DARPAの技術検証とPsiQuantumへの条件付き融資を発表
米国防総省(戦争省/Department of War)が、国家安全保障に活用する量子計算の開発・検証や米国内の製造基盤を支援する、総額約3億5,000万ドル(約553億円)規模の取り組みを10月8日に発表した。
今回の支援策には、量子コンピューターの技術検証に向けた約2億ドル(約316億円)の新規資金と、量子コンピューター開発企業サイクオンタム(PsiQuantum)への最大1億5,000万ドル(約237億円)の条件付き融資が含まれる。
技術検証を担うのは、米国防高等研究計画局(DARPA)が進める事業「クアンタム・ベンチマーキング・イニシアチブ(Quantum Benchmarking Initiative:QBI)」だ。DARPAは同事業を通じ、2033年までに、計算から得られる価値がコストを上回る実用規模の量子コンピューターを実現できるか検証している。
DARPAは10月7日、アトム・コンピューティング(Atom Computing)、ディラック(Diraq)、IBM、アイオンキュー(IonQ)の4社が、QBIの最終段階である「ステージC(Stage C)」に新たに進んだと発表した。
ステージCでは、対象企業とDARPAが共同で、提案された量子コンピューターを設計どおりに構築し、想定どおりに動作させられるかを検証する。対象企業は、それまでの審査で研究開発計画や主要な技術的リスク、その軽減策、検証に必要な試作機の要件などを示したという。
一方、同省の戦略資本局(Office of Strategic Capital:OSC)は、サイクオンタムへの条件付き融資を通じ、同社の米国内における製造・試作能力を支援する。同社によると、融資が実行された場合、資金はカリフォルニア州ミルピタスの製造・試作拠点の設備整備などに活用する計画とのことだ。 ・具体的には、部品や試作システムの検証設備、システムの組み立て・統合に必要な設備、極低温設備などが対象となる。融資は確定しておらず、最終的な契約には財務・法務・技術・規制上の条件を満たす必要があるという。
同省の研究・技術担当部門(R&E)は、化学、材料科学、物理学などの分野で量子計算を活用することで、次世代の兵器や装備の開発につながると見込んでいる。性能に加え、費用対効果や製造のしやすさの向上も期待しているという。
またDARPAは、米エネルギー省(DOE)などと連携し、2026年中に量子計算の応用をテーマにした一連のワークショップを開始する予定だ。利用者と量子アルゴリズムの専門家を集め、防衛や産業での価値の高い用途を検討するとのことだ。
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— Department of War CTO (@DoWCTO) October 8, 2026
参考:米国防総省 ・DARPA・サイクオンタム
画像:PIXTA