RWAトークン化や国際決済、AIエージェント向け決済基盤で協業へ
SBIホールディングスが、米クロスリバー・バンク(Cross River Bank)を傘下に持つCRBグループ(CRB Group)と、戦略的業務提携および日本での合弁会社設立に向けた基本合意書を締結したと10月28日に発表した。
合弁会社では、日本とアジア太平洋(APAC)地域の顧客を対象に、両社グループの金融サービスや関連商品を展開することを目指す。SBIホールディングスはCRBグループへの戦略的出資も予定している。
クロスリバー・バンクは2008年設立の米銀行で、企業が自社サービスに金融機能を組み込む「組込型金融(エンベデッド・ファイナンス)」の基盤を提供している。口座、カード、決済、融資、デジタル資産などに対応する。
合弁会社で検討する事業は、融資債権などの現実資産(RWA)のトークン化商品の開発・組成・販売、両社の銀行・決済基盤を活用したクロスボーダー決済サービス、AIエージェントによる取引に対応する決済基盤などの3分野だ。
また両社は、信託型円建てステーブルコイン「JPYSC」をクロスリバー・バンクのプラットフォームに導入することも検討する。機関投資家向け取引、クロスボーダー取引、トークン化資産の取引における決済手段としての活用を想定している。
このほか、SBIグループの販売網や銀行基盤を活用し、クロスリバー・バンクの組込型銀行サービスや決済インフラを含むフィンテックソリューションを日本・APAC地域の個人や事業者に展開することも検討する。SBIグループ各社のオンチェーン金融商品を、クロスリバー・バンクのプラットフォームで提供することも協業内容に含まれる。
資産運用分野では、プライベートクレジットや仕組み商品に特化したクロスリバー関連の新たな資産運用ビークル(投資の受け皿)に、SBIホールディングスがアンカー投資家として参画する可能性も検討する。
なお、各取り組みは今後の協議や最終契約の締結、日米の関係当局による必要な許認可等の取得が前提となる。
JPYSCについて
JPYSCは、SBIグループとスターテイルグループ(Startale Group)が共同開発した円建てステーブルコインだ。SBI新生信託銀行が発行し、SBI VCトレードが流通を担う。各社によると、国内初の信託型円建てステーブルコインにあたる。トークン化資産の取引や国際決済などへの活用が想定されている。
JPYSCは今年6月24日、SBI VCトレードの口座内限定で先行提供が始まった。ただし、本稿執筆時点(10月29日)では、外部ウォレットとの入出庫には対応していない。
SBI VCトレードは、信託型ステーブルコインをパブリックチェーン上で流通させる際の、関係法令・税務実務上の取り扱いの整理が必要だとしている。これらの整理後、監督当局の確認を前提に、パブリックチェーン上で流通できる体制への移行を目指す方針だ。
なおSBI新生信託銀行の開示によると、9月30日時点のJPYSCの発行残高は約200.7億円となっている。
参考:SBIホールディングス・クロスリバー・バンク
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