創業者死去後のCEO就任巡り対立
現実資産(RWA)のトークン化サービスを手掛けるオンド・ファイナンス(Ondo Finance)で、経営権を巡る対立が表面化している。同社の故創業者ネイサン・オールマン(Nathan Allman)氏の母親キャスリーン・オールマン(Kathleen Allman)氏が、現CEOのイアン・デ・ボード(Ian De Bode)氏の解任と同社の支配権を求め、7月24日にデラウェア州衡平法裁判所へ提訴したと、暗号資産(仮想通貨)メディア「ザ・ブロック(The Block)」が8月6日に報じた。
今回の対立の発端となったのは、創業者ネイサン氏の急逝だ。ネイサン氏は2021年にオンドを設立し、CEOを務めていた。今年5月に同氏が死去したことを受け、オンドは当時社長を務めていたデ・ボード氏がCEOに就任すると発表した。
しかし、キャスリーン氏は、そのCEO就任には必要な取締役会の承認がなく、適切な手続きを経ていないと主張している。ザ・ブロックが入手した訴状では、キャスリーン氏は、デ・ボード氏が取締役会の承認を得ずにCEOを名乗り、自身を会社の唯一の取締役に選任しようとしたと主張している。
訴状では、ネイサン氏は死去時点でCEO、唯一の取締役、支配株主だったとされている。一方、もう1つの取締役席は空席だったため、ネイサン氏の死去後は取締役が不在となり、取締役会によるCEO選任を行えない状態だったとのことだ。
さらに同訴状では、ネイサン氏が保有していた議決権は遺産の一部となったため、ハワイ州の裁判所がキャスリーン氏を遺産を管理する法的な代表者(個人代表)に任命するまで行使できなかったと主張している。
ハワイ州の裁判所は6月26日、キャスリーン氏を個人代表に任命した。その約2週間後、キャスリーン氏は株主による書面同意を通じて、自身を唯一の取締役に選任したと主張している。訴状によると、同氏は当初、通常業務を継続する暫定方針を採用するとともに、デ・ボード氏を社長として改めて承認し、協調的な移行を求めていたという。
しかし、その後キャスリーン氏は取締役会を4席に拡大し、ゴードン・リャオ(Gordon Liao)氏と、ネイサン氏の姉妹であるターニー・トウィル(Tahnee Towill)氏を取締役に選任したと主張している。リャオ氏は、今回の法的紛争とは無関係の理由で就任を辞退した。7月24日には、キャスリーン氏とトウィル氏が、デ・ボード氏を社長職を含むすべての役員・従業員・コンサルタントとしての地位から解任し、キャスリーン氏を取締役会議長兼暫定CEO、秘書役、財務責任者に選任したとのことだ。
暗号資産メディア「コインデスク(CoinDesk)」は、デラウェア州衡平法裁判所へ3件の裁判書類が提出されたと報じている。キャスリーン氏側は裁判所に対し、オンドを適法に支配する権限を持つ者の判断に加え、経営権を巡る争いが解決するまで会社による重要な意思決定を制限するよう求めているとのことだ。
一方、デ・ボード氏はザ・ブロックおよびコインデスクへの声明で、キャスリーン氏側の主張には根拠がなく、その点は裁判で明らかになるとの見方を示した。また、主要な投資家やオンド財団(Ondo Foundation)は現在の経営体制を支持しており、経営陣は引き続きネイサン氏が掲げたビジョンの実現に取り組むとのことだ。
なお、公開されている訴状では、ネイサン氏が保有していた議決権の具体的な比率や死因は黒塗りとなっていると。現時点では双方の主張が対立しており、オンドの経営権の帰属については裁判所の判断が待たれる状況だ。
It is with profound sadness that we announce the unexpected passing of Nathan Allman, Ondo’s founder. Our hearts are with his family and loved ones.
— Ondo Finance (@Ondo) May 25, 2026
Nate’s brilliance, humility, and drive shaped every part of what Ondo is today. His belief in the power of technology to create a…