RC版によるリハーサルで800超のブロック生成
ビットコイン(Bitcoin)の改善提案「BIP-110」の強制シグナリング規則を適用したノードが追従する少数派チェーンが、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)のアルゴリズムを変更して再始動した。暗号資産(仮想通貨)メディア「ビットコインドットコム(Bitcoin.com)」が8月31日に報じた。
BIP-110は、画像やテキストなどの任意データをビットコインのブロックチェーンに記録する特定の手法を約1年間制限し、通貨としての利用へ再び重点を置くことを目指した提案だ。背景には、画像などを記録する「オーディナルズ(Ordinals)」などの普及を受け、ビットコインを金融取引以外のデータ保存に利用することを巡る議論がある。
今年8月8日には、BIP-110への対応を示すシグナルを含まないブロックを拒否する「強制シグナリング」の期間が始まった。しかし、大半のマイナーは従来のルールに従うビットコインの主要チェーンで採掘を継続したため、BIP-110を適用するノードが追従するチェーンはブロック高961,632で分岐した。
分岐した少数派チェーンは主要チェーンの高い採掘難易度を引き継いだ一方、採掘に参加するマイナーが少なく、難易度に対して計算能力が不足していた。このため新たなブロックの生成に長い時間がかかり、その後チェーンは停滞した。
今回、同チェーンではPoWアルゴリズムをビットコインの主要チェーンが採用する「SHA-256d」から「BLAKE2b」へ変更した。新チェーン側の公式サイト「btc-blake2b.org」では、今回の変更をBIP-110そのものではなく、PoWアルゴリズムを変更する新たなハードフォークと位置付けている。
同チェーンではブロック高961,639までSHA-256dが使用され、ブロック高961,640からBLAKE2bによるブロック生成が始まった。ビットコインドットコムの記事執筆時点では、BLAKE2bへの移行後に800以上のブロックが生成されたとのことだ。ただし、新チェーン側は現時点の稼働を、Bitcoin Knots 29.4.1のリリース候補版「RC4」を用いたメインネット上のリハーサルと位置付けており、BLAKE2b対応版は正式公開前となっている。
また、BLAKE2bへの変更とあわせて、新たに導入された任意データの制限が有効な期間中は、ブロックウェイトの上限が800,000ウェイトユニット(WU)に設定された。新チェーン側の公式サイトでは、これを約300kBに相当すると説明している。ビットコインの主要チェーンの上限は4,000,000WUで、ウェイトユニットで比較すると5分の1となる。
JUST IN: THE FAILED BIP 110 FORK HAS OFFICIALLY RELAUNCHED AND REMOVED #BITCOIN‘S PROOF OF WORK ALGORITHM
— The Bitcoin Historian (@pete_rizzo_) August 31, 2026
IT IS NOW ITS OWN INCOMPATIBLE BLOCKCHAIN WITH ITS OWN CRYPTOCURRENCY 🤡 pic.twitter.com/JTRKNcNlWT
参考:ビットコインドットコム・mempoolガイド ・BLAKE2bサイト
画像:PIXTA