中西金属工業がブロックチェーン活用の物流倉庫向け配送システム「Hacologi」の実証実験開始

中西金属工業がブロックチェーン活用の物流倉庫向け配送システム「Hacologi」の実証実験開始

中西金属工業株式会社が、同社開発のブロックチェーン技術を活用した物流倉庫向け配送システム「Hacologi」の実用化検証の為の実証実験を行うことを10月8日発表した。

中西金属工業株式会社は1941年に設立された大阪を拠点とする企業で、ベアリング・リテーナー・コンベア及び自動制御装置や精密金型・無人搬送車などの製造販売をしている。「Hacologi」の開発は中西金属工業のコンベア・物流など倉庫自動化サービスを提供する輸送機事業部が中心となって開発をしたシステムとのことだ。

プレスリリースによると「Hacologi」を利用することで(1)自社内のみのデータ管理ではなく配送に関わる顧客・製造元・配送業者の3者が同じデータを共有し、コンセンサスアルゴリズムにより正しい配送物のステータスを必要な時に必要な担当者が状況を閲覧できるようになる(2)配送物紛失など万が一の事故発生時に備え、スマートコントラクトにより荷物の受け渡し時には契約が成立し責任の所在が明確化される(3)突合に時間がかかっていた送り状・見積・請求などをデータ管理することで検索が簡単になり、関係する企業で合意の取れたデータを保管するため社内だけでなく取引先ともスムーズなコミュニケーションを行え、コスト削減に繋がる(4)数字の変更など変更履歴はデータとして保管されるため、いつ誰が修正したかを明確にし人的ミスを軽減する。とのことだ。

この実証実験は10月より中西金属工業の輸送機事業部滋賀工場と取引のある大沢運送株式会社の協力のもと自社だけでなく企業を跨いだデータ管理に挑戦し、11月からの「Hacologi」β版サービスが提供できる段階を目指すとのことだ。

編集部のコメント

中西金属工業株式会社はこの物流倉庫向け配送システムの開発に着手したことを今年7月に発表してました。
その際にあたらしい経済編集部が中西金属工業へ問い合わせを行ったところ、「配送システム」の開発には株式会社INDETAIL(インディテール)のブロックチェーン技術が利用されるとのことで、中西金属工業の要望に合わせシステム開発が行われるとのことでした。

なお物流×ブロックチェーンについては、ニトリホールディングスの物流事業を行う株式会社ホームロジスティクスが、今年2020年秋にも新たにブロックチェーンを使った物流システムを稼働することを4月8日に日経新聞が報じています。この物流システムはAIによる配送ルート策定や在庫管理の高度化など約500の機能を開発し、運送会社に導入を促すとのことで、開発費用は数億円になるとのことでした。なおこのホームロジスティクス社のシステムのブロックチェーンの設計は株式会社LayerXが行っています。

コメント:大津賀新也(あたらしい経済)

(images:iStock/dalebor・angelha)

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

合わせて読みたい記事

【12/16話題】SBIとスターテイルの円ステーブルコイン開発、リップルRLUSDのイーサL2対応、メタマスクのBTCサポートなど(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

Sponsored

ビットワイズ、「ハイパーリキッド(HYPE)」現物ETFをSECに再申請、ステーキング対応を明記

米暗号資産(仮想通貨)運用会社ビットワイズ・アセット・マネジメント(Bitwise Asset Management:以下、ビットワイズ)が、暗号資産ハイパーリキッド(HYPE)の現物ETF(上場投資信託)の登録届出書「S-1申請書(Form S-1)」の修正版を、米SEC(証券取引委員会)へ12月15日付で提出した

JPモルガン、初のトークン化MMF「MONY」をイーサリアム上で提供開始

米金融大手JPモルガンの資産運用部門であるJPモルガン・アセット・マネジメント(J.P. Morgan Asset Management)が、同社初となるトークン化マネー・マーケット・ファンド「マイ・オンチェーン・ネット・イールド・ファンド(My OnChain Net Yield Fund:MONY)」の提供を開始したと12月15日に発表した