーケティング・新規事業等を担当。漫画出版社「幻冬舎コミックス」、クラウドファンディング出版の「エクソダス」等の取締役を兼務。また個人活動としてNewsPicks野村高文氏とのビジネスユニットを組み、「風呂敷畳み人ラジオ」をはじめとした、数々のコンテンツを発信中。「風呂敷畳み人サロン」「サウナサロン」などのオンラインサロンを主宰。(Twitter:@ysksdr

 

編集:設楽悠介、大津賀新也(あたらしい経済)
写真:堅田ひとみ

この記事の著者・インタビューイ

藤本真衣

Intmax Co-Founder
2011年にビットコインと出会って以来、国内外でビットコイン・ブロックチェーンの普及に邁進。海外の専門家と親交が深く「MissBitcoin」と呼ばれ親しまれている。
自身は日本初の暗号通貨による寄付サイト「KIZUNA」やブロックチェーン領域に特化した就職・転職支援会社「withB」ブロックチェーン領域に特化したコンサルティング会社「グラコネ(Gracone)」などを立ち上げる。
暗号通貨とBlockchainをSDGsに活用することに最も関心があり、ブロックチェーン技術を使い多様な家族形態を実現する事を掲げたFamiee Projectや日本円にして17億円以上の仮想通貨寄付の実績を誇るBINANCE Charity Foundationの大使としても活動している。
NFT領域に関しては、2018年よりNFTに特化した大型イベントを毎年主催している他、Animoca Brands等の、国内外プロジェクトのアドバイザーも多数務める。2020年以降は、事業投資にも力を入れており、NFTを使った人気ゲーム、Axie Infinity」を開発した Sky Mavis 、Yield Guild Games、Anique等に出資している。現在はイーサリアムのLayer2プロジェクト「Intmax」のCo-Founderとして活動中。

Intmax Co-Founder
2011年にビットコインと出会って以来、国内外でビットコイン・ブロックチェーンの普及に邁進。海外の専門家と親交が深く「MissBitcoin」と呼ばれ親しまれている。
自身は日本初の暗号通貨による寄付サイト「KIZUNA」やブロックチェーン領域に特化した就職・転職支援会社「withB」ブロックチェーン領域に特化したコンサルティング会社「グラコネ(Gracone)」などを立ち上げる。
暗号通貨とBlockchainをSDGsに活用することに最も関心があり、ブロックチェーン技術を使い多様な家族形態を実現する事を掲げたFamiee Projectや日本円にして17億円以上の仮想通貨寄付の実績を誇るBINANCE Charity Foundationの大使としても活動している。
NFT領域に関しては、2018年よりNFTに特化した大型イベントを毎年主催している他、Animoca Brands等の、国内外プロジェクトのアドバイザーも多数務める。2020年以降は、事業投資にも力を入れており、NFTを使った人気ゲーム、Axie Infinity」を開発した Sky Mavis 、Yield Guild Games、Anique等に出資している。現在はイーサリアムのLayer2プロジェクト「Intmax」のCo-Founderとして活動中。