「小説家を夢見たエンジニアと、エンジニアを刺激したい小説家」芥川賞作家・上田岳弘氏×ブロックチェーンエンジニア・落合渉悟氏 <2万字特別対談>(3)

仮想通貨(暗号資産)/ブロックチェーンを題材にした『ニムロッド』で第160回芥川賞受賞し、最新作『キュー』ではテクノロジーの発展の先にある分散化あるいは究極の中央集権化を見事に描いた小説家 上田岳弘 氏。そしてイーサリアムの高速化技術である「Plasma」の開発者として世界から注目を集めるエンジニアであり株式会社Cryptoeconomics Lab のCo-founder/Chief Economistである落合渉悟氏。小説家とエンジニアという全く違った境遇の二人が表現やテクノロジーの未来に激しく共鳴し合う、特別対談最終回(全3回)。

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「世界はそれを呪縛と呼ぶか、理想と呼ぶか」芥川賞作家・上田岳弘氏×ブロックチェーンエンジニア・落合渉悟氏 <2万字特別対談>(2)

今ある世界を答えを決めずに差し出す

落合:神話的ですか。神話的と言えば、『キュー』のキリスト教のモチーフってあえて入れました?

上田:あえて入れました。

落合:でもかなり薄めてありますよね?

上田:かなり薄めていますね。

落合:いい濃さだなって。エヴァンゲリオンほど濃くなくていいなって思いました。

上田:入れておかないとまずいかなって思ったんですよね。というのも、いずれは翻訳されたいというのもあるんですが、日本人もある程度キリスト教圏の考え方が身に染みているじゃないですか。日本自体は多神教の国だし、神道というか八百万の神ですが。

例えば修道女って結婚できなかったりするじゃないですか。やっぱそれは主の恋人って感じで受け取られていて、もしかしたら恋愛小説の起源ってそういうところかもしれないね、という話になったんですよね。ある作家の方と話してて。恋愛小説は「いかに結ばれないか」が重要ですからね。

小説は日本で発生したものというよりは、輸入してきたものというのもあって。もちろん単に輸入するというよりは、元の文化に溶け込ませながら受け取るわけですが。

日本に限らずここ500年くらいは、欧米が強かったから、欧米起源のものが敷衍しているという印象がどうしてもあるし、実際そうだと思うんですよ。プログラミング言語だって英語がベースじゃないですか。

欧米系の文化が地球を席巻していて、なので普通に今の世界を表現しようとすると、どうしてもキリスト教的なものを入れこまないと正しく表現できないかなと思ったんですよね。

加えて言うと、小説を書く場合、特に『キュー』みたいな長編を書くときに、何か意図や結論を持って書くのではなく、今ある世界をきちんと表現したいなと思っていたんですよね。なので『キュー』では憲法九条にも触れていますが、「こうした方がいい」という意見を書きたいわけではなく、答えを決めずにありのままを差し出したいっていうのがすごくあるんですよね。それは作家としての性(さが)なのかもしれないですけど。

「本当のこと」って、個々人の判断にゆだねられてないような気がしていて、それでも答えを出しながらじゃないと生きていけないっていうのが人間の悲しさだなって思います。なので、僕は極力正確に汲み取って、正しく表現したい。その中でたぶんキリスト教の概念はこのくらいの配分が正しいって、書き終わった今は思いますね。

落合:僕は『キュー』でキリスト教がちゃんと出てきたとは認識していなくて、ほんのり香ったなって感じで。ひとつになった人類ってすごく神のメタファー的なところがあるし、生命の樹を逆に上っているみたいなところあるし。数学者はすでに自然界に存在している法則性を発掘している存在、芸術家は光の波長の羅列から美を発掘している存在、作曲家も音の羅列から美を発掘している存在で、「取りに行くのではなく与えられている」という方向性がキリスト教的じゃないですか。

結局「パーミッションポイント」という存在を発掘していったら、「予定された未来」が与えられるっていうのが、めちゃくちゃキリスト教じゃんって思いました(笑)。僕はそれをあまり計算してないように受けたんですよ。

上田:確かにしてないですね。

『キュー』はバイブル

落合:それが美しかった。だからもはや僕の中でバイブルなんです、『キュー』が。聖書っぽい。これは今気づいた嬉しい偶然なんですけど、僕が今までバイブルとしていた本って、ウィリアム・カルヴィンの『知性はいつ生まれたか』って本なんです。

脳を18くらいの階層に分けて、量子力学の層から、実際の生物学、神経科学、心理学とか脳の領野のリズムの情報科学とか、色んなレイヤーで見て。ぼく物理学科だったんですが、ペンローズっていう物理学者が、量子力学の視点から意識を研究した謎のチューブ量子理論みたいなのを出して、量子力学的効果で意識が生まれているみたいなことを本に書いたら総バッシングだったんですよ。「お前は余計なことをするな、物理はすごいけど神経科学はダメだ」って。それをウィリアム・カルヴィンも言って、いい抽象度で、いいグレインサイズで問題を解かなきゃだめだよねっていう本だったんですよ。

そことパーミッションポイントの階層分けが僕の中ですごいリンクして。バイブルがアップデートされたなって(笑)。

上田:落合さんめちゃくちゃ頭いいですね。

落合:好奇心の奴隷です。

上田:ブロックチェーン業界にはこういう方がいるんですね。

落合:ああいう高度に抽象的な話って気づいたら揮発しちゃうんですよね、僕はそうなんですよ。それを揮発する前に書き留めていただけたのは本当に嬉しいです。

上田:それはソースコードに落とし込んだりしないといけないので、具体化していく中で、消えていっちゃうんじゃないですかね、恐らく。

落合:不要な部分として。

上田:現実に即さないように感じてしまって。でもすごくステップを踏めば、たぶん最初の直感ってけっこう現実に即していたりする気がするんですよ。どうですか?

落合:その通りだと思います。今すごくわかります。

上田:どこまで掘り続けるかですよね。

落合:その掘るっていう執着が分かれ目で、『ニムロッド』でも執着がうらやましいっていう話ありましたけど。やりきる執着をまずは練り込まなきゃなって感じ。

上田:人生の中で一番執着してきたことってなんですか?

落合:今までは自己組織化っていう現象でしたね。物理も神経工学も、いわゆるCtoCアプリケーション、メルカリみたいなものとか、関わってきたことすべてが、無数の無秩序な主体がそれぞれ独立して動いているのに、全体としては秩序を形成する、その現象自体にずっと興味を抱いていました。違う抽象度でずっと分析を続けていた結果、数珠繋ぎにすると「僕は自己組織化を研究してきたんだ」と思って、ビットコインとかもそれでスッと入ってきたんですよ。「あ、あの現象か」って。

上田:個々が極めてやっていくのが、全体で見ると統制がとれている?

落合:そうです。

上田:アリ塚みたいなことですか?

落合:そうです。そこが今まではすごく大きかったんですけど、正直僕は『キュー』を読んだ後、圧倒的なニヒリズムに囚われていて目的を失っていた時が数日ありまして(笑)。こういうアニーリングが定期的に入ることで強化されていきます。

上田:そうですね、段々鋼になっていく。

落合:衝撃でしたね。正直いま何を目的にしているか、何に執着しているかわからないです。『キュー』のせいで失いました。

上田:それ作家が一番嬉しい感想。「お前のせいで」って(笑)。

落合:けど、逆に『キュー』を次の足場として、ロッククライミングを続けていこう、となりました。そういう意味でもやっぱりバイブルなんですね。

上田:ありがとうございます。

落合:やっぱりロッククライミングって足場を固めて、確認しながらやっていくじゃないですか。それを怠って、若気の至りでポンポンと登ると一回崩れたら、数珠繋ぎで全部崩れていく。たぶん弱い足場があったのを『キュー』に崩されたんです。

上田:がさっと一回崩れて。

落合:で、今は『キュー』をいい足場として。

上田:そう言ってもらえると本当に嬉しいです。本当に書くの大変だったんですよね。

落合:そう評価するだけに値する作品だと思います。完全にド刺さりました。

上田:ちなみにどの辺が?

落合:「予定された未来」っていうところまで僕のSF感が到達してなかったんですよ。もちろんバイオハザード的なノリで、知性を持った細胞が人間を食べて一つの生命体になったりとか、エヴァンゲリオンのラストみたいにLLCの海に溶けるみたいなモチーフはあれど。それらは極めてファンタジーに近い描写だったので、ハードSFに近い緻密なテイストで、理詰めで持って行くっていうのが初体験だったので、「あ、ここにたどりつくのか」っていうまずニヒリズムに近い感情を覚えたところ。

そして、もしかして答えが出てしまったんじゃないかっていう。僕たちは楽観的に技術を突き詰めてやろうとしているけど、それがプラスに働かないんじゃないかみたいな衝撃が大きかったです。

そこからどうやったらプラスって言えるんだろうとか、「等国」と「錐国」じゃないですけど、「等国」側にいくシナリオもあるっていうか、時間軸の取り方の問題ですけど。最終的に循環する文明になろうっていうのはあり得るわけで。「じゃあ持続的な社会を作るっていう方向性もあるのか」とかいろいろすごい考えるきっかけになりました。特に時代が良くて、ブロックチェーンっていう社会が切り替わりそうなところ、そこでまず刺さりました。

1人の方が上手くいく。でも多人数じゃないと我々じゃない

上田:ブロックチェーン自体は「等国」側ですよね。

落合:ですね、恐らく。面白いのが、ゲーム理論って複数主体がいるとケンカしちゃう状況っていうのがあるんですけど、単一主体だとゲーム理論構造自体が発生しないので、効率よく上手くいくんです。僕もブロックチェーンでいろいろなデザインしていると、これは複数主体置くとケンカするから1つだなとか。いろいろデザインチョイスがあるんですけど、「錐国」がしっくりきちゃうんですよ、あかんって思って(笑)。引っ張られちゃう。

上田:元々の大まかな外観で見ると「等国」側なのに、そこに適応するのが「錐国」的な概念っていう。

落合:僕が作っているイーサリアムのPlasmaっていうサイドチェーンは管理者が1人なんですよ。1人の方が上手くいくんです。1人だとこいつが悪いことしてもお金は守れるんだけど、安定性に欠ける。こいつのサーバーが中国でGreat Firewallとかで遮断されちゃった時に、もうこれは使えなくなるからみんな逃げるしかなくて不便だよねみたいな話になる。

込み入った話になりますけど、じゃあお金を送金するっていう単純な操作をここでやるときに、0.3秒で終わらせる機能があるんですよ。これって要は小切手みたいな機能で、絶対にそのトランザクションが15分後とかに取り込まれることがわかっているなら、そのトランザクションを受け取ったお店の人は無条件に信じていい。

もし15分後にダメだったとしても、入らなかったっていう証明をイーサリアムがコントラクトに提出すると、当額が戻ってくるっていう約束があるから、もうお店側は受け身をとらなくていい。これをする時の言質となるお金、これを1人の主体が用意すると、「いいよ払うよ。ズルするのは俺しかいないから、俺は悪いことしないからいくらでも供託積むよ」って感じになるんですけど、供託積む人が2人いたら、「じゃあこいつ(もう片方の供託者)からとっちゃえ、ズルしてこいつの供託出ていくようにしたら俺儲かるじゃん」みたいなケンカする構図が生まれちゃう、一種のコモンズの悲劇みたいな構図が生まれちゃうんです。やっぱり多人数って効率悪くなったりするなって。

上田:でも多人数じゃないと我々じゃないですよね。別に僕も答えを持っているわけじゃないですけど、それを考えるきっかけになれば嬉しいですね。

落合:聞きたかったんですけど、『キュー』の中でRejected Peopleを成立させるための要素が唯一寂しさってあったじゃないですか。あそこに行きつくまでの過程ってどうでした?

上田: 10代くらいの時に、なぜ寂しさがあるのか考えていたんですよ。ファンタジー小説って、物理学から発想しているみたいな話をきいたことがあるんですよ。自分がファンタジー小説好きだったんで、寂しさって物理学的に表現するとなんだろうと思った時に、万有引力の存在かな、と思って。寂しいから引力で引きあっている、けれど同時に斥力も発生してしまう。それがこの作品ではGenius lul-lul的なところで。寂しさですよって言っているのが立花茂樹なんですけど、反抗する人もちょっとだけいるっていうのが世界の構図に見えているっていう。書いた後から見えてきた。

落合:Genius lul-lulは結局、立花茂樹を抜いたじゃないですか、あの構造の中から。立花茂樹自体はめちゃくちゃ寂しがっていた。恋人めっちゃ欲しがっていたじゃないですか。だからあの時のあの人、あの時の知的生命体っていうのはまだ人間だったんだなって思うんです。

けどGenius lul-lulが立花茂樹を抜いた後から、圧倒的に脳みその塊みたいなぶよぶよしたゼリーみたいなのが作中にあまり登場しなくなったと思っていて。人じゃなくなったんだなというのをすごく感じました。

上田:あーそうでしょうね。わからないです、感覚で書いているんで。でも推敲していくとこうしかないっていう形があるんですよ。だいぶ1年くらい推敲していたんで。

落合:めっきりあの人的なものは出てこなくなった。人じゃなくなって、あの中だけで完結した何かが起きているのかなって。あともう1つ聞きたかったのが、『ニムロッド』の最後。主人公と田久保とニムロッドが三すくみになる。で、田久保とニムロッドが少し通じ合うじゃないですか。そして主人公と音信不通になる……。田久保とニムロッド、デキてます?(笑)

上田:視点人物的にはナカモトなのでわからないっていうのが答えなんですけど。デキてそうですよね。でもそうであっても、たぶん2か月くらいで別れるという予想をしています(笑)。

落合:なるほど。僕、今までおじいちゃんになったら小説を書こうって甘えたこと言ってたんですが、反省します。

上田:小説書こうとしてるんですか?

落合:実は一度SFを書いたことがあって。ラノベみたいになっちゃって、恥ずかしくて出せなかったんですけど。今、『ニムロッド』と『キュー』を読んでめちゃくちゃ書きたい気持ちになっています。

プログラマーが興奮するような作品を書くことが、世界に影響を与える近道に

上田:落合さんが当たり前だと思っている世界観って、まだみんな共有してないので、それを単純に表現するだけでも面白いと思います。例えば落合さんがお話しされたような、呪術のフィルターを通してじゃないと新しいことは生まれてこないんじゃないかという実感というか感触は、恐らくお仕事をされてきた中で、もう腹落ちしまくっているところだと思うので、そこをどう表現されていくのかすごく興味がありますね。

そういうのが求められている気もしますけどね。いわゆる日本のプログラマーって、どちらかというと大企業の下請け仕事ばかりやらされてきた。落合さんみたいな自由な発想をしている人ってすごく少なかったと思うんですよ。僕の付き合っているプログラマーもそういう方が多いですからね、やっぱり。

落合:ブロックチェーンプログラマーが面白いのはそこですね、世界的にも日本でも。語れるプログラマーが多い。哲学ある人達が飛びぬけてきています。

上田:新しい時代なんだなってすごく感じます。

落合:ただ東京にいるブロックチェーンエンジニアって、忙しいので練り込みが甘くなると思っています。だから地方にはモンスターエンジニアがいますよ。やっぱりヒマなところにいるブロックチェーンエンジニアの方が鋭いですね。だからブロックチェーンエンジニアにはヒマな土地に行くべきだと言っていきたいですね。

上田:僕の興味は、プログラマーに感心してもらえるような作品を書くことですね。昔だったらそれこそ、ホッブズが『リヴァイアサン』を書いて、後の思想家に影響を与えて、政治家とか活動家にまで影響を与えて世界が変わっていくじゃないですか。それが今だと、プログラマーが興奮するような作品を書くことが、世界に影響を与えるパスの一つなんじゃないかなって、そんな気がしています。

ソースコードをいじれる人に、それこそ呪術のレイヤーでアクセスするっていうのが今作家として興味があります。そういうのが現代の小説家の役割の一つでもあるんじゃないかなと思っています。

(おわり)

→第1回はこちら「天才小説家と天才エンジニアの化学反応」芥川賞作家・上田岳弘氏×ブロックチェーンエンジニア・落合渉悟氏 <2万字特別対談>(1)
→第2回はこちら「世界はそれを呪縛と呼ぶか、理想と呼ぶか」芥川賞作家・上田岳弘氏×ブロックチェーンエンジニア・落合渉悟氏 <2万字特別対談>(2)

インタビューイ・プロフィール

上田岳弘
1979年、兵庫県生れ。早稲田大学法学部卒業。 2013年、「太陽」で第45回新潮新人賞を受賞し、デビュー。 2015年、「私の恋人」で第28回三島由紀夫賞を受賞。 2016年、「GRANTA」誌のBest of Young Japanese Novelistsに選出。 2018年、『塔と重力』で第68回芸術選奨新人賞を受賞。 2019年、『ニムロッド』で第160回芥川龍之介賞を受賞。 著書に『太陽・惑星』『私の恋人』『異郷の友人』『塔と重力』『ニムロッド』『キュー』がある。

落合渉悟(sg)
レイヤー2ブロックチェーン開発フレームワークの開発で世界的に注目を集めるCryptoeconomics LabのCo-founder/ex-CTO/Chief Economist。技術理解はさることながら、経済・国際秩序などにも広い見識を持ち、CELの高い技術力をどこに投下することで成果が最大化されるかについて全面的な責任を持つ。Twitter:@_sgtn 

上田岳弘氏 作品紹介

『ニムロッド』(講談社刊)

それでも君はまだ、人間でい続けることができるのか。あらゆるものが情報化する不穏な社会をどう生きるか。仮想通貨をネット空間で「採掘」する僕・中本哲史。中絶と離婚のトラウマを抱えた外資系証券会社勤務の恋人・田久保紀子。小説家への夢に挫折した同僚・ニムロッドこと荷室仁。やがて僕たちは、個であることをやめ、全能になって世界に溶ける。すべては取り換え可能であったという答えを残して。第160回芥川賞受賞作品。

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『キュー』(新潮社刊)

さあ、今から「世界最終戦争」を始めよう。人類を終わらせるんだ。
キュー、それは終末を告げる合図、あるいは孤独からの救済。
超越系の旗手、新芥川賞作家が放つ超・世界文学。ウェブ連載から更に飛翔した決定版。
前世に〈太陽〉と同じ温度で焼け死んだと話す少女が同級生だった「僕」は、この〈惑星〉で平凡な医師として生きていたが、いきなり「等国」なる組織に拉致された。彼らによれば、対立する「錐国」との間で世界の趨勢を巡り争っており、その中心には長年寝たきりとなっている祖父がいるという。その祖父が突然快復し失踪、どうやら〈私の恋人〉を見つけたらしい。一方、はるか未来に目を覚ました自称天才の男は迎えに来た渋い声の〈異郷の友人〉と共に、《予定された未来》の最後の可能性にかけるため南へ向かい、途中、神をも畏れぬ〈塔〉を作り〈重力〉に抗おうとした〈ニムロッド〉の調べが鳴り響く。時空を超えた二つの世界が交差するとき、すべては完成する……?

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編集:深谷その子、設楽悠介(あたらしい経済)
写真:大津賀新也(あたらしい経済)

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

ブロックチェーン、仮想通貨(暗号通貨)、トークンエコノミー、評価経済、シェアリングエコノミーなどの「あたらしい経済」をテーマにしたWEBメディアです。「あたらしい経済」モデルやそこでの稼ぎ方、そこで未来を切り開く人々のエピソード、あたらしい時代における働き方や学ぶべきことなどを、紹介します。これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

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